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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

相続時精算課税を選択して贈与により取得した被相続人居住用財産の譲渡と空き家特例

【質問】

 甲は、令和5年に乙(父親)が居住していた家屋及びその敷地を乙からの贈与により取得し、その贈与について相続時精算課税を適用して贈与税の申告を行った。
 乙は、甲に贈与した後も引き続きこの家屋に居住していたが、令和6年10月に亡くなったため空き家の状態になった。
 甲は、乙の相続税の計算において、この家屋及びその敷地を課税価格に加算して相続税の申告を行っている。
 その後、甲は、この家屋を取り壊し、その敷地を令和7年10月に譲渡した。
 この場合、空き家特例(租税特別措置法35条3項に規定する被相続人居住用財産を譲渡した場合の特別控除の特例)を適用することはできるか。
 家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたものであることなどの要件は満たしている。

【回答】

 ご質問の場合、甲は、乙の居住用財産を贈与により取得しており、相続又は遺贈により取得したものではありませんから、空き家特例を適用することはできません。

【関連情報】

《法令等》

租税特別措置法35条3項

【解説】

1 相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人が、一定の要件を満たす譲渡(対象譲渡)をした場合には、租税特別措置法35条1項に規定する居住用財産を譲渡した場合に該当するものとみなして、3,000万円の特別控除(空き家特例)を適用することができます(措法35条〔3〕)。
2 この特例を適用することができる譲渡者は、被相続人居住用家屋等を相続又は遺贈により取得した相続人とされており、この場合の「遺贈」には、いわゆる死因贈与が含まれますが、単純贈与は含まれません。
3 ところで、特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得した相続時精算課税適用者については、特定贈与者からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の規定(相法21の9〔3〕)の適用を受けるものの価額から基礎控除(相21条の11の2〔1〕)の額を控除をした残額を相続税の課税価格に加算した価額をもつて、相続税の課税価格とされ(相法21の15〔1〕)、また、特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得しなかった相続時精算課税適用者については、特定贈与者からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の規定の適用を受けるものの価額から基礎控除の額を控除をした残額を当該特定贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなして、相続税の課税価格を計算することとされています(相法21の16〔1〕、〔3〕)。
  しかし、これらの規定は相続税の課税価格の計算に関しての規定であり、空き家特例の規定における「相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)による」取得には、含まれないものと考えられます。
  ご質問の場合の乙の居住用財産は、甲が乙から令和5年に贈与により取得したものであり、「相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)」により取得したものではありませんから、空き家特例の対象にはなりません。

【収録日】

令和 8年 3月18日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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