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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

設立第1期目で課税売上げがない場合の還付申告

【質問】

 F社(資本金300万円)は設立第1期目の法人ですが、今期は開業準備のため創業費、開業費や機械、設備購入等の課税仕入れがあっただけで課税売上げは0でした。
 この場合、機械、設備購入等の課税仕入れについて、還付を受けられますか。

【回答】

1.新規に開業した個人事業者や新規に設立された資本金の額又は出資の金額が1,000万円未満の法人は、その年及び翌年においては基準期間の課税売上げがないことから免税事業者となりますので、原則として仕入税額控除はできません。
 ただし、課税事業者を選択する旨の届出書を所轄税務署長に提出することにより、将来の課税売上げに直接必要な機械や設備などの課税仕入れに係る対価の額について、仕入税額控除を受けることができます。
 したがって、F社の場合、「消費税課税事業者選択届出書」を設立事業年度の末日までに提出することにより課税事業者となります。
2.ところで、F社の設立第1期目は課税売上げは0ですので課税売上割合は95%未満となりますので、個別対応方式か一括比例配分方式を選択することになりますが、一括比例配分方式を選択しますと課税売上割合も0となり、仕入税額控除はできませんので個別対応方式を選択することになります。
3.したがって、仕入税額控除の計算を個別対応方式で行えば課税資産の譲渡等にのみ要するものとして購入する機械や設備などの課税仕入れについては、還付を受けることができます。
 しかし、その他の資産の譲渡等にのみ要するものの課税仕入れはもちろん、これらに共通して要するものの課税仕入れとなる創業費等についても課税売上げがないため、課税売上割合は0%となり、還付の対象とすることはできません。
4.なお、課税事業者選択により課税事業者であることが強制適用される課税期間(原則として2年間)中に調整対象固定資産を取得し、一般課税により申告した場合は、原則として3年間は免税事業者に戻ることができず、新たに簡易課税制度を適用することもできません。

【関連情報】

《法令等》

消費税法9条4項
消費税法9条7項
消費税法12条の2
消費税法30条2項
消費税法37条1項
消費税法37条3項1号
消費税法46条1項
消費税法施行令20条
消費税法基本通達11-1-7
消費税法基本通達11-2-12

【収録日】

平成30年 5月31日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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