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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

公益法人等が一般個人から受ける寄付金収入の収益事業非該当の考え方

【質問】

 NPO法人Aは、収益事業(請負業)に該当する障害者就労継続支援事業を営んでいますが、収益事業の用に供する固定資産の取得に充てるために、一般個人から寄付を受けました。
 法人税基本通達15-2-12の(1)によれば、公益法人等が固定資産の取得又は改良に充てるために国や地方公共団体から交付を受ける補助金等の額は、たとえその固定資産が収益事業の用に供されるものである場合であっても、収益事業に係る益金の額に算入しないとされていますが、NPO法人Aが一般個人から受ける寄付金の額についても、上記通達の「国や地方公共団体から交付を受ける補助金等の額」に含まれるものと解して、収益事業に係る益金の額に算入しないこととしてよろしいでしょうか。

【回答】

1 NPO法人は法人税の取扱い上、法人税法2条6号に規定する公益法人等とみなされる(特定非営利活動促進法70〔1〕)ことから、収益事業(法法2十三、法令5)から生じた所得以外の所得については課税されません(法法7)。
  この「収益事業」とは、販売業、製造業その他政令に掲げる34の事業(その性質上その事業に付随して行われる行為を含みます。)で、継続して事業場を設けて行われるものをいいます(法法2十三、法令5〔1〕)。
  そして、公益法人等が他から贈与を受ける行為は、原則としていずれの収益事業にも該当せず、また、収益事業に付随して行われる行為にも該当しないため、その贈与について受贈益課税等は行われませんし、その贈与が、実質的に収益事業に係る資産の譲渡や役務の提供等の対価として行われるものでない限り、法人税の課税対象とされることはありません。
2 ところで、法人税基本通達15-2-12は、収益事業を行う公益法人等が国や地方公共団体等から交付を受ける補助金等のうち、固定資産の取得又は改良に充てるために交付を受ける補助金等の額は、たとえその固定資産が収益事業の用に供されるものである場合であっても、収益事業に係る益金の額に算入しないこととする一方、収益事業に係る収入又は経費を補てんするために交付を受ける補助金等の額は、収益事業に係る益金の額に算入する旨の取扱いを明らかにしています。
  この取扱いは、公益法人等が国や地方公共団体等から交付を受ける補助金等についても、上記1後段の受贈益非課税の一般原則が及ぶことを確認的に示したものであり(税務研究会出版局発行:八訂版法人税基本通達逐条解説1382頁)、その補助金等が、収益事業に係る収入又は経費を補てんするために交付されるものでない限り、収益事業の収益には含まれない旨を明らかにしたものと解されます。
3 そして、お尋ねのように公益法人等が一般個人から受ける寄付金が上記2の取扱いにいう「国や地方公共団体から交付を受ける補助金等」に含まれるか否かについては、通達の明文上は必ずしも明らかではありませんが、そのいかんにかかわらず、上記1後段の受贈益非課税の一般原則により、公益法人等が他から受ける寄付金収入は収益事業に係る収益に該当せず、また、収益事業の付随収入にも該当しないものと解するのが相当であり、そのことは、収益事業の用に供される固定資産の取得のために受ける寄付金であっても同様と考えられます。
  したがいまして、お尋ねのNPO法人Aが収益事業の用に供する固定資産の取得に充てるために、一般個人から受ける寄付金の額については、収益事業に係る益金の額に算入しないこととして差し支えないものと考えられます。

【関連情報】

《法令等》

法人税法2条6号
法人税法2条13号
法人税法7条
法人税法施行令5条
法人税基本通達15-2-12
特定非営利活動促進法70条1項

【収録日】

平成30年 4月28日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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