《税務Q&A》
情報提供 TKC税務研究所
【件名】
信用取引により株式を買つていた人が決済前に死亡した場合の株式の評価
【質問】
信用取引により株式を買つていた人が、その決済をする前に死亡した。この場合の相続税の課税価格の計算に関し、財産および債務はどのように評価されるのか。
【回答】
信用取引により空売りをしていた者が決済前に死亡した場合は、借株担保金(売建金額)とその日歩(受取利息)の合計額が財産となり、課税時期における最終価格を基として評価した借株の額(最終価格の月平均額は採用できません。)と逆日歩(品貸料)が債務の額となります。 また、買付けを建てていた者が決済前に死亡した場合は、株式について現株と同様に評価した価額を財産の額とし、買いを建てた金額とその支払日歩(支払利息)の合計額が債務の額となります。 なお、信用取引を行っている場合には、この外に証券会社に預託している「委託保証金」があり、別途財産として計上することに注意してください。
【関連情報】
《法令等》
【解説】
信用取引による売方がその決済前に死亡した場合には、証券会社に差し出している借株担保金とその日歩(受取利息)の合計額を積極財産の額とし、借株の評価額を債務の額として課税価格を計算することになります。 この場合における「借株の評価額」は、課税時期(相続開始の日)の最終価格となります。したがって、上場株式の価額を評価する場合の課税時期の属する月以前3か月間における月中平均株価は採用しません。 なお、逆日歩(品貸料)を支払う必要がある場合には、その未払金額は債務となります。 逆に、信用取引による買方がその決算前に死亡した場合には、買付けによる株式について現株と同様に上場株式の評価方法によって評価した価額を積極財産の額とし、買いを建てた価額と課せられる日歩(支払利息)を債務の額として課税価格を計算することになります。 なお、逆日歩(品貸料)を受取る場合には、その未収金額は、財産となります。
【収録日】
平成19年 8月 1日