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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

財産評価における借地権の及ぶ範囲

【質問】

1 被相続人甲は、代表取締役となっている同族会社である乙社にA土地、B土地及びC土地を貸し付けていた(別図のとおり)。

 ―――――――――――――| |
|    ―――――――  | |
|A土地|賃貸マンション| |公|
|    ―――――――  | |
|―――――――――――――| |
|             | |―――――――――― 
|B土地   駐車場    |道| C土地   駐車場|
|             | |          |
 ―――――――――――――| |―――――――――― 

  被相続人甲と乙社との間においては、各土地に係る地代の授受はなく、無償返還の届出もなされていない。
  乙社は、A土地の上に賃貸マンションを建てて、賃借人に貸し付けており、課税時期において満室である。
  B土地及びC土地は、A土地に建っている賃貸マンションの賃借人だけのための駐車場である。
2 そのような利用の実態に照らせば、A土地、B土地だけでなく、C土地も併せて貸宅地として評価しても差し支えないか。
  なお、これらの土地は、いわゆる借地権慣行がある地域に存するものである。

【回答】

1 A土地、B土地及びC土地について、乙社が借地権を有している土地として、貸宅地として評価することができるかどうかは、事実認定によるものと思料されます。
2 A土地が貸宅地として評価することができるものとした場合でもB土地がA土地に建っている賃貸マンションの借家人に専ら使用されているものであるとしても、B土地がA土地に建っている賃貸マンションの敷地であると立証することができない限り、B土地を貸宅地として評価することは難しいものと考えられます。
3 C土地については、仮に、A土地に建っている賃貸マンションの借家人に専ら使用されている駐車場であるとしても、賃貸マンションの敷地として、用途上不可分の関係にある土地(一団の土地)は、河川、道路、囲障等によって隔てられずに連続した土地と解されていますので、道路で区分されたC土地は、貸宅地として評価することはできませんので、自用地として評価することになります。

【関連情報】

《法令等》

財産評価基本通達7
財産評価基本通達25

【解説】

 本件の場合、乙社は、A土地等について、地代の授受がなく、無償返還の届出もなされていないとのことですから、土地の賃貸借契約そのものが存在しない使用貸借であると思料されます。
 このように、法人が個人の土地を使用貸借している場合においては、理由として、同社には、当該土地に係る借地権が帰属しているものと解されるところです。
 しかし、財産評価基本通達においては、借地権は、借地借家法に規定する建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいうものとされていますから、B土地やC土地のように建物の敷地の用に供されていない土地については、借地権は存しないものと解すべきものとなります。
 ただし、B土地がA土地に建っている賃貸マンションの借家人のみに専ら使用させている駐車場であり、財産評価基本通達の定め(評基通9(5)、27)における評価単位の上でも、一の宅地に係る借地権と判断することができるかどうかです。
 それには、A土地の上の賃貸マンションの賃借人との間の契約内容等を確認する必要がありましょう。
 したがって、B土地は、A土地の賃貸マンションの借家人にもっぱら使用させるものであることが当該マンションの賃貸借契約上明らかであれば、A土地と併せて貸宅地として評価することができることとなります。
 次に、C土地の場合は、建物の敷地の用に供されているものではなく、単に、駐車場の用に供されているだけで、何らの権利も設定されていないことから、自用地として評価すべきものとなります。

【収録日】

平成26年 9月30日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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