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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

リース取引に係る法人税法上の取扱いの概要

【質問】

 リース取引に係る平成19年度の税制改正に伴い、通常のリース取引はどのように区分され、それに対応する法人税法上の取扱いは大枠どのようになるのか、簡単に教えてください。

【回答】

1.平成19年3月30日に企業会計基準委員会から公表された「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号)では、それまで、所有権移転外ファイナンス・リースについて、原則は売買処理とされ、例外的に一定の注記を条件に賃貸借処理が認められており、ほとんどの法人が例外処理を行っているのが実情でしたが、経済的実態として、この所有権移転外ファイナンス・リースは、売買取引と同様の状況であることを踏まえ、例外処理の廃止が行われたところです。
 そして、この企業会計の見直しを機会に、税制においても、平成19年度の税制改正において、所有権移転外ファイナンス・リース取引についても売買取引に準じた処理として取り扱われることになるなどの整備が行われました。
 なお、この改正は、原則として、平成20年4月1日以後に締結されるリース取引契約から適用され、同日前に締結された契約については従前通りとされています(改正法附則44、改正法令附則21)。
2.ところで、会計上、リース取引は、解約不能及びフルペイアウトの要件を満たすリース取引の「ファイナンス・リース」とそれ以外のリース取引の「オペレーティング・リース」とに大別され(「リース取引に関する会計基準」5項)、さらに「ファイナンス・リース」は、所有権が移転すると認められる「所有権移転ファイナンス・リース」と所有権が借手に移転しない「所有権移転外ファイナンス・リース」とに分けられます(同会計基準8項)。
 一方、法人税法で規定する「リース取引」とは、資産の賃貸借(所有権が移転しない土地の賃貸借その他政令で定めるものを除く。)で、次に掲げる要件に該当するものをいい(法64の2(3))、この税務上の「リース取引」は、基本的に売買取引として取り扱われます(法64の2(1))。
(1)当該賃貸借に係る契約が、賃貸借期間の中途においてその解除をすることができないものであること又はこれに準ずるものであること(法64の2(3)一)。………(中途解約不能)
(2)当該賃貸借に係る賃借人が当該賃貸借に係る資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受することができ、かつ、当該資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているものであること(法64の2(3)二)。………(フルペイアウト)
 そして、この「実質的に負担すべきこととされているもの」の判定に当たっては、資産の賃貸借につき、その賃貸借期間(当該賃貸借期間に係る契約の解除をすることができないものとされている期間に限る。)において賃借人が支払う賃借料の金額の合計額がその資産の取得のために通常要する価額のおおむね90%に相当する金額を超える場合には、これに該当することとされています(令131の2(2))。
 このように、法人税法で規定する「リース取引」は、リース会計基準におけるファイナンス・リース取引とされる中途解約不能とフルペイアウトという基本的な要件と同様の規定振りと考えられますので、おおむね会計上のファイナンス・リース取引と重なるものと考えられます。そのため、オペレーティング・リースについては、法人税法で規定する「リース取引」そのものから除かれますので、通常の賃貸借取引として処理することになります。
3.次に、売買取引として取り扱われるファイナンス・リース取引のうち、実質的に所有権が移転されると認められるような一定の要件のいずれかに該当しないものは、「所有権移転外ファイナンス・リース取引」とされています(令48の2(5)五)。つまり、ファイナンス・リース取引は、この「所有権移転外ファイナンス・リース取引」と「所有権移転ファイナンス・リース取引」とに大別されることになります。この「所有権移転外ファイナンス・リース取引」によって賃借人が取得したものとされる減価償却資産は、「リース資産」(令48の2(5)四)としてリース期間定額法による減価償却を行うことになる(令48の2(1)六)など、「所有権移転ファイナンスリース」と税務上の取扱いの違いがありますのでご留意ください。
 なお、法人が譲受人から譲渡人に対する賃貸(リース取引に該当するものに限ります。)を条件に資産の売買を行った場合において、当該資産の種類、当該売買及び賃貸に至るまでの事情その他の状況に照らし、これら一連の取引が実質的に金銭の貸借であると認められるときは、当該資産の売買はなかったものとし、かつ、譲受人から譲渡人に対する金銭の貸付けがあったものとして取り扱われ(法64の2(2))、いわゆるセール・アンド・リースバック取引に関する取扱いについては、従前通り金銭貸借取引とされています。
4.以上の点を簡単に取りまとめ、通常リース取引と呼ばれているものを区分して法人税法上の取扱いに対応させますと、次のように整理することができます。
イ.所有権移転ファイナンス・リース取引………売買取引として取扱う
ロ.所有権移転外ファイナンス・リース取引………売買取引として取扱う
ハ.セール・アンド・リースバック取引………金銭貸借取引として取扱う
ニ.オペレーティング・リース取引………賃貸借取引として取扱う

【関連情報】

《法令等》

法人税法64条の2
法人税法施行令48条の2
法人税法施行令131条の2第2項
法人税法改正法(平成19年法律第6号)附則44条
法人税法施行令改正令(平成19年政令第83号)附則21条

【収録日】

平成20年 4月14日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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