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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

取得後1年以上経過した後に取り壊した建物の取壊しに係る取扱い

【質問】

 A社(4月決算法人)は、工場の拡張の必要性から、工場に隣接する個人B(第三者)所有の土地300平方メートル(以下、「本件土地」といいます。)の取得の交渉を進めてきたところ、平成28年10月に、本件土地及びその一画にあるB居住の平屋建住宅100平方メートル(以下、「本件建物」といいます。)の譲渡契約が成立し、取得代金3,540万円(内訳:本件土地3,000万円、建物540万円)をBに支払いました。
 A社とBとの合意により、当初は、譲渡契約から概ね1年以内に本件土地及び本件建物の引渡しを受ける予定でしたが、Bの転居先である新居の工事の遅れにより、引渡しが平成29年12月となったため、A社は平成30年1月に本件建物の取壊しを完了し、工場の拡張工事に着手しました。
 なお、譲渡契約締結後、Bの立退きまでの間は、本件建物のBによる無償使用を認めていたため、事業供用要件を満たすと判断し、本件建物の取得価額について減価償却費の損金算入を行った結果、解体直前の本件建物の帳簿価額は470万円となりました。
 また、本件建物の取壊費用として解体業者に80万円を支払いました。
 そこで質問ですが、本件建物の帳簿価額及び取壊費用については、取得から取壊しまで1年3か月経過していることから、本件土地の取得価額に算入することなく、除却損及び取壊費用として、平成30年4月期の損金の額に算入することとして差し支えないでしょうか。

【回答】

1 法人が建物等の存する土地(借地権を含む。)を建物等とともに取得した場合又は自己の有する土地の上に存する借地人の建物等を取得した場合において、その取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手する等、当初からその建物等を取壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは、当該建物等の取壊しの時における帳簿価額及び取壊費用の合計額(廃材等の処分によって得た金額がある場合は、当該金額を控除した金額)は、当該土地の取得価額に算入することとされています(法基通7-3-6)。
  この取扱いは、その土地及び建物の取得の実質が、「建物の取壊費用込みで土地を取得したもの」であることに着目した取扱いと解されますが、「取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手する等」とは、例示にすぎず、「当初からその建物等を取り壊して土地を利用する目的であることが明らか」な場合には、取得後1年以内かどうかにかかわらず、適用されるべきところと考えられます。
  したがいまして、取得後1年以内に取り壊した場合であっても、取得の当初において取壊しが予定されていなかった場合であれば、帳簿価額や取壊費用の損金算入が認められるケースもあるでしょうし、逆に、1年以上経過した後に取り壊した場合であっても、当初から土地だけを利用することが明らかである場合には、帳簿価額及び取壊費用の損金算入は認められず、土地の取得価額に算入すべきところと考えられます。
2 お示しの事実によれば、A社は隣接するB所有の本件土地を「本社工場の拡張の必要性から取得した」ということであり、これを前提とする限り、当初から本件建物を取り壊して本件土地を利用する目的であることが明らかと認められますから、本件建物の取壊時における帳簿価額470万円及び取壊費用80万円の合計550万円については、本件土地の取得価額に算入するのが相当と考えられます。

【関連情報】

《法令等》

法人税基本通達7-3-6

【収録日】

平成30年 7月26日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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