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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

役員死亡退職金の算定基準について

【質問】

 A社の代表取締役が7月に亡くなった。退職金の支給を次の金額で支給した場合、税務上問題はないでしょうか。
(1)死亡退職金
 月額報酬78万円×在任年数25年×功績倍率3.2=6,240万円
(2)功労加算金 6,240万円 ×  0.3  =1,872万円
(3)弔慰金      78万円 ×  6ヶ月  =  468万円
                       合計 8,580万円

【回答】

1 役員退職金の算定基準についてのお尋ねです。
2 ご質問の趣旨は、退職金の額について、(最終報酬月額×在任年数×功績倍率3.2)とした上、その金額の3割相当額を功労金として加算したために、功績倍率が4.16倍となるが、これでよいか(BAST等の統計資料によれば、3倍程度)、というものです。なお、弔慰金は、別途報酬の6月分相当額を支払うとのことです。
3 税務実務において多く用いられる功績倍率は、退職金、慰労金、功労金など名目を問わず、退職時に支払われる退職金の実質を有するものをすべて含んだものであり、退職金相当額に別途功労金を加算するのでは、個別の事情を包摂するものとして平均して算出した功績倍率の意味がありません。
 そして、ご指摘のように、これまでの裁判例等に現れた功績倍率は、代表取締役のケースでおおむね3倍程度であり、統計資料は、高いもので3倍ぐらいであって、それよりも低い事例は多数にのぼります。
 高額な退職金が問題になっているケースは、多額の補償金収入があった、譲渡収入があった、保険金収入があったなど、役員の功績とは無縁な要因から高額化していると考えられます。
 個別具体的な退職給与は、地域性、企業の収益や退職の事情で異なるでしょうから、即断することは困難ですが、一般的な基準からみれば、お示しの金額は高額との印象を受けますので、功労金を含めて3倍程度の功績倍率とされるのが無難でしょう。

【関連情報】

《法令等》

法人税法36条

【収録日】

平成17年 2月12日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
注3: 当Q&Aの著作権は株式会社TKCに帰属します。当Q&Aのデータを改編、複製、転載、変更、翻訳、再配布することを禁止します。

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