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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

建物損害保険金及び建物臨時費用保険金を受け取った場合の課税関係について

【質問】

 不動産賃貸事業の用に供している家屋について、台風の影響により水漏れによる損害を被ったため、損害保険会社に保険金を請求していたところ、建物損害保険金50万円と建物臨時費用保険金5万円の合計55万円の支払を受けましたが、実際に修繕を行った修理業者に支払った金額は47万円です。
 この場合の各保険金は、資産に被った損害に対するものとして非課税とされることになりますか。

【回答】

1 受け取った建物損害保険金50万円は、資産に加えられた損害を補填するものとして基本的に非課税とされますが、賃貸家屋に被った損害に係る資産損失の額がある場合には、その資産損失の額から受け取った建物損害保険金50万円を控除する必要がありますので、結果としてその資産損失の額を上回る部分について非課税とされることになります。
  なお、原状回復部分は資本的支出となり、基本的に減価償却を通じて必要経費に算入することになります。
2 また、災害に関連して受け取った建物臨時費用保険金5万円は、賃貸家屋自体の損害に対して支払われる損害保険金とは別に跡片付け等のための費用を補填するためのいわゆる費用保険金に該当するものですので、これは非課税とはされず、不動産所得の金額の計算上収入金額に計上する必要があるものと解されます。

【関連情報】

《法令等》

所得税法9条1項17号
所得税法37条
所得税法51条1項
所得税法施行令30条本文かっこ書
所得税法施行令30条2号
所得税法施行令127条1項
所得税法施行令127条2項
所得税基本通達49-8の4
所得税基本通達49-31
所得税基本通達49-32
所得税基本通達51-3

【解説】

1 不動産賃貸事業の用に供している家屋の水漏れによる損害は、資産損失として必要経費に算入されますが、実際に被った損害額(賃貸家屋の帳簿価額から被災直後の時価を控除した額)が明確ではありませんので、仮に、原状回復のための修繕費47万円がその損害に相当する額とした場合を前提にしますと、その損害に相当する部分は資産損失として不動産所得の金額の計算上必要経費の額に算入されることになります(所法51〔1〕)。
  ただし、受け取った建物損害保険金50万円はその資産損失の額から控除することになりますので(所法51〔1〕かっこ書)、結果として必要経費に算入される資産損失の額は零円ということになり、資産損失の額を上回る保険金部分3万円(50万円-47万円)は、資産に加えられた損害に対するものとして非課税となります(所法9〔1〕十七、所令30二)。
  なお、原状回復部分は資本的支出となり(所基通51-3)、基本的に減価償却を通じて必要経費に算入することになります(所令127条1項・2項、所基通49-8の4、49-31、49-32)。
2 次に、費用保険金とは、罹災した資産そのものの損害を補填する保険金とは別に、例えば、罹災した家屋や家財の跡片付け等のための費用を補填するためのものとして支払われる保険金とされており、一般的には、〔1〕地震火災費用保険金、〔2〕残存物取片付け費用保険金、〔3〕水道管修理費用保険金、〔4〕臨時費用保険金などがあるとされています。
  そして、〔4〕臨時費用保険金については、その使途が限定されているものではなく、その時の事情に応じ、各家庭が必要とする出費を賄うことができるとされており、ご質問の建物臨時費用保険金5万円も、この〔4〕臨時費用保険金に該当するものと考えられます。
  したがって、不動産賃貸事業の用に供される賃貸家屋の罹災に伴って受け取った建物臨時費用保険金5万円は、必要経費に算入される費用の支出を補填するためのものとして非課税とはされず(所令30条本文かっこ書)、不動産所得の金額の計算上総収入金額に計上する必要があるものと解されます。

【収録日】

令和 2年 4月17日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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