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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

賃貸アパートの取壊しに伴う取壊し費用及び資産損失について

【質問】

 私は不動産賃貸業(事業的規模)を営んでいますが、賃貸アパートは建築から年数が経っており、賃借人も少なくなったので、その賃貸アパートを取り壊すことにしました。
 このように賃貸業を廃止して、その賃貸アパートを取り壊した場合における取壊し費用とその取壊しに伴う資産損失の金額は、賃貸アパートを取り壊した後の敷地の使用目的によって異なった取扱いになるのでしょうか。

【回答】

 賃貸アパートの取壊しに伴う取壊し費用及びその資産損失の金額については、次のように取り扱われます。
1 取り壊した後に新たな賃貸建物などの業務用資産を新築する場合等
  賃貸している建物を取り壊した後に新たな賃貸建物などの業務用資産を新築する場合やその敷地を業務の用に供する場合には、その賃貸業務は継続していると考えられることから、賃借人を立退かせた後相当期間にわたって放置されていた場合などを除き、その取壊し費用はその業務について生じた費用として不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することになります(所法37条)。
  また、取壊しに伴う資産損失の金額については、その賃貸業務が事業的規模で行われているかどうかにより、その必要経費に算入することができる金額が異なります。事業的規模で行われている場合には、その資産損失の金額の全額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができます(所法51条1項)が、事業的規模で行われていない場合には、その資産損失の金額を控除する前の不動産所得の金額を限度として必要経費に算入することになります(所法51条4項)。
2 土地を譲渡するために賃貸している建物を取り壊した場合
  土地(借地権を含む。)を譲渡するためその土地の上にある賃貸している建物の取壊しに要した費用及び土地の譲渡に際しその土地の上にある賃貸している建物を取壊し、又は除却したような場合において、その取壊し又は除却がその譲渡のために行われたものであることが明らかであるときは、その取壊し又は除却の時においてその資産に係る資産損失の金額に相当する金額は、その譲渡に係る譲渡費用とされます(所基通33-7、33-8)。
3 取り壊した後に居住用建物を建築する場合又はその敷地を家事用とする場合等
  取壊し前にその賃貸アパートを家事用に使用した事実があったり、賃借人を立退かせた後相当期間にわたって放置されていた場合などには、その賃貸アパートは家事用資産に転用されたものとして、その取壊し費用及び資産損失の金額はすべて家事費として取り扱われることになり、また、賃貸業務を廃止して賃貸アパートを取り壊した後、その敷地に自己又は親族等の居住用建物を建てるなど業務用以外の用途として利用する場合などは、賃貸業務を廃止する理由が個人的な都合によるものであることから、賃貸業務を廃止した後は、その賃貸アパートは家事用資産に転用されたものと考えられますので、これらの取壊し費用や資産損失の金額は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないものと考えます。
  しかしながら、例えば、賃貸アパートの老朽化や賃借人の減少などの外的要因等によって賃貸業務を廃止することとなった場合など個別の事情等からみて、賃貸業務の廃止に伴う取壊しが賃貸業務の清算の一環として行われ、かつ、賃貸業務を廃止した後速やかに行われたものであるなど業務との関連性に客観性が認められる場合には、その取壊し費用や資産損失の金額は、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができるものと考えます。
  なお、業務用建物を取壊した後の敷地が業務用以外の目的として利用される場合において、賃貸アパートの取壊しが業務の清算の一環として行われたものかどうかについては、その賃貸業務を廃止する理由などの個別の事情等や取り壊されるまでの合理的な期間等を総合勘案した上で判断することになるものと考えます。

【関連情報】

《法令等》

所得税法37条
所得税法51条
所得税基本通達33-7
所得税基本通達33-8

【収録日】

平成26年 5月30日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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