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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

中古建物を取得し、改修等を行った場合の簡便法による耐用年数の適用の可否

【質問】

 A社は、本社の新社屋として使用するため、中古の事務所用建物(金属造3階建、以下「本件中古建物」といいます。)を2500万円で購入し、事業供用前に総費用1500万円で改修工事を行いましたが、その改修工事費用のうち、500万円は新たに設置したエレベーターの取付工事代でした。
 A社としては、本件中古建物の旧所有者から耐用年数の見積もりに必要な資料等を入手できないことから、簡便法による耐用年数を適用したいと考えていますが、改修工事費用の合計額1500万円は、本件中古建物の取得価額2500万円の50パーセント相当額を超えることから、簡便法の適用はできないことになるのでしょうか。

【回答】

1 法人が中古資産を取得しこれを事業の用に供した場合には、事業の用に供した時以後の使用可能期間を見積り、これを耐用年数とすることが認められている(耐用年数省令3〔1〕一)ほか、使用可能期間の見積りが困難な場合には、下記により計算した年数を残存耐用年数とすることが認められています(簡便法:耐用年数省令3〔1〕二)。
 なお、この計算により算出した見積耐用年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には2年となります。
 (1)法定耐用年数の全部を経過したもの
    法定耐用年数×0.2=耐用年数
 (2)法定耐用年数の一部を経過したもの
    (法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×0.2)=耐用年数
  ただし、この簡便法による計算は、その中古資産を事業の用に供するに当たって支出した資本的支出の金額が、当該中古資産の取得価額の50パーセント相当額を超える場合には適用が認められないこととされています(耐用年数省令3〔1〕ただし書)。
2 お尋ねのケースの場合、A社が取得した本件中古建物の改修工事費用総額 1500万円を本件建物の資本的支出の額とみなす場合は、資本的支出前の取得価額2500万円の50パーセント相当額を超えることから、簡便法は適用できないことになります。
  しかしながら、改修工事総額のうち500万円はエレベーターの新設費用ということであり、エレベーター等の建物の付属設備は、原則として建物本体と区分して耐用年数を適用することとされていること(耐通2-2-1)から、その新設費用を除くと、建物の資本的支出の額は、改修工事費用総額1500万円からエレベーターの取得価額500万円を控除した1000万円となり、本件中古建物の取得価額2500万円の50パーセント相当額以下となるため、簡便法による耐用年数の適用は可能と考えられます。
  したがいまして、本件中古建物については、簡便法による耐用年数を採用して差し支えないものと考えますが、エレベーターについては、新規取得の「昇降機設備」として法定耐用年数17年を適用すべきところと考えます。

【関連情報】

《法令等》

耐用年数省令3条
耐用年数の適用等に関する取扱通達2-2-1

【収録日】

平成29年 1月31日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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