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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

飲食店の造作等の譲受と営業権の有無

【質問】

 個人が、銀座で事業(クラブ)を経営するために、建物を賃借することとし、家主には保証金1,700万円を支払い(うち10%は明け渡し時に償却となり返還されない)、前賃借人からは店の造作等を居抜きで譲り受け、6,000万円を支払った。この処理として、保証金のうち170万円は権利金として繰延資産とし、6,000万円のうち造作代1,500万円は固定資産とし、何れも税務署調査官から認められた。
 ところが、6,000万円のうち4,500万円を、営業権とし5年間償却としたことについて、これを繰延資産、償却年数は建物の残存耐用年数の70%とすべきであるとの指摘を受けた(所基通50-3)。
 高額の金銭を支払ったのは銀座という場所のためであるから、これは営業権とみるべきであると思うが、どうであろうか。

【回答】

 譲渡権利付賃貸借の権利金と解される。

【関連情報】

《法令等》

所得税法施行令6条
所得税法施行令7条1項4号
所得税基本通達2-27
所得税基本通達50-3

【解説】

 権利金の性質については、「(1)営業ないし営業上の利益(造作、のれん、得意先など)の対価、(2)賃料の一部の一括前払い、(3)賃借権そのものの対価、(4)場所的利益に対する対価、(5)賃借権に譲渡性を付与した対価などの意味があると解され、(5)の借家契約に類似するものとして、営業用建物の営業権や営業設備を第三者に譲渡しようとするときには賃貸人は特段の事情のない限り承諾をするという契約もある。(新版借家の法律相談.水本浩ほか編・有斐閣224頁)」とされている。また、営業権とは、「営業規模や経営努力が他の同業者と格別異なるほどのこともないのに、通常の水準を超える高利益を継続して上げている場合、その水準を超える利益を超過利益といい、超過利益を継続的に安定して生み出す無形の源泉を元本財産に見立てて営業権という。(税務用語辞典.日本税理士会連合会・ぎょうせい)」とされている。
 これが質問の場合、地理的条件の優位性も営業権に含まれないか、というのであろうが、営業用建物の賃借権が譲渡の対象であり、当該建物の賃借人が転々と変わり、しかも屋号の引継もなく、固定客の確保(クラブの女子従業員の引継)も確かではないような場合、場所的優位性のみをもって当該譲渡の中に営業権(所令6条8号ル)が含まれていると解することに困難性があると考えられる。
 したがって、一般的には、質問の場合の4,500万円は、譲渡権利付賃貸借の権利金(所令7条1項4号ロ、所基通2-27(1))というべきであると考えられ、結論としては課税庁の見解のようになる。
 なお、上記のように、超過利益を安定して生み出すことが可能である場合には、営業権を有することを主張することが可能となろう。

【収録日】

平成14年 8月23日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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