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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

保険契約者でない配偶者が保険料を支払った場合、その配偶者が地震保険料控除を適用することができるか

【質問】

1 X・Y夫婦は、双方とも給与所得者である。
 妻Yが契約者である居住用建物の損害保険契約があり、保険料はY名義の銀行口座から引き落とされている。Xは、毎月の給料から保険料の2分の1相当額を含む一定額の金員をYの口座に入金している。
 保険契約はY名義であるので、地震保険料控除証明書はYの名義で発行されている。
 この場合に、Xは地震保険料の一部を負担しているので、Xにおいて地震保険料控除の適用を受けることはできないか。
2 一般的には、契約者がその保険料を支払うことになるので、証明書記載のとおりYの控除の対象としているが、所得税法の規定では地震保険料控除は「支払った者」に適用があることとなっているので(所得税法77条)、契約者以外の者が当該保険料を支払えば、その支払った者において控除ができるものと考える。
 仮に、Yに収入がない場合には、Y名義であってもXが負担せざるを得ないのであり、その負担が真実であるならば、Xが控除を受けることに問題はないと考えるがどうか。

【回答】

1 「Yに収入がない場合には、Y名義であってもXが負担せざるを得ないのであり、その負担が真実であるならば、Xが控除を受けることに問題はない」というお考えは正しいと考えます。
 すぐに想起される判決に、以前、TKC租税判例研究会で採り上げた、福岡地裁平成10年3月20日判決(LEX/DB全文文献番号28030856、控訴審福岡高裁平成12年3月28日判決:28061618)があります。
 この事件は、養老保険金が所得税、相続税のいずれの課税対象になるか(つまりは掛金の実質負担者は誰か。負担者が息子であれば相続税、父親であれば一時所得の各課税対象となる。)が争われた事案であり、判決は、詳細な事実認定の結果、掛金を負担したのは保険契約者である息子ではなく、その父親であったと認定し、一時所得課税をした更正処分を適法としました。
2 上記事件においても、養老保険の掛金は原告の貯金口座から引き落とされていました。
 判決は、この点につき「掛金の支払は原告名義の貯金口座からなされているが、このように貯金口座からの振替によって支払がなされている場合は、右掛金の負担者は特段の事情がない限り貯金口座の名義人であると解するのが相当である」と説示しています。
 ご質問の場合、保険料はY名義の預金口座から引き落とされているとのことですから、Xが保険料の2分の1相当額を負担していたと課税庁をして認めさせ得るためには、この特段の事情が存在することの立証、すなわち、XからYの口座に振り込まれている一定額の金員が保険料負担分を含むものであることの理由ないしは事情あるいは経緯等の諸事実の必要かつ十分な立証が必要となりましょう。

【関連情報】

《法令等》

所得税法77条

【収録日】

令和 8年 1月13日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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