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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

屋根改修(パラペット)工事の資産区分

【質問】

 A社は、当期に、自社工場(築20年、鉄骨鉄筋コンクリート造りのもの、耐用年数38年)の屋根改修工事(2000万円)を行いました。屋根改修工事は、一般に、パラペット屋根工事とされるもので、既存の屋根の上に鉄骨を組んで屋根全体を鋼板で覆い、屋根の端の部分を約80センチメートル立ち上げ、外観上は箱形になります。A社は、この立ち上げ部分(パラペット部分)を看板として社名を表示しました。
 パラペット屋根工事は、屋根にパラペット部分を設置することにより、社名看板として利用できる効果も期待して行ったものであり、耐用年数別表第1の「建物附属設備」、「前掲のもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」の「主として金属製のもの」として耐用年数「18年」、あるいは「構築物」、「広告用のもの」の「金属造りのもの」として耐用年数「20年」を適用するのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。

【回答】

1 一般に、パラペットとは、建物の屋上や陸屋根などの端部で、立ちあげられた胸の位置程度の高さの壁であり、扶壁(ふへき)あるいは胸壁(きょうへき)とも呼ばれています。パラペット工事は、屋上や陸屋根など、平坦な部分の端部において、雨水などの防水のために、防水層の端を立ち上げる目的で行われる場合が多いようですが、外観上、箱形にすることにより看板を設置するなど、単に防水対策のみではなく、美観上の目的から行われることもあります。
2 ところで、A社がこのパラペット屋根工事の資産区分として検討されている建物附属設備あるいは構築物については、次のとおりと考えられます。
  まず、法人税法上、建物附属設備は、暖冷房設備、照明設備、通風設備、昇降機その他建物に附属する設備をいうものとされており(法令13一)、通常は、〔1〕建物内に収容する人の居住性の維持のために施設するもの(電気設備、給排水設備、衛生設備及びガス設備)、〔2〕建物内に収容する人の作業雰囲気等の調整及び建物固有の機能を向上させるために施設するもの(冷房、暖房、通風又はボイラー設備、昇降機設備)、及び〔3〕〔1〕及び〔2〕以外に、その使用可能期間が短い等のため特に建物から分離して償却することとされたもの(消火、排煙又は災害報知設備、格納式避難設備、エヤーカーテン又はドアー自動開閉設備、アーケード又は日よけ設備、店用簡易設備、可動間仕切り)が建物附属設備に該当するものとされています。ご質問のパラペット屋根工事は、通常、建物附属設備とされるいずれの資産にも該当せず、また、これらに類似するものもありませんので、建物附属設備には該当しないものと考えられます。
  また、法人税法上、構築物は、ドック、橋、岸壁、桟橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物をいうものとされ(法令13二)、耐用年数別表第1の「構築物」に掲げる「広告用のもの」とは、いわゆる野立看板、広告塔等のように広告のために構築された工作物(建物の屋上又は他の構築物に特別に施設されたものを含みます。)をいうものとされています(耐用年数取扱通達2-3-5)。
  ご質問のパラペット屋根工事は、既存の屋根の上に鉄骨を組んで屋根全体を鋼板で覆い、屋根の端の部分をパラペットとして外観上は箱形としたものであり、建物と分離独立したものではなく、建物本体の改良工事と認められます。したがって、A社がパラペット部分に社名を表示して広告用として利用するとしても、構築物には該当しないものと考えられます。
3 ご質問のパラペット屋根工事は、建物本体の改良工事であり、この工事により建物の防水性が改良され、さらに、外観上の美観が向上することにより、建物の使用可能期間を延長し、また、建物の価値を増加させるものであることから、工場建物に対する資本的支出(法令132)として処理することが相当と考えられます。

【関連情報】

《法令等》

法人税法施行令132
耐用年数取扱通達2-3-5

【収録日】

平成27年11月30日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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