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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

店舗兼併用住宅の建物の譲渡時点での取得費の計算上「算入される」償却費の累積額に相当する額の解釈

【質問】

 個人甲は、店舗兼併用住宅の用に供していた建物をその敷地と一括して譲渡することになったが、譲渡所得の金額の計算上での建物に係る取得費について、この建物は事業所得を生ずる業務の用に供していたが、過去の事業所得の計算での減価償却費の計算上で、誤った償却費として計算していた年分や税務署長の承認を受けた場合に採用できる「特別な償却方法」を適用した年分もあるが、このような場合に、譲渡した年分における事業所得の計算上の明細書(収支内訳書)に記載されている「未償却残額」を基として譲渡所得の金額の計算上、収入金額から控除できる取得費を計算してもよいか。

【回答】

 譲渡所得を計算する場合に、本件のような店舗兼併用住宅の用に供していた建物の場合の減価償却の対象となる資産の「取得費」の計算は、「建物の取得価額」から償却費の累積額に相当する額を控除して計算されます。
 事業の用として使用されていた家屋の計算では、その使用期間のうちで、各種所得等の計算上必要経費として「算入される」償却費の累積額に相当する金額を控除することになります。
 この場合に必要経費として「算入される」には、「特別な償却方法」を適用した年分の「償却費」相当額も含まれることになります。
 ただし、減価償却費の計算で誤って計算した年分については、税法上の規定に基づいて算出した必要経費に「算入される」金額を基として適法に計算する必要がありますので、「償却費の累積額に相当する額」を訂正することになります。

【関連情報】

《法令等》

所得税法38条2項1号
所得税法施行令85条
相続税法基本通達21の6-1
租税特別措置法通達31の3-7
租税特別措置法通達31の3-8
租税特別措置法通達35-5

【解説】

1 ご質問の事例の場合には、店舗兼併用住宅の用に供していた建物ということですが、その利用割合は、事業用部分が90パーセント以上で、非事業用部分が10パーセント未満とあります。
  このような状態で兼用していた建物を一括契約で譲渡した場合での建物の取得費として控除される価額の計算は、次のようになります。
  「建物の取得価額(資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額)」から「償却費の累積額に相当する額」を控除して計算しますが、事業の用として使用されていた部分と非事業用として使用されていた部分の利用割合を基として区分し、按分計算する必要があります。
  この場合、非業務用として使用されていた部分の建物の耐用年数については、建物の耐用年数の1.5倍の年数に対応する旧定額法の償却率で求めた1年当たりの減価償却費相当額にその建物を取得してから譲渡するまでの経過年数を乗じて計算することになります。
2 また、事業の用として使用していた部分の計算では、その使用期間のうち各種所得金額等の計算上必要経費に「算入される(特に、この場合に注意すべき事項は、「算入した」ではないことです。)」償却費の累積額に相当する額を控除することになります。
  このことは、各種の所得金額の計算上の明細書(収支内訳書)等に記載されている未償却残額そのものではないこともあり得るということであり、あくまでも、対象資産について税法上の規定に基づいて算出した必要経費に「算入される」金額を基として計算を行う必要があることを示しています。
  なお、「建物の取得費の計算」での注意事項としては、仮に、毎年の減価償却費の額を必要経費としていない部分があったとしても、毎年の減価償却費の累積額とすることに変わりはないということになります。
  また、この場合に過去の各種の所得金額の必要経費として「算入される」という金額には、「特別な償却方法」を適用した年分の「償却費の累積額に相当する額」も所得税法上の規定に基づく「償却費の累積額に相当する額」に含まれることになります。

【収録日】

令和 5年11月30日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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