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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

居住用賃貸建物に該当しない販売用の住宅を翌期になって賃貸用とした場合の仕入税額控除の調整

【質問】

 不動産業を営むA社は、販売目的のマンションを建設会社B社に請け負わせて建設し、その建築費用を個別対応方式の課税資産の譲渡等にのみ要するものとして、仕入控除税額の計算を行いました。
 しかし、翌事業年度になっても一戸だけが売れ残ったので、やむを得ず一戸については居住用として賃貸しました。この場合、消費税法34条1項《課税業務用調整対象固定資産を非課税業務用に転用した場合の仕入れに係る消費税額の調整》の規定が適用され、仕入控除税額の調整をすることとなりますか。

【回答】

 令和2年度税制改正により、令和2年10月1日以後に行った居住用賃貸建物の課税仕入れについては、仕入税額控除を制度の適用を認めないこととされました。この場合の「居住用賃貸建物」とは、「消費税法別表第一第13号に掲げる住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物」で高額特定資産又は調整対象自己建設高額資産に該当するものをいうこととされています。
(注)令和2年3月31日までに締結した契約に基づき、同年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合には適用されません。
 この居住用賃貸建物の課税仕入れについては、課税仕入れを行った日の属する課税期間では仕入税額控除制度の適用を認めないこととされていますが、その後第三年度の課税期間の末日までの間(調整期間)に課税賃貸用に供した場合又は他の者に譲渡した場合には、第三年度の課税期間又は譲渡した課税期間において、所定の計算により算出した金額を仕入控除税額に加算することとされています。
 なお、取得した建物が居住用賃貸建物に該当するかどうかの判定は、課税仕入れを行った日の状況により判定することとされており、また、同日において住宅の貸付けの用に供しないことが明らかでない場合でも、同日の属する課税期間の末日において住宅の貸付けの用に供しないことが明らかにされたときは居住用賃貸建物に該当しないものとして差し支えないこととされています。
 ご質問の場合は、現に入居者がいる賃貸物件を販売目的で買い取ったものではなく、当初から分譲を目的として建築請負契約による課税仕入れを行った居住用の建物ですから、その課税仕入れを行った日の属する課税期間の末日においても居住用賃貸建物には該当しないため、従来どおり、課税仕入れを行った日の属する課税期間において仕入税額控除を行うことになると考えます。
 ところで、個別対応方式により仕入控除税額を計算する場合における課税仕入れの用途区分は、課税仕入れを行った日の状況により行うことを原則とし、課税仕入れを行った日にその区分が明らかにされていない場合でも、その日の属する課税期間の末日までにその区分が明らかにされたときは、その明らかにされた区分によることとして差し支えないこととされています。
 ご質問の場合は、販売目的で分譲マンションを建設していますから、取得時においてはそのすべてが棚卸資産であったわけであり、取得後3年以内に売れ残った一戸を賃貸住宅に転用したとしても、それによってその一戸が取得時から調整対象固定資産であったということにはなりません。したがって、消費税法34条の「課税業務用調整固定資産を非課税業務用に転用した場合」に当たらないこととなりますから、仕入控除税額の調整は必要はないものと考えます。

【関連情報】

《法令等》

消費税法30条2項1号
消費税法30条10項
消費税法34条1項
消費税法35条の2
消費税法施行令5条
消費税基本通達11-2-20
消費税基本通達11-7-2
消費税基本通達12-2-1
消費税基本通達12-4-1
消費税基本通達12-4-2

【収録日】

令和 2年10月26日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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