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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

「学資金に充てるため給付される金品」の範囲

【質問】

 医療法人Aは、良い薬剤師(人材)を確保するため、この度、薬学部学生について奨学金制度を作ることとなりました。
 ただ、薬学部は6年間と長期在学となり、新入学の学生を対象とすると採用までに6年かかることから、「卒年次」の学生を対象とし、既に学生が奨学生となる前に過去5年間に支払ってきたであろう学費のうち、300万円を上限に、一括で貸付け、晴れて資格取得後、当該医療法人で5年間勤務した場合にその返済を免除する制度とする予定です。
 この返済免除に係る経済的利益は、「学資金に充てるため給付される金品」として非課税とすることができるでしょうか。
 なお、5年間当該医療法人に勤務し、その返済の免除を受けた金額については、奨学生が当該医療法人から支給を受ける通常の給与に加算して受けるもので、通常の給与の代替ではなく、また、法人の役員、使用人の配偶者、その他使用人と特別の関係がある者の学資に充てるため給付するものではありません。

【回答】

 ご質問の経済的利益は非課税所得に該当しないものと思われます。

【関連情報】

《法令等》

所得税法9条1項15号

【解説】

 所得税法9条1項15号は、「学資に充てるため給付される金品」に係る非課税規定であるところ、典型的なものは、返還を要しない奨学金や従業員の夜間学校に係る授業料相当額を給与に加算して支給する場合が挙げられます。
 また、地方公共団体において、地域の医師確保対策として、医学生に奨学金を貸与し、当該医学生が卒業後一定期間、当該地方公共団体が指定する医療機関で勤務したことを条件として、当該奨学金の返還債務を免除する場合の経済的利益がこれに該当します。
 ご質問の事例は、「卒年次」の学生を対象に、過去に支払ったであろう学資金相当額(300万円を上限)を貸与し、資格取得後、医療法人Aに5年間勤務した場合にその債務を免除するというもので、上記の地方公共団体における地域の医師確保対策に類似するものとも思われます。
 しかしながら、同規定の「学資金」は、一般に、学生が授業料等をその納期までに支払うものを示すものと思われ、また、既に支払いを終えている学資金相当額について、これを貸付けた場合のその使途を「学資に充てるため」と解することも困難と思われます。
 ご質問の事例は、これらの点において、地方公共団体が地域の医師確保対策で行う奨学金の支給及びその返還債務を免除する場合とは異なるものと思われます。
 したがって、ご質問の経済的利益は非課税所得に該当しないものと思われます。

【収録日】

令和 1年 9月20日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
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