《税務Q&A》
情報提供 TKC税務研究所
【件名】
テントハウスの耐用年数について
【質問】
当社は卸売業を営んでいますが、最近、取扱商品が多くなりましたので、その専用の保管場所として、新たにテントハウスを建てることになりました。その主な構造は、床はコンクリート、支柱骨格は鉄骨造、鉄骨全体をシートが覆うものです。耐用年数省令別表第一にはテントハウスに該当する項目が見当たりません。テントハウスの主な仕様は次のとおりですが、法人税法上の資産区分とその適用すべき耐用年数を教えてください。(テントハウスの主な仕様) 鉄骨造平屋建て、支柱の骨格材の肉厚10ミリメートル、屋根及び壁面部分は塩化ビニール・ポリエチレン布シートで覆われ、壁面の一部に搬送用の出入口あり。建築のためコンクリートの基礎、床を有し、鉄骨支柱は基礎にボルト固定、建物の床面積は500平方メートル。
【回答】
ご質問のテントハウスの法人税法上の資産区分及び耐用年数については、次のとおりに考えます。(1) 建物の定義については法人税法上特に規定が設けられていませんが、建築基準法第2条(用語の定義)第1号において、建築物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものをいい、また、不動産登記規則第111条(建物)では、建物は屋根及び周壁又はこれに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならないとされていますので、これらの規定から、法人税法上の建物は土地に定着する構造物のうち、屋根、周壁、柱等を有し、その目的とする用途に供し得る状態にあるものと解されます。(2) ご質問のテントハウスは、その支柱がコンクリート基礎にボルト締めで固定されていることから、容易に解体し移設し又は撤去できるものではないと認められます。また、コンクリート基礎はテントハウスを建設するために設置したものであることから、継続して一定の土地に固定して使用することを予定されたものであり、土地に定着した建造物であると認められます。 そうすると、ご質問のテントハウスは鉄骨の支柱を塩化ビニール・ポリエチレン布シートで覆ったものとはいえ、屋根、壁及び床を有しており、卸売業を営む法人が扱う取扱商品を保管するための倉庫として使用されていると認められます。 また、ご質問のテントハウスは、建設業における移動性仮設建物のように、解体、組立てを繰り返して使用することを常態とするものとは認められませんので、耐用年数省令別表第一の「建物」の「簡易建物」の「仮設のもの」(耐用年数通達2-1-23)には該当しないことになります。 したがって、ご質問のテントハウスは、床面積が500平方メートルの規模があって卸売業を営む法人の倉庫として使用されていること、テントハウスの主たる構造が鉄骨造であり、支柱部分の骨格材の肉厚が10ミリメートルであることから、耐用年数省令別表第一の「建物」に該当し、構造又は用途「金属造のもの(骨格材の肉厚が4ミリメートルを超えるものに限る。)」、細目「工場(作業場を含む。)用又は倉庫用のもの」の「その他のもの」の「その他のもの」に該当することから耐用年数は31年を適用することになります。
【関連情報】
《法令等》
【収録日】
平成30年 4月28日