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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

譲渡所得の取得費の範囲

【質問】

 譲渡所得の金額の計算上控除される取得費には、どのようなものが含まれるか。

【回答】

 譲渡所得の金額の計算上控除される資産の取得費は、譲渡した資産を取得するために要した金額、その資産の設備に要した費用および改良に要した費用の額の合計額とされています。
 しかし、その資産が建物や機械器具などのように使用または時の経過によって減価する資産の取得費は、その資産の取得価額、設備費および改良費の額の合計額から減価の額(減価償却費の累積額又は一定の方法によって計算した減価の額)を控除して計算することになります。

【関連情報】

《法令等》

所得税法38条1項
所得税法38条2項
所得税基本通達38-12
所得税基本通達38-13
所得税基本通達38-13の2
所得税基本通達38-14
所得税基本通達38-15
所得税基本通達38-16
所得税基本通達60-2
租税特別措置法通達措通37の10・37の11共-13

【解説】

1 譲渡所得の金額を計算する場合に、収入金額から控除することができる譲渡資産の取得費とは、別段の定めがあるものを除き、その資産の取得に要した金額、設備費および改良費の額の合計額をいいます(所法38条1項)。
  この場合に、譲渡した資産が家屋や機械などのように、使用または期間の経過により減価する資産であるときは、その資産の取得の日から譲渡の日までの期間の減価の額(業務用資産にあっては減価償却費の累積額、非業務用資産にあっては、一定の方法により計算した減価の額)を控除して取得費を求めることになっています(所法38条2項)。
  そして、上記の「取得に要した金額」とは、その資産を取得するにあたり通常要する直接的な費用の額のほか、その資産の取得に関連して支出した間接的な費用の額を含めた金額となります。
  また、土地の賃貸借契約の更新及び更改するに際し、支払った更新料・更改料も取得費となります。(所基通38-12)
  なお、譲渡資産を贈与・相続・遺贈により取得(相続等)している場合には、被相続人等が譲渡資産を取得に要した取得費を引き継ぐとともに(所法60〔1〕)、次のような付随費用を取得費に算入することができます。(所基通60-2)
 (1)ゴルフ会員権に係る名義書換手数料
 (2)不動産に係る登記費用及び不動産取得税
 (3)株式の名義書換手数料
 (4)特許権、鉱業権の登録費用
2 「設備費」とは、資産の取得した後に付加した設備に係る費用(例えば、建物を取得した後に冷暖房設備を付加したような場合におけるその冷暖房設備のために要した費用)であり、「改良費」とは、資産の取得した後に加えたその資産の改良のための費用で、通常の修繕費となる費用以外のものとなります。
3 ところで、譲渡所得の計算における譲渡した資産に係る概算取得費の特例については、土地建物等の取得当時の契約書などがなく、実際にいくらで取得したか分からない土地建物等の取得費を譲渡収入金額の5%を概算取得費として控除する規定であり、原則的規定である所得税法第38条に対する特段の規定と解されています。ただし、土石、借家権及び漁業権は除かれます。(措法31の4)
  なお、このような概算取得費については、株式等を譲渡した場合にも、取引報告書を保存していないケースなどで、取得価額がわからないことがあるときには、譲渡した同一銘柄の株式等の譲渡収入金額の5%を概算取得費として控除することが認められています(措通37の10・37の11共-13)。ただし、無償割当てなどにより無償で取得したものは除かれます。

【収録日】

令和 2年 3月 6日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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