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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

譲渡直前に支出した居住用建物の相続登記費用

【質問】

 相続人乙は、被相続人甲が平成10年4月に購入し居住の用に供していた建物を平成25年7月の相続により取得し、引き続き居住の用に供してきたが、相続登記はせず甲名義のままにしていた。
 そして、平成30年10月に当該建物を譲渡するに際して、相続登記が必要となったことからそれらの諸費用として30万円を支払っているが、この相続登記費用については譲渡費用として取り扱ってよいか。

【回答】

 ご質問の相続登記費用については、その全額が居住用建物の取得費に算入することとなります。

【関連情報】

《法令等》

所得税法33条
所得税法38条
所得税法60条
所得税法施行令85条
所得税基本通達60-2

【解説】

 譲渡費用とは資産の譲渡のために直接要した費用をいうものと解されていますが(所法33〔3〕)、ご質問の相続登記については、譲渡手続のためには必要なものであったとしても、それは、物権変動過程の公示という不動産登記手続上の要請に基づき、相続の事実を明確にするために行われたものであって、譲渡のために直接要したものとはいえないと考えられます。
 ところで、相続により資産を取得した場合には被相続人の取得費を引き継ぐとともに(所法60〔1〕)、当該取得のために通常必要と認められる登記費用等を支出したときは、不動産所得等の金額の計算上必要経費に算入されたものを除き、その資産の取得費に算入できることとされています(所基通60-2)。
 そうしますと、居住用建物の相続登記費用は、その取得費に含まれることになりますが、建物のような減価償却資産に関して必要とされる償却費の控除計算(所法38〔2〕)に当たっては、その支出時点から行うものとされているところ、ご質問の事例の場合、その支出時点から譲渡日まで6月を経過していないことから(6月に満たない端数は切り捨てられます。)償却費は算出されないこととなります(所令85)。
 したがいまして、ご質問の相続登記費用については、その全額が居住用建物の取得費に算入されることとなります。

【収録日】

令和 1年10月31日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
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