《税務Q&A》
情報提供 TKC税務研究所
【件名】
取得した中古機械の耐用年数の見積り又は簡便法の適用の可否
【質問】
当社は機械部品のメーカーですが、昨年、廃業した同業者から中古機械(NC旋盤1台)を300万円で譲り受けました。手入れが良かったためそのまま事業の用に供することができましたが、耐用年数の見積りが困難であり、法定耐用年数の10年(別表第2の「金属製品製造業用設備」の「その他の設備」)を全部経過していたことから、簡便法により耐用年数を2年として償却していたところ、税務調査において当局から「当該中古機械は総合償却資産であるから簡便法の適用はできず、法定耐用年数によるべきである。」との指摘を受けました。 当局の指摘は正しいのでしょうか。
【回答】
総合償却資産とは、機械及び装置並びに構築物で、当該資産に属する個々の資産の全部につき、その償却の基礎となる価額を個々の資産の全部を総合して定められた耐用年数(以下、「総合耐用年数」といいます。)により償却することとされているものをいい(耐通1-5-8本文括弧書き)、これに対して、個々の資産ごとに定められた耐用年数により償却する資産を個別償却資産といいます。 平成20年度の税制改正において、減価償却資産の耐用年数等に関する省令が改正され、別表第二の機械及び装置の資産区分について、390区分から55区分に大幅に整理されましたが、改正前の旧別表第二には、総合償却資産でない機械装置、即ち個別償却資産として「334 ブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備 5年」等が特掲されていました。 ところが、改正後の別表第二には個別償却資産として特掲されたものはなく、各機械装置の使用状況により耐用年数を適用することを旨として、日本標準産業分類の中分類に従った業用区分ごとに定められた総合耐用年数を適用することとされました。 したがいまして上記改正後においては、機械及び装置のすべてが、別表第二に記載された「1 食料品製造業用設備 10年」以下55区分の「設備の種類」(○○業用設備)ごとに定められた総合耐用年数により償却することとされる総合償却資産に該当することになりました。 ところで、耐用年数省令3条1項2号は、同省令の別表第一、別表第二、別表第五又は別表第六に掲げる減価償却資産に該当する中古資産を取得した場合において、耐用年数の見積りが困難な場合には簡便法によることができる旨を規定していることからしますと、別表第二の機械及び装置についても簡便法の適用が可能であり、簡便法の適用ができないとする当局の指摘は疑問となるように思われます。 しかしながら、耐用年数取扱通達1-5-8《中古の総合償却資産を取得した場合の総合耐用年数の見積り》においては、機械及び装置等の総合償却資産については、法人が工場を一括して取得する場合等、一の「設備の種類」に属する資産の「相当部分」につき中古資産を一時に取得した場合に限り、当該中古資産の総合耐用年数を見積って当該中古資産以外の資産と区別して償却することができるとし、その場合の個々の中古資産の耐用年数の見積りが困難な場合には、当該資産の種類又は設備の種類について定められた旧別表第二の法定耐用年数の算定の基礎となった当該個々の資産の個別耐用年数を基礎として省令3条1項2号に規定する簡便法によりその耐用年数を算定することができる旨が示されています。 この場合の取得した中古資産がその設備の「相当部分」であるかどうかは、当該取得した資産の再取得価額の合計額が、当該資産を含めた当該資産の属する設備全体の再取得価額の合計額のおおむね30%以上であるかどうかにより判定するものとされています(耐通1-5-9)。 以上の取扱いは、総合耐用年数が各業用設備を構成する多様な個々の機械の個別耐用年数を総合平均して算定されたものであることから、1,2台の中古機械を取得した程度では設備の耐用年数への影響が微少であるため中古資産の耐用年数の見積りは認めないこととする一方で、工場を一括で取得する等、中古資産の再取得価額が全体の30%以上に及ぶような場合に限り、全体の設備の耐用年数への影響を考慮して、取得した中古資産グループについて耐用年数を見積もることを認めたものと解されます。 したがいまして、ご質問のケースで取得した中古機械について簡便法の適用ができるのは、その中古機械の再取得価額が、貴社の「金属製品製造業用設備」全体の再取得価額の30%以上に該当する場合に限られることになり、該当しない場合には、当局の指摘のとおり、中古資産の耐用年数の見積りや簡便法の適用はできず、法定耐用年数10年によることになるものと考えられます。
【関連情報】
《法令等》
【収録日】
平成23年12月21日