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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

電気設備の改良工事を要するLEDランプへの取替費用の取扱い

【質問】

 当社(事務機器等製造業)は、2階建て自社ビルの1階を工場用、2階を事務所用として使用しています。この度、節電効果と照明設備の充実による作業の効率化等を図るため、各階の蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取り替えることにしました。蛍光灯型LEDランプへの取替に当たっては、既存の照明設備を蛍光灯型LEDランプの規格に合わせるための改良工事が必要であり、総費用として2,000万円(照明設備改良工事費1,500万円、蛍光灯型LEDランプ代金500万円(単価10,000円~30,000円))が見込まれます。当社としては、総費用2,000万円を照明設備に対する資本的支出として資産計上すべきものと考えていますが、蛍光灯から蛍光灯型LEDランプへの取替費用は修繕費とする国税庁質疑応答事例もあるので、蛍光灯型LEDランプ代金500万円については修繕費として処理できるかについてご教授願います。

【回答】

1 法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額は修繕費となります(法基通7-8-2)。一方、法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額は資本的支出となります(法令132、法基通7-8-1)。
  ところで、蛍光灯型LEDランプへの取替費用について、国税庁質疑応答事例「自社の事務室の蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取り替えた場合の取替費用の取扱いについて」では、「蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取り替えることで、節電効果や使用可能期間などが向上している事実をもって、その有する固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増しているとして資本的支出に該当するのではないかとも考えられますが、蛍光灯(又は蛍光灯型LEDランプ)は、照明設備(建物附属設備)がその効用を発揮するための一つの部品であり、かつ、その部品の性能が高まったことをもって、建物附属設備として価値等が高まったとまではいえない」と考えられることから修繕費として処理することが相当とされています。なお、この事例は、蛍光灯型LEDランプへの「取替に当たっては、建物の天井のピットに装着された照明設備(建物附属設備)については、特に工事は行われていない。」ことが前提とされています。
2 ご質問の蛍光灯型LEDランプへの取替に伴う改良工事は、新たに照明設備を取得するものではありませんが、蛍光灯型LEDランプへの取替に際し、既存照明設備の改良工事を行うものです。この改良工事は、蛍光灯型LEDランプへの取替により節電効果や照明設備の充実による作業の効率化等が期待できるものであることから、修繕費ではなく資本的支出に該当します。また、照明設備と蛍光灯型LEDランプは、これらが一体となってその新たな機能が発揮されるものであることから、単なる部品の取替の場合とは異なり、改良工事費用及び蛍光灯型LEDランプ代金の合計額を資本的支出として資産計上することが相当と考えられます。

【関連情報】

《法令等》

法人税法施行令132条
法人税基本通達7-8-2

【収録日】

平成27年 2月12日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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