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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

新型コロナウイルス緊急経済対策で支給を受ける給付金、助成金等の収益計上時期

【質問】

 当社は居酒屋等飲食店を2店舗営業していますが、新型コロナウイルスの影響を受け利用客の極端な減少のほか、国及び県から要請を受け営業自粛したため、前年同時期に比べて大幅に売上げが減少して資金繰りに影響が出ているので、現在、雇用調整助成金(厚生労働省関係)及び持続化給付金(中小企業庁関係)の支給申請手続をしています。
 そして、当社ではもうすぐ決算期を迎えますが、これらの支給が見込まれる給付金等の収益計上時期はいつになりますか。それとも、令和2年4月30日に制定された新型コロナウイルス税制特例法で非課税とする措置が設けられたのでしょうか。

【回答】

1 新型コロナウイルスの感染拡大の防止から、国及び都道府県が営業活動の自粛要請を行ったことに伴い、緊急経済対策として、国及び地方公共団体等において事業者を支援するため各種の給付金制度が設けられています。
  各種の給付金制度には、給付金、助成金、奨励金など(以下「給付金等」といいます。)があります。
  給付金等は、制度で定められた支給要件を満たすのであれば、原則申請により支給対象となります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、都道府県等からの休業要請に応じた事業者を対象に支給される休業協力金等もこれに含まれます。
  なお、給付金等の具体的な検討に当たっては、各制度の申請規程、交付要綱等の内容をよく確認して判断することが必要となります。
2 法人税における給付金等の収益計上時期については、次のとおりです。
  法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費を補填するために雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の収益に計上することになります(法基通2-1-42)。また、法人が定年の延長、高齢者及び身体障害者の雇用等の雇用の改善を図ったこと等によりこれらの法令の規定等に基づき交付を受ける奨励金等の額については、その支給決定があった日の属する事業年度の収益に計上します(法基通2-1-42(注))。
3 新型コロナウイルス税制特例法では、同法第4条において家計への支援の観点から給付される一定の給付金等(特別定額給付金、子育て世帯への臨時特別給付金)について所得税を非課税とする措置は設けられましたが、ご質問の雇用調整助成金及び持続化給付金についての非課税措置は設けられていません。
  そうしますと、雇用調整助成金及び持続化給付金は、上記2の給付金等に該当すると判断されますので、これに基づき収益計上を行うことになります。
  ただし、雇用調整助成金の場合、次のとおり通常の場合と特例措置の場合に分けて考える必要があります。
  通常の雇用調整助成金については、法令の規定によりその給付事実(休業手当等)の発生によって具体的に計算が可能であり、その給付額とその原因となった事実による損失の額(実際に支給した休業手当の額等)とを対応させるのが相当ですので、決算日までに助成金の支給決定がなくても金額を見積もり収益(未収入金)に計上することになります(法基通2-1-42)。
  特例措置の雇用調整助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例で令和2年4月に設けられました(以下「特例措置」といいます。)。この特例措置は、当初の令和2年4月1日から6月30日までの適用期間が、その後の延長措置により令和3年4月30日まで(注)とされています。この特例措置は、通常の雇用調整助成金よりも、助成率、日額上限額などが拡充されたほか、通常の場合に必要な休業計画書の事前届出を不要とするなど手続が簡素化されています。
 (注)特例措置が令和3年4月30日以降延長されているかについては、厚生労働省ホームページ等で確認する必要があります。
  なお、この特例措置による雇用調整助成金の収益計上時期については、休業計画書の事前届出が不要であることから、交付決定日の属する事業年度になることが国税庁の「新型コロナ感染症関連の税務上の取扱いFAQ」(令和3年2月26日追加)により明らかにされました。さらに、事前の休業等計画届の提出が不要の場合であっても、交付申請を行っており、交付を受けることの確実性が認められ、経費が発生した日の属する事業年度に会計上も収益計上しているときには、税務上もその処理は認められることが同FAQ(令和3年3月26日追加)で明らかにされました。
  また、持続化給付金については、雇用調整助成金のように実際の経費の支出を前提にしたものではなく、令和2年1月以降新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により前年同月比で事業収入が50パーセント以上減少したこと等を要件として給付金を支給するものですので、支給決定があった日の属する事業年度に収益に計上することになります(法基通2-1-42(注))。
(注)この質疑事例は当初、令和2年6月24日に税務Q&Aに掲載したところですが、令和3年2月26日、「新型コロナ感染症関連の税務上の取扱いFAQ」の法人税に関する取扱いに「問7法人が交付を受ける助成金等の収益計上時期の取扱い」が追加され、さらに同項目については3月26日に追加修正されていますので、回答の見直し等を行っております。

【関連情報】

《法令等》

新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律4条
法人税基本通達2-1-42
国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQの法人税に関する取扱いの「問7 法人が交付を受ける助成金等の収益計上時期の取扱い」(令和3年3月26日追加)

【収録日】

令和 3年 3月30日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
注3: 当Q&Aの著作権は株式会社TKCに帰属します。当Q&Aのデータを改編、複製、転載、変更、翻訳、再配布することを禁止します。

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