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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

ネット広告費の損金算入時期等

【質問】

 当社(3月決算)は、インターネット上のポータルサイトに翌期4月1日から3月31日までの1年間にわたりリスティング広告を掲載する費用として、当期末の3月25日に2,380,000円(以下「ネット広告費」といいます。)を広告運用代行業者であるA社に支払いました。ネット広告費の内訳は、ポータルサイト2件へのリスティング費用1件当たり960,000円(月額80,000円)の合計1,920,000円及びA社の管理運営費用460,000円(リスティング広告への出稿に係る広告文作成、キーワード登録等の初期費用100,000円及び予算管理・データ分析等の管理費360,000円(月額30,000円))です。
 当期末に支払ったこれらのネット広告費は、いわば1年間にわたりポータルサイトに場所を借りて広告を掲載する費用であり、短期前払費用として支払時に損金の額に算入できるのではないかと考えていますがいかがでしょうか。

【回答】

1 一般に、リスティング広告は、インターネット上のポータルサイトに広告を配信してアクセスを集める”集客方法”のことで、広告主が入札により購入した検索キーワードに連動して広告が表示されます。なお、「リスティング広告への出稿」とは、入札により検索キーワードを購入することを意味するとされています。広告が配信される場所はグーグルやヤフーなどの検索結果欄になりますが、「購入した検索キーワード」に連動して広告が表示されるので広告効果が高いとされ、広告がクリックされることにより課金されて費用が発生するため費用対効果の点からも無駄が少ないことがメリットとされています。
  リスティング広告には、ポータルサイトへのリスティング費用のほかに、広告運用代行業者に依頼する場合は初期導入費用や管理費が発生しますが、リスティング費用は広告がクリックされることにより課金されて発生する費用であり、広告予算に合わせた管理が必要になります。
2 ところで、短期前払費用の意義については、法人税基本通達2-2-14通達において明らかにされていますが、具体的には次のように考えられます。
(1)一定の契約に従って継続的に提供を受けること、すなわち、等質等量のサービスがその契約期間中継続的(間断なく)に提供されること。
(2)役務の提供の対価であること。
(3)翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものであること。
(4)現実にその対価として支払ったものであること。
  以上の要件のすべてを満たす費用が本通達における前払費用に該当することとなりますので、一定の時期に特定のサービスを受けるためにあらかじめ支払った対価の額(例えば、前払給料、前払顧問料、翌期に放映されるテレビCM料等)、あるいは物の購入とか生産に対する対価の額の前払は前払金(又は前渡金、手付金)であって前払費用に該当しません。
  前払費用に該当する費用の例としては、土地建物等の賃借料、保険料、工業所有権等の使用料、信用保証料、手形割引料、借入金利子等があります。
3 ご質問のネット広告費のうち、リスティング費用2件合計1,920,000円は、1件当たりの費用は月額80,000円と毎月同額であるものの、上記1のとおり広告がクリックされることにより課金されて発生する費用が月額80,000円を超えないように運用するものであり、また、管理運営費用は、リスティング広告導入時に広告文作成、キーワード登録等のサービスを受けるための初期費用100,000円と予算管理・データ分析等のサービスを受けるための管理費360,000円(月額30,000円)であることから、いずれも一定の時期に特定のサービスを受けるための費用と考えられ、その受けるサービスは、上記2の「(1)一定の契約に従って継続的に提供を受けること、すなわち、等質等量のサービスがその契約期間中継続的(間断なく)に提供されること。」には該当しないものと考えられます。
  したがって、ご質問のネット広告費は、前払いしたテレビCM料等と同様に、一定の時期に特定のサービスを受けるためにあらかじめ支払った対価の額として前払金に該当するものであり、短期前払費用の取扱い(法基通2-2-14)は適用されないものと考えられます。
  なお、ご質問のネット広告費の損金算入時期は、毎月のリスティング費用が確定したとき、初期費用に係る広告文作成やキーワード登録等が完了したとき、毎月の管理業務が終了したときなど、契約に基づき個々の役務の提供が完了したときに債務が確定するものと認められますので、貴社は、これらの債務の確定のときに、その債務が確定した個々の費用を損金の額に算入することになります。

【関連情報】

《法令等》

法人税基本通達2-2-14

【収録日】

平成28年 8月31日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
注3: 当Q&Aの著作権は株式会社TKCに帰属します。当Q&Aのデータを改編、複製、転載、変更、翻訳、再配布することを禁止します。

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