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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

断熱窓の設置(建物の資本的支出)と即時償却

【質問】

 当社は、工場建物の窓を断熱窓に替えることにしました。実際には、既存の窓の内側にその断熱窓を取り付けるものですが、それによって結露防止や断熱、防音の効果が増すとされています。
 ところで、伺ったところによりますと、取得した断熱窓は一定の要件の下に即時償却ができるとのことですが、ただ、断熱窓の設置は建物の資本的支出になりますので、適用は難しいのではないかと思っています。
 断熱窓については、資本的支出であっても特別償却としての即時償却ができますか。

【回答】

1 一般に、租税特別措置法に規定する特別償却または特別税額控除は、一定の要件を満たす資産を新たに取得等した場合に適用となり、資本的支出となる改良費については適用となりません。
  これは、法人が行った資本的支出については、取得価額を区分する特例である法人税法施行令第55条1項の規定により、減価償却の計算に当たっては、原則、その資本的支出の金額を取得価額とし、その有する減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして計算します。
  しかし、法人の既に有する減価償却資産につき改良、改造等のために行った支出である資本的支出は、特別償却等を規定する取得等には原則として当たらないと解されています(措通67の5-3、国税庁質疑応答「所有する機械装置に資本的支出を行った場合の当該資本的支出に係る中小企業投資促進税制(措法42の6)の適用について」)。ただし、当該資本的支出の内容が、例えば、単独資産としての機能の付加である場合など、実質的に新たな資産を取得したと認められる場合には、当該資産について新たに取得したものとして適用することができます。
2 青色申告書を提出する法人が、産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)から平成28年3月31日までの期間(特定期間)内に、特定生産性向上設備等の取得等をして、これを国内にある当該法人の事業の用(貸付けの用を除く。)に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度(平成26年4月1日以後に終了する事業年度に限ります。)において、特別償却(即時償却)と法人税額の特別控除との選択適用ができます(措法42の12の5〔1〕〔2〕〔8〕)。
  本制度の適用対象資産である特定生産性向上設備等は、A類型(先端設備)とB類型(生産ラインやオペレーションの改善に資する設備)に分けて定められている生産性向上設備等で一定の取得価額要件を満たすものですが、そのうち、A類型(先端設備)については、「機械装置」及び一定の「工具」「器具備品」「建物」「建物附属設備」「ソフトウエア(中小企業者等のみ)」が掲げられ、「建物」に係る一定のものとは、「断熱材」と「断熱窓」とされています(産業競争力強化法2〔13〕、経産省強化法規則5)。
  ところで、建物としての「断熱材」と「断熱窓」は、元々、建物の一部を構成するものですから、「断熱材」と「断熱窓」の指定は、建物に対する資本的支出が対象として想定されており、そのために、この生産性向上設備投資促進税制の規定における取得等(新品)について、「建物にあっては改修(増築、改築、修繕又は模様替をいう。)のための工事による取得又は建設を含む。」とされているところです(措法42の12の5〔1〕)。
  したがって、特定生産性向上設備等に該当する建物のA類型(先端設備)に掲げる「断熱材」と「断熱窓」にあっては、資本的支出とされた金額に対して特別償却(即時償却)と法人税額の特別控除との選択適用が適用できます。
  なお、資本的支出が特別償却等の対象となるのは、規定において措置されている、この建物としての「断熱材」と「断熱窓」に限ったものであり、これ以外の機械装置等のその他の減価償却資産については、既存の設備投資制度に同じく、原則として資本的支出は特別償却等ができませんので留意が必要です。
  以上のとおりでありますから、ご質問の断熱窓については、それが特定生産性向上設備等として特別償却できる各要件を満たしている場合には、資本的支出とされるその金額について特別償却(即時償却)が適用できます。

【関連情報】

《法令等》

法人税法施行令55条1項
租税特別措置法42の12の5
租税特別措置法通達67の5-3
国税庁質疑応答(所有する機械装置に資本的支出を行った場合の当該資本的支出に係る中小企業投資促進税制(措法42の6)の適用について)
産業競争力強化法2条13項
経済産業省関係産業競争力強化法施行規則5条

【収録日】

平成26年10月31日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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