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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

得意先等社外の者の慶弔、禍福に際し支出する金品等の費用の取扱いについて

【質問】

 医療法人A社では、在宅医療を行っていることから、患者の自宅で看取りをする機会が多くあり、諸手続きのため患者宅へ伺う際には、お供え・お悔みの意を込めて花束を持っていくようにしています。金額は、一件当たり3,000円と決めており、すべての患者家族に対して行っています。この花束の購入費用は、社会通念上、認められていると思われる亡くなった方へのお供え、お悔やみのためのものであり、金額も相当と考えられますので、交際費以外の費用として処理したいと思いますが、いかがでしょうか。

【回答】

1 税務上の交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの、定義されています(措法61の4〔4〕項)。ただし、主として広告宣伝費、福利厚生費、給与等の他科目に属する性質のものは、交際費等の範囲から除かれています(措通61の4(1)-1)。
  交際費等に含まれる費用の具体的な範囲等については、租税特別措置法通達61の4(1)-15に例示されており、その(3)に、「得意先、仕入先等社外の者の慶弔、禍福に際し支出する金品等の費用(61の4(1)-10の2から61の4(1)-11まで、61の4(1)-13の(3)及び61の4(1)-18の(1)に該当する費用を除く。)」が挙げられています。
  これは、得意先、仕入先等社外の者の慶弔、禍福に際し支出する金品等の費用については、いわゆるお付き合いとしての贈答の性格を有するものであることから、交際費等に含まれることが明らかにされているものです。
  この原則的な取扱いに対し、かっこ書の費用などを交際費等から除外している趣旨については、本通達の解説書において、次のような内容の説明がされています(財経詳報社発行「法人税関係措置法通達逐条解説〔平26.3.1日現在版〕」391ページ)。すなわち、
 イ 慶弔、禍福に際し支出する金品であっても、従業員等(従業員等であった者を含む)又はその親族等に対するものは福利厚生費とされ(61の4(1)-10)、 
 ロ 被災者に対し災害発生後相当期間内に支出する災害見舞金等については取引先を復旧させることにより自己の損失の防止が図れるもの又は広告宣伝的要素を有するものであり(61の4(1)-10の2~61の4(1)-10の4)、
 ハ また、協同組合等が福利厚生事業の一環として組合員等に支出する災害見舞金等については協同組合等の性格にかえりみ(61の4(1)-11)、
 ニ さらに、自己又は特約店等の専属セールスマン等の慶弔、禍福に際し一定の基準に従って交付する金品の費用(61の4(1)-13(3))、自己の工場、工事現場等の下請企業の従業員等に対し、その業務の遂行に関連して受けた災害に伴い、自己の従業員等に準じて支出した見舞金(61の4(1)-18(1))や慶弔、禍福に際し一定の基準に従って支出する金品の費用(61の4(1)-18(4))についても、自己の従業員等に準ずるものとして支出するものであるから、福利厚生費的なものとして、それぞれ交際費等とは取り扱われないこととされています。
  このように、得意先、仕入先等社外の者の慶弔、禍福に際し支出する金品等の費用については、得意先等への贈答の性格を有するものとして交際費等に該当する、との取扱いを原則としつつ、個別にこの範囲から除かれているものは、広告宣伝費や福利厚生費など、他科目に属する性質を有するものと認められる費用です。
2 お尋ねの医療法人の患者さん及びその家族は、医療法人の売上先である事業関係者に該当し、その慶弔、禍福に際し支出する金品等の費用については、上記の通達で個別に交際費等の範囲から除かれているような他科目に属する性質を有する費用には該当しないものと思われますので、原則的な取扱いにしたがい、交際費等に該当するものと考えられます。
  なお、法人がその得意先に対して購入単価が少額(おおむね3,000円以下)である物品を売上割戻し等の算定基準と同一の基準で交付している場合や、物品が景品付販売に係る景品として交付されている場合には、少額物品の交付に要する費用を交際費に該当しないものとすることができる取扱いが設けられています(措通61の4(1)-3~措通61の4(1)-5)が、御質問のような贈答費用については、この対象とはなっていません。

【関連情報】

《法令等》

租税特別措置法61の4
租税特別措置法通達61の4(1)-1
租税特別措置法通達61の4(1)-3
租税特別措置法通達61の4(1)-4
租税特別措置法通達61の4(1)-5
租税特別措置法通達61の4(1)-10の2
租税特別措置法通達61の4(1)-10の3
租税特別措置法通達61の4(1)-10の4
租税特別措置法通達61の4(1)-11
租税特別措置法通達61の4(1)-13
租税特別措置法通達61の4(1)-18

【収録日】

令和 1年 8月30日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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