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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

工事受注に係る紹介手数料の損金算入時期

【質問】

 A社は、解体工事業を営む3月決算法人ですが、当期後半に大型物件の解体工事(受注金額1億円)を受注し、工事に着手しましたが、工事完了は翌期の5月頃になる見込みです。
 当期末までに工事代金の半額を受領し、未成工事受入金(前受金)に計上するとともに、解体工事原価となる外注費、労務費、現場経費等については、未成工事支出金(仕掛工事)に計上しています。  
 本件工事は、以前から取引があるB社(設計事務所)の紹介及び受注協力を得て受注したものであったことから、受注時において、工事仲介業務委託契約に基づき、受注金額の5パーセント(業界の相場によるもの)に相当する工事受注手数料500万円(以下「本件手数料」といいます。)をB社に支払いました。
 そこで質問ですが、本件手数料についても、仕掛工事に計上する必要があるのでしょうか。
 また、B社は工事の紹介等を業とする仲介業者等ではありませんが、本件手数料については受注謝礼等として交際費処理すべきでしょうか。

【回答】

1 法人の各事業年度の損金の額に算入すべき金額は、(1)その事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額、(2)その事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額及び(3)その事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るものとされています(法法22〔3〕)。
  上記のとおり、売上原価や完成工事原価の場合は、「その事業年度の収益に係る」ものとされるとおり、収益に係る益金算入時期と原価の損金算入時期を対応させる必要性から、期末仕掛工事に係る原価については未成工事支出金等として棚卸計上を要しますが、販売費及び一般管理費の場合は、収益との対応関係を要せず、債務確定基準のみに基づいて損金の額に算入することになります(法基通2-2-12)。
2 お尋ねは、工事の受注のために協力してくれたB社に支払った本件手数料を、その工事の期末仕掛工事として計上すべきか否かを問われるものと拝察しますが、本件紹介料は、工事の受注のために支出した費用(営業経費)であって、工事原価を構成する現場経費等ではないことから、会計上は、販売費及び一般管理費に属する経費として経理すれば足り、税務上も、その債務が確定している限り、その確定時において損金算入すべきものと考えられます。
  したがいまして、本件手数料の仕掛計上は要しません。
3 ところで、税務上、得意先、仕入先等の従業員に対して取引の謝礼等として支出する金品の費用は交際費等に含まれることとされています(措置法通達61の4(1)-15の(9))が、専門の仲介業者や情報提供を専業とする者以外の者に対して支払う情報提供料や取扱手数料が交際費等に含まれるかどうかの取扱いが必ずしも明確とはいえないということから、措置法通達61の4(1)-8において情報提供料等と交際費等の区分についての考え方が示されています。
  それによると、情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても、次の要件のすべてを満たしているものについては、交際費等に該当しないものとして取り扱われます。
 (1) その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
 (2) 提供を受ける役務の内容が契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。
 (3) 交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。
  お示しの事実によれば、本件手数料は、工事の紹介等を業としないB社に対して支払うものですが、予め締結された工事仲介業務委託契約に基づいて、工事の紹介及び受注協力に係る役務の提供の対価として、業界の相場である受注金額の5パーセントを支払ったものであり、上記の各要件を充足するものと認められますから、交際費等に該当しない受注手数料等として損金算入できるものと考えられます。

【関連情報】

《法令等》

法人税法22条3項
法人税基本通達2-2-12

【収録日】

令和 1年 5月16日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
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