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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

中古建物の償却の方法

【質問】

1 当社は、2025年(令和7)年1月に減価償却資産である中古の建物(法定耐用年数24年)を取得し事業の用に供しています。
  ところで、建物に係る減価償却の方法については、次の〔1〕又は〔2〕のとおりとされ、その適用される減価償却の方法により減価償却費の損金算入限度額が算定されることとされています。
 〔1〕2007(平成19)年3月31日以前に取得をされた建物
   その取得の日が1998(平成10)年3月31日以前かどうかの区分によりますが旧定額法又は旧定率法(法令48〔1〕一)
 〔2〕2007(平成19)年4月1日以後に取得をされた建物
   定額法(法令48の2〔1〕一ロ)
2 当社が建物を取得したのは2025年(令和7)年1月ですが、当該建物自体は2005(平成17)年1月に新築されたものです。
  この場合、減価償却の方法は上記1の〔1〕の方法によることになるのか、上記の〔2〕の方法によることになるのか教えてください。
  また、当該建物は中古資産ですが、耐用年数は何年になりますか。

【回答】

1 建物については、
〔1〕2007(平成19)年3月31日以前に取得をされたものか、
〔2〕2007(平成19)年4月1日以後に取得をされたものか
により、選択できる償却方法が異なります。
  上記〔1〕の場合には、1998(平成10)年3月31日以前に取得をされたものであれば旧定額法(当該減価償却資産の取得価額からその残存価額を控除した金額にその償却費が毎年同一となるように当該資産の耐用年数に応じた償却率を乗じて計算した金額を各事業年度の償却限度額として償却する方法)又は旧定率法(当該減価償却資産の取得価額(既にした償却の額で各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額がある場合には、当該金額を控除した金額)にその償却費が毎年一定の割合で逓減するように当該資産の耐用年数に応じた償却率を乗じて計算した金額を各事業年度の償却限度額として償却する方法)を選択でき、1998(平成10)年4月1日以後に取得をされたものであれば旧定額法が適用されます(法令48〔1〕一)。
  上記〔2〕の場合には、定額法(当該減価償却資産の取得価額にその償却費が毎年同一となるように当該資産の耐用年数に応じた定額法償却率を乗じて計算した金額を各事業年度の償却限度額として償却する方法)のみの適用となります(法令48の2〔1〕一ロ)。
  これらの規定のとおり、いつ取得されたかの区分により選択できる減価償却の方法が異なりますが、取得の主体は適用される法人であり、その建物がいつ建設等されたかによる区分ではありません。この点は、適格分社型分割における取得をされた日について、分割法人から移転を受けた減価償却資産である場合には、その分割法人が当該減価償却資産の取得をした日において当該移転を受けた内国法人により取得をされたものとみなして、上記の〔1〕及び〔2〕に係る規定を適用する(法令48の3)とされていることからも明らかです。
2 中古の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合には、事業供用に当たって、中古資産の取得価額の50パーセント相当額を超える資本的支出を行った場合など一定のものを除き、当該中古資産たる建物の事業の用に供した時以後の使用可能期間を見積り、それを耐用年数として償却限度額の計算を行うことが認められており、また、見積ることが困難な場合には、〔1〕法定耐用年数の全部を経過したものであるときは法定耐用年数の20パーセントに相当する年数(1年に満たない端数を生じる場合は端数切捨て。2年未満となる場合は2年。)を耐用年数として、〔2〕法定耐用年数の一部を経過したものであるときは、法定耐用年数から経過年数を控除した年数に経過年数の20パーセントに相当する年数(1年に満たない端数を生じる場合は端数切捨て。2年未満となる場合は2年。)を加算した年数を耐用年数として償却費損金算入限度額の計算ができることとされています(耐用年数省令3)。
3 ご質問では、中古建物を2025年(令和7)年1月に取得し事業の用に供したとのことであり、法定耐用年数(24年)に対しその一部を経過していることから上記1〔2〕に該当しますので、税務上、定額法により償却限度額が計算されることになります。
  そして適用する耐用年数について、上記2〔2〕による場合には、その算定された耐用年数8年(=(24-20)+(20×20パーセント))となり、それに基づく償却率により計算することができます。

【関連情報】

《法令等》

法人税法施行令48条1項1号
法人税法施行令48条の2第1項1号ロ
耐用年数省令3条

【収録日】

令和 8年 4月20日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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