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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

ソフトウエアのトレーニング費用の処理

【質問】

 A社(製造業)は、この度、製品デザイン等の効率化のためCAD(コンピュータ支援設計)ソフトウエアを120万円で購入しました。新規ソフトウエアの操作は、購入先の技術者からA社の担当者が指導を受けて、早速、業務に活用しています。
 ところで、A社では、CADソフトウエアの有効活用のため、外部のインストラクターに依頼して、担当者以外の社員を対象に操作方法や活用方法の講習会を実施し、そのトレーニング費用(教材費及び講師派遣料)として30万円を支払いました。このソフトウエアの購入費用120万円については無形固定資産として資産計上しますが、トレーニング費用30万円についても付随費用として資産計上することになるのでしょうか。

【回答】

1 ソフトウエアは、平成12年の税制改正において繰延資産から無形固定資産に資産区分の変更がされたことから、その取得価額については、減価償却資産の取得価額の規定が適用されます。したがって、購入したソフトウエアの取得価額は、次に掲げる金額の合計額となります(法令54〔1〕一)。
 イ 当該資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他当該資産の購入のために要した費用がある場合にはその費用を加算した金額)
 ロ 当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額
  なお、他の者から購入したソフトウエアについて、そのソフトウエアの導入に当たって必要とされる設定作業及び自社の仕様に合わせるために行う付随的な修正作業等の費用の額は、当該ソフトウエアの取得価額に算入するものとされています(法基通7-3-15の2(注))。
2 一般に、製造業者が新鋭機械を導入した場合は、機械メーカーの技術者の指導を受けなければ本格的な運転ができないこともあり、このような試運転はその購入した機械を事業の用に供するために行われるものであることから、その試運転のために要する費用は、上記1のロの当該資産を事業の用に供するために直接要した費用として、その機械の取得価額に含めることが相当と考えられます。同様に、新規に導入したソフトウエアを既存のシステムに組み込む費用や試運転調整等のために要する費用は、ソフトウエアを事業の用に供するために直接要した費用としてソフトウエアの取得価額に含めることが相当と考えられます。
  なお、新たなソフトウエアを導入した場合に、ソフトウエアの操作講習等を実施する例も見受けられますが、この場合に発生するテキスト作成料、講師派遣費用、会場費等のいわゆるトレーニング費用は、企業会計上、発生した事業年度の費用とすることとされています(研究開発費及びソフトウエアの会計処理に関する実務指針16)。このようなトレーニング費用は、税務上も、ソフトウエアを事業の用に供するために直接要した費用というよりは、ソフトウエアを利用するためのいわば事後的費用であり、ソフトウエアの取得価額に算入する必要はないものと考えられます。
  したがって、ご質問のトレーニング費用30万円は、新規導入ソフトウエアの有効活用の観点から担当者以外の社員にも外部のインストラクターの指導を受けさせるものであり、ソフトウエアの取得価額に算入する必要はなく、当期において損金の額に算入することが相当と考えられます。

【関連情報】

《法令等》

法人税法施行令54条1項
法人税基本通達7-3-15の2
研究開発費及びソフトウエアの会計処理に関する実務指針16

【収録日】

平成27年 8月31日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
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