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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

退職後引き続き使用人として勤務する役員の退職金の損金算入の可否

【質問】

 A社(3月決算の同族会社)は、役員について65歳定年制を採用しています。
 経理担当取締役のB氏(A社の同族関係者ではない。)は、入社以来、営業担当及び経理担当等に従事した後、約15年前から経理担当取締役に就任して現在に至りましたが、今事業年度において満65歳に達したことから、平成25年3月末日をもって取締役を退任することになり、平成25年3月25日に開催した臨時株主総会において役員退職金として2,500万円を支給する旨を決議し、平成25年4月10日に支給することになりました。
 ところで、後任者への引継ぎの関係から、B氏には、役員退任後も当分の間使用人(経理担当)として勤務してもらうこととしていますが、この場合には、勤務実態に変化がないと認定され、役員退職金の損金算入が否認される可能性がありますか。
 なお、この役員退職金の額2,500万円は、A社の役員退職規定に基づいて算定される金額であり、過大なものではないことを前提としてご教示ください。

【回答】

 退職した役員に対する退職給与の額の損金算入の時期は、原則として株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の属する事業年度とされていますが、法人がその退職給与の額を支払った日の属する事業年度においてその支払った額につき損金経理をした場合には、これを認めることとされています(法基通9-2-28)。
 ところで、役員退職金は、退職という事実に起因して一時金として支給される給与をいいますが、ご質問の場合のように、経理担当取締役が、その退職後も引き続き使用人(経理担当)として勤務する場合には外見上の勤務実態に変化がないことから、退職の事実があるといえるかどうか疑義があるところです。
 しかしながら、役員が使用人になった場合には、たとえ勤務関係は継続しているとしても、法律上は従前の委任関係が解消して新たに雇用関係が発生したものと認められることから、役員としての地位を一旦退任し、改めて使用人として雇用されたものと考えるのが相当と思われます。
 したがいまして、A社がB氏の役員退任に際して、役員退職給与規定等に基づいて役員在任期間に対応する退職金を支給する場合には、その額が適正なものである限り、株主総会の決議によりその支給額が具体的に確定した日の属する事業年度(平成25年3月期)か、または、実際に支給した日の属する事業年度(平成26年3月期)において、損金経理により損金の額に算入することができるものと考えられます。

【関連情報】

《法令等》

法人税基本通達9-2-28

【収録日】

平成25年 6月20日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
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