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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

被相続人が老人ホームに入所した後に「生計別」となった親族が従前の家屋に継続して居住している場合での小規模宅地等の特例の適用の可否

【質問】

 被相続人が老人ホームに入所したことによって、被相続人が不在となった従前居住していた家屋の敷地についても小規模宅地等の特例の対象となるとして税法改正がされているようである。
 ところで、被相続人甲は、自ら所有する家屋とその敷地において、長男乙の家族とともに同居していたが、被相続人が老人ホームに入所したことによって、それまで同居していた被相続人の長男乙と被相続人とが生計別となっている場合で、その後、被相続人の相続が開始したことによって、その家屋と敷地をともに長男乙が相続で取得している場合においては、当該敷地は、特定居住用宅地等として「小規模宅地等の特例」の適用対象となるのか。

・被相続人甲と長男乙家族とが同居(同一生計を形成)
   |   ・甲が老人ホームに入所(甲と乙とが「生計別」となる。)
   |     |   ・甲の相続開始日
   |     |     |   ・乙が土地・家屋を相続で取得
   |     |     |     |
 ――|―――――|―――――|―――――|―――――――――――
  H10   H24   H26   H27
  4.20  2.28  7.30  5.30

【回答】

 被相続人が、老人ホームに入所したことによって、被相続人が老人ホームに入所する直前まで同一家屋に起居を共にしていた同一生計の親族が、被相続人の老人ホームへの入所後において「生計別」にする親族となった場合でも、その家屋に従前から継続して居住していた場合には、同一生計の親族の要件を満たしているとして、特定居住用宅地等として「小規模宅地等の特例」の適用対象となります。

【関連情報】

《法令等》

租税特別措置法69条の4第3項第2号イ
租税特別措置法施行令40条の2第3項
租税特別措置法通達69の4-7(2)

【解説】

1 平成25年度の税制改正によって、要介護認定又は要支援認定を受けていた被相続人が、老人ホームに入所したことによって空き家となっていた相続開始の直前に被相続人が居住の用に供していた自宅の敷地についてが小規模宅地等の特例の対象とされています。
  この場合、その家屋を事業の用(貸付けも含まれます。)又は被相続人等(被相続人と老人ホームの入所直前において生計を一にし、かつ、その建物に引き続き居住している親族を含みます。)以外の者の居住の用に供していないことが、特例の適用要件とされています。
2 ご質問の事例では、被相続人が老人ホームに入所したことに伴って、被相続人と留守家族とが生計が別となった場合ということですが、被相続人が老人ホームへの入所直前において、同居していた親族と被相続人とが「生計一」か否かの判定が課題となります。
  所得税法上では、「親族と同一家屋に起居している場合には、明らかにお互いに独立して生活を営んでいると認められる場合を除いて、これらの親族は生計を一にするものとする(所基通2-47)。」として解されていますが、小規模宅地等の特例の適用上においても、「生計一」の判定に関しては、この通達の取扱いに準じて判定されることとなります。
  ご質問での甲と乙は、相続開始直前では、「生計別」となっている場合ということですが、この場合での乙は、被相続人が老人ホームに入所直前においては、同一家屋に起居している場合に該当していますので、甲と「生計一」とされ、かつ、その建物に引き続き居住している親族に該当していますから、特定居住用宅地等として「小規模宅地等の特例」の適用対象となります。
3 なお、この場合での特例適用上の要件の一つとしての「被相続人等以外の者の居住の用」とは、被相続人が老人ホームに入所した後に、文字どおり、新たに被相続人等以外の者の居住の用に供されている状態をいうものと解されていますが、ご質問の乙は、甲が従前に居住していた建物に同居していた親族に該当していますので、特定居住用宅地等として「小規模宅地等の特例」の適用対象となります。
  このことからしますと、被相続人と同一家屋に共に起居していた同一生計親族である留守家族が、被相続人の老人ホーム入所後もその家屋に継続して居住するなどして同一生計親族の居住用宅地等の要件を満たしている場合には、特定居住用宅地等として「小規模宅地等の特例」の適用対象となります。

【収録日】

平成27年 9月30日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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