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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

相当期間経過後の退職給与の支給について

【質問】

 A社に役員として10年勤務していた甲が、A社を退職してA社の関係会社であるB社の代表取締役として就任しました。その際に退職金は支給されていませんでした。
 その後、B社に9年間勤務した後、B社の代表取締役を継続しながらA社の役員に復職しました。1年後、甲はA社及びB社を退職することになりました。そこでA社は11年、B社は10年勤務したものとして退職給与を支給しようと思いますが、役員退職金としてそれぞれ損金算入が認められますか。

【回答】

 会社法上、役員に対して支給する退職給与は、会社法361条の適用を受け、株主総会の支給決議を経て初めて具体的な退職給与請求権として成立すると解されていますが、退職後いつまでの間に支給決議をなすべきかについては特に規定しておらず、期間を経過した後において支給決議をしたとしても違法とまではいえないという見解もあります。
 しかし、役員退職給与の支給決議は、退職後最初に開催される株主総会においてなされるのが通常であり、特段の規定がないにもかかわらず、退職時に役員退職給与の支給に関する何らの決議も行われないままに相当期間放置するということは、退職時においてすでに役員退職給与を支給しないことで解決済みになっているものといわざるを得ないものと考えます。その理由は、利益調整を目的として役員退職給与の損金算入時期を恣意的に決定されるおそれがあると思われるからです。
 したがって、相当期間経過後に開催された株主総会において役員退職金の決議がなされて支給するような場合には、どのような理由で退任時に支給決議がなされなかったのか、また、相当期間を経てからなぜ役員退職金の支給決議がなされたのかなど、その間の事情や事実関係等を考慮して役員退職金かどうかの判断をするのが相当と考えられます。
 御質問の場合、甲が役員として最初に勤務したA社の10年分に係る退職給与の額は、なぜ退任時に支給決議をしなかったのかという点につき特段の合理的な理由も認められないことから損金算入はできないものと考えられます。そのため、退職給与の損金算入の対象となる期間については、B社に代表取締役として勤務した10年及びA社で最後に勤務した1年が対象になります。

【関連情報】

《法令等》

法人税法34条
法人税法施行令70条
法人税基本通達9-2-28

【収録日】

平成22年11月16日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
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