《税務Q&A》
情報提供 TKC税務研究所
【件名】
居住用賃貸建物の取得に係る仲介手数料、未経過固定資産税等の取扱い
【質問】
居住用賃貸建物の課税仕入れに係る消費税額は仕入税額控除の制限を受けますが、居住用賃貸建物の取得に際して支払う仲介手数料、未経過固定資産税及びアパート経営に係るコンサル費用も仕入税額控除が制限されるのでしょうか。
【回答】
居住用賃貸建物も、棚卸資産に該当するものでない場合は、調整対象固定資産に該当することになります(消法30〔10〕、12の4〔1〕)。 調整対象固定資産は、消費税法施行令5条各号に掲げる資産のうち、一の資産の課税仕入れに係る支払対価の額(税抜き)が100万円以上のものとされていますが、この場合の「課税仕入れに係る支払対価の額」とは、当該資産に係る支払対価の額をいい、当該資産の購入のために要する引取運賃、荷役費等又は当該資産を事業の用に供するために必要な課税仕入れに係る支払対価の額は含ないこととされています(消基通12-2-2)。 したがって、賃貸用住宅の取得に係る仲介手数料やアパート経営に係るコンサル費用も、不動産取引の仲介や不動産業の経営についてのコンサルティングという役務の提供の対価であり、賃貸用住宅の取得という課税仕入れとは別の課税仕入れに係る支払対価ですから、その賃貸用住宅が居住用賃貸建物に該当するかどうかの金額判定においては、建物価格には含まれないことになると考えます。 他方、固定資産税が課される資産の譲渡に際して未経過固定資産税相当額を授受する場合、その未経過固定資産税相当額は当該資産の譲渡の金額に含まれるものとされています(消基通10-1-6)。 したがって、賃貸用住宅の取得の際に支払った当該賃貸用住宅に係る未経過固定資産税相当額も居住用賃貸建物に該当するかどうかの金額判定においては、建物価格に含まれることになると考えます。
【関連情報】
《法令等》
【収録日】
令和 7年11月18日