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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

賃借している駐車場の舗装路面の補修工事費用の取扱い

【質問】

 建設業を営むA社は、B社から賃借している駐車場のアスファルト舗装の路面が傷んできたため、賃貸借契約における「賃借人の必要に応じて行う路面の補修工事については賃貸人の了承を得て賃借人の負担により行う」旨の約定に基づき、B社の了解を得て、自社負担で補修工事を行い補修費用として150万円を支出しました。補修工事の内容は、舗装路面の全面補修ではなく、穴が空いている大小30か所について、埋め戻し及びアスファルト舗装を施したもので、駐車場全体の面積約1,500平方メートルのうち補修した30か所の面積の合計は約400平方メートルでした。
 この駐車場は、従前において同業者であったB社が舗装工事を行って駐車場や資材置場として使用していたところ、B社の建設業からの撤退に伴い、5年前にA社が賃借したものであり、駐車場の舗装路面はA社の資産ではありません。
 そこで質問ですが、今回の補修工事費については、A社の構築物(舗装路面)あるいは借地権として資産計上する必要があるのでしょうか。

【回答】

1 一般に、固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の金額は、修繕費として損金算入が認められます(法基通7-8-2)が、一方、その修理、改良等が固定資産の使用可能期間を延長させ、又は価値を増加させるものである場合は、その延長及び増加させる部分に対応する金額は、修繕費とはならず資本的支出とされます(法基通7-8-1)。
  ところで、法人が使用する他人の減価償却資産すなわち賃借資産につき支出した資本的支出の金額は、その他人の減価償却資産の耐用年数により償却することとされています(耐通1-1-4)。
  したがいまして、賃借資産について支出された改良費等のうち、資本的支出に該当する金額は、その賃借人の資産に計上すべきことになりますが、一方、資本的支出に該当しない金額は、修繕費等として損金算入して差し支えないものと解されます。
2 A社がB社から賃借している駐車場について支出した補修費用(以下「本件補修費用」といいます。)については、資本的支出に該当するか否かが問題となりますが、例えば駐車場の全面を新たに舗装するような場合であれば、A社による資本的支出あるいは新規資産(構築物:舗装路面)の取得と判断される場合もあり得るかと思われます。
  しかしながらお示しの事実によれば、本件補修費用は、駐車場の舗装路面の穴が空いている30か所の補修を内容とするものと認められますから、「維持管理や原状回復のために要した費用」の範囲内のものと認めるのが相当であり、修繕費等として損金の額に算入して差し支えないものと考えられます。
3 なお、借地権の計上の要否に係るお尋ねは、賃借した土地の改良のためにした地盛り、地ならし、埋立て等の整地に要した費用の額は、借地権の取得価額に算入すべきこととされる取扱い(法基通7-3-8(2))の適用を懸念されたものと思われますが、本件補修費用は、駐車場の維持管理や原状回復のための費用にすぎず、「土地の改良のための整地に要した費用」には当たらないものと考えられます。

【関連情報】

《法令等》

法人税基本通達7-3-8
法人税基本通達7-8-1
法人税基本通達7-8-2
耐用年数の適用等に関する取扱通達1-1-4

【収録日】

平成30年12月28日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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