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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

共有の店舗事務所兼用の居住用建物が居住用賃貸建物に該当するかどうかの判定

【質問】

 X社は令和3年3月に、マンション1棟をY社との共有で取得しました(建物の税抜取得価格は16,000,000円、両社の持ち分は各々50パーセント)。このマンションは、1階が飲食店店舗用、2階が事務所用、3階~5階が居住用であり、1階及び2階の貸付面積合計は220.0平方メートル、3階~5階の貸付面積合計は330.0平方メートルです。
 この建物が居住用賃貸建物に該当するかどうかの判定は、どのように行うことになるでしょうか。

【回答】

 本件建物が単独所有の場合、1階及び2階の貸付面積合計は220.0平方メートル、3階~5階の貸付面積合計は330.0平方メートルですから、取得価額16,000,000円(税抜)を用途に応じた貸付面積割合で按分することが合理的である場合、店舗事務所用 6,400,000円(税抜)、居住用 9,600,000円となり、居住用部分の建物取得価格は1,000万円未満となります。
 しかし、高額特定資産に該当するか否かは、簡易課税制度の適用を受けない課税事業者が取得した資産の税抜き取得価額が1,000万円以上かどうかによってのみ判定されますから、本件建物が単独所有の場合には、本件建物は高額特定資産に該当することになります。
 また、課税仕入れ等の税額について仕入税額控除制度の適用が制限される居住用賃貸建物とは、高額特定資産に該当する建物で、「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物」をいうものとされています。課税庁は、「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物」について、(1)建物の全てが店舗等の事業用施設である建物など、建物の設備等の状況により住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物、(2)旅館又はホテルなど旅館業に係る施設の貸付けに供することが明らかな建物、(3)棚卸資産として取得した建物であって、所有している間、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかなものを例示しています。したがって、建物の一部が住宅の貸付けの用に供される本件建物は、「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物」となり、高額特定資産に該当するものは居住用賃貸建物に該当することになります。
 ただし、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分がある居住用賃貸建物について消費税法30条10項の規定の適用を受けることとなる事業者が、当該居住用賃貸建物をその構造及び設備の状況その他の状況により居住用賃貸部分とその他の部分とに合理的に区分しているときは、当該居住用賃貸部分(その部分の取得価額が1,000万円未満の場合も対象となります。)に係る課税仕入れ等の税額についてのみ、同項の規定を適用することとされていますから、本件建物が単独所有の場合でも使用面積割合等により合理的に区分していれば、同項の規定が適用されることになります。
 ところで、本件建物は、X社とY社が50パーセントずつの持ち分を有する取得価格16,000,000円(税抜)のマンションということです。事業者が他の者と共同で購入した資産(共有物)が高額特定資産に該当するかどうかを判定する場合、当該事業者において高額特定資産の仕入れ等に該当するかどうかは、当該事業者の共有物に係る持ち分割合に応じた金額が1,000万円以上であるかどうかにより判定することとされています。
 そうしますと、本件の場合は、X社とY社の持ち分は各々50パーセントということですから、取得価額16,000,000円(税抜)の本件建物のX社持ち分は1,000万円未満であり、X社においては(Y社においても同じことですが)、高額特定資産の仕入れ等には当たらないことになります。
 したがって、本件の場合は、建物の用途による区分ではなく、共有物の持ち分として高額特定資産には当たらないことにより、消費税法30条10項の適用対象とはならないものと考えます。
 なお、居住用賃貸建物については、その附属設備を含むこととされていますから、ご質問の建物の取得価額が附属設備の価額相当額を含んでいない場合には、附属設備の価額相当額を含めたところで、X社の持ち分が1,000万円以上となるかどうかを判定することになります。

【関連情報】

《法令等》

消費税法12条の4第1項
消費税法30条10項
消費税法施行令25条の5第1項1号
消費税法施行令50条の2第2項
消費税法基本通達1-5-25
消費税法基本通達11-7-1
消費税法基本通達11-7-3
国税庁質疑応答事例「建物の一部が店舗用となっている居住用賃貸建物の取得に係る仕入税額控除の制限」の(注)1

【収録日】

令和 3年 8月 3日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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