《税務Q&A》
情報提供 TKC税務研究所
【件名】
カーポートの資産区分と耐用年数
【質問】
当社は、N市営業所に乗用車3台が駐車できるカーポートを設置しました。カーポートは、コンクリート舗装路面に、アルミ材質の4本の柱と屋根用の梁で構成される本体構造(骨組み)に、透明なポリカーポネート板の屋根が取り付けられています。カーポートの周囲に壁はなく、屋根以外は吹抜構造となっています。 カーポートの取得価額は、約200万円ですが、堅牢な柱及び屋根があることから、資産区分は建物としての耐用年数を適用することになるのでしょうか。なお、カーポートを設置する土地は当社の所有です。
【回答】
1 一般に、建物とは、四囲をもって構成され、隔壁、屋根により雨露をしのぎ外界を隔絶した構造物で、ものの蔵置、製造、作業の用に供するためのもの、又は、人を収容して当該用益の用に供するためのものをいうものと解されています。 したがって、例えば、いわゆる立体駐車場については、〔1〕構造的に屋根、外壁を有し、その内部に車両を格納する方式のものについては、構造体、外壁、屋根その他建物を構成している部分は、耐用年数省令別表第一の「建物」に掲げる「車庫用のもの」の耐用年数を適用し(耐通2-1-12)、〔2〕屋根、外壁を有せず、鉄骨製柱と鉄板製床、進入路のスロープにより構成される露天式のものは、耐用年数省令別表第一の「構築物」に掲げる「金属造りのもの」の「露天式立体駐車場」としての耐用年数「15年」(耐用年数別表1)を適用することになります。2 ご質問のカーポート(以下「本件カーポート」といいます。)は、堅牢な柱及び屋根があるとしても屋根以外は吹抜構造であり、外界を隔絶した構造物とは認められませんので、建物には該当しないものと考えられます。そして、本件カーポートの外観、構造は、土地に定着する土木設備又は工作物と認められますので、構築物に該当するものと考えられます(法令13二)。 なお、構築物の耐用年数の適用に当たっては、まず、その用途により判定し、用途の特掲されていない構築物については、その構造の異なるごとに判定するものとされています(耐通1-3-1)が、本件カーポートの用途は特掲されていませんので、構造により適用すべき耐用年数を判定することとなります。 その場合、本件カーポートは、耐用年数省令別表第一の「構築物」に掲げる「金属造りのもの」に該当すると考えられるところ、その細目区分は、屋根が設置されているなど、上記1の〔2〕の露天式立体駐車場とは、その外観、構造とも異なることからこれには該当しないものと考えられますので、「その他のもの」として耐用年数「45年」を適用するものと考えられます。
【関連情報】
《法令等》
【収録日】
平成28年 2月29日