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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

有料老人ホームにおける食事の提供の課否

【質問】

 当社会福祉法人では、有料老人ホームを新設する予定です。有料老人ホームが入居者に提供するサービスについては、おおむね消費税が非課税になると理解していますが、入居者に対する食事の提供も非課税と考えてよいでしょうか。

【回答】

1 有料老人ホームに入居している要介護者等に対して、介護計画に基づいて行われる入浴・排せつ・食事の介護、その他の日常生活上必要な便宜の供与は、居宅介護サービス費の支給に係る居宅サービスとして非課税となります。
  ここでいう「食事の介護」とは、「自立して食事を摂ることができない要介護者等に対して、食事を摂ることを手助けすること」と解されます。
2 介護保険法は、要介護者等がケアプランに従って指定居宅サービス事業者から居宅サービスを受けた場合には居宅介護サービス費を支給することとしています。しかし、「日常生活に要する費用として厚生労働省令で定める費用」によるサービスは支給対象から除外することとされています。
  これを受けて、介護保険法施行規則61条は、居宅介護サービス費の支給対象から除かれるサービスに係る費用を居宅介護サービスごとに規定しています。同条では、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護については、「食事の提供に要する費用」が含まれていますが、有料老人ホームでの介護サービスである特定施設入居者生活介護については、「おむつ代」、「その他特定施設入居者生活介護において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるもの」と規定されており、「食事の提供に要する費用」は含まれていません。
3 他方、指定居宅サービスの質的基準を定める指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号、以下「基準省令」といいます。)は、指定居宅サービス事業者が介護保険から支給される居宅介護サービス費のほかに要介護者等から受領することができる費用(要介護者等の自己負担)を定めており、そのなかに、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護における「食事の提供に要する費用」が含まれています。しかし、特定施設入居者生活介護については、「日常生活上の便宜に要する費用」を定めるものの、「食事の提供に要する費用」は含まれておりません。
4 以上を踏まえますと、特定施設入居者生活介護において、指定居宅サービス事業者が居宅サービスとして要介護者等に対して食事の提供をすることは、そもそも介護保険制度の予定するところではないということになります。したがって、特定施設入居者生活介護において指定居宅サービス事業者が要介護者等に対して食事の提供をすることは、消費税が非課税となる居宅介護サービス費の支給に係る居宅サービスには該当せず、課税の対象になると考えます。
【参考】軽減税率制度実施後の取扱い
 軽減税率制度が実施される2019年10月1日以後、老人福祉法29条1項の規定による届出が行われている有料老人ホームにおいて、当該有料老人ホームの設置者又は運営者が、当該有料老人ホームの一定の入居者に対して行う一定の範囲の飲食料品の提供については、軽減税率の適用対象となります(28年改正法附則34〔1〕一ロ、28年改正令附則3〔2〕一)。
 なお、軽減税率の対象となるのは、同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供の対価の額(税抜き)が一食につき640円以下であるもののうち、その累計額が1,920円に達するまでの飲食料品の提供です。
また、対象となるのは次の入居者です(28年改正省令附則6)
〔1〕 60歳以上の者
〔2〕 介護保険法19条1項に規定する要介護認定又は同条2項に規定する要支援認定を受けている60歳未満の者
〔3〕 〔1〕又は〔2〕のいずれかに該当する者と同居している配偶者(イ又はロのいずれかに該当する者を除き、その者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。)

【関連情報】

《法令等》

消費税法6条1項
消費税法別表第一7号イ
消費税法施行令14条の2第1項
介護保険法8条11項
介護保険法41条1項
介護保険法施行規則61条1項1号
介護保険法施行規則61条1項2号
介護保険法施行規則61条1項3号
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)96条3項3号
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)127条3項1号
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)145条3項1号

【収録日】

平成30年12月28日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
注3: 当Q&Aの著作権は株式会社TKCに帰属します。当Q&Aのデータを改編、複製、転載、変更、翻訳、再配布することを禁止します。

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