《税務Q&A》
情報提供 TKC税務研究所
【件名】
ビンゴゲームの賞品に対する課税
【質問】
当社は、先日設立20周年記念パーティーを行い、その中でビンゴゲームを開催して次のような賞品を提供しました。 なお、参加者は、当社役員及び社員で合計200名です。 これら賞品について源泉徴収をする必要がありますか。 1等 旅行券 20万円、2等 旅行券 10万円、3等 旅行券 5万円、4等~10等 商品券 1万円、11等~23等 商品券 5千円、24等~70等 QUOカード 1千円 (賞品総額 532千円/当選者70名)
【回答】
ご質問の賞品については、給与等には該当せず、源泉徴収の必要はありません。なお、これら賞品に係る所得は、一時所得に該当します。
【関連情報】
《法令等》
【解説】
1 ビンゴゲームの賞品に係る所得の所得区分については、賞品は当社役員及び社員が受けていることから、まず、給与所得該当性について検討します。 所得税法28条1項において「給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。」と規定し、その性質は「雇用契約またはこれに準ずる関係に基づいて提供される個人の非独立的ないし従属的な人的役務の提供の対価としての性質をもった所得」(コンメンタール所得税法1671頁)とされています。 ビンゴゲームに参加する機会を得ているのは当社の役員及び社員であることから、雇用契約との関連性も否定できません。しかし、ビンゴゲームの賞品を得ること自体は、偶然性が強く、くじに近い性質をもつものであることからすると、雇用契約またはこれに準ずる関係に基づいて提供される個人の従属的な人的役務の提供の対価とはいえないと考えられます。2 したがって、ビンゴゲームの賞品については、所得税法183条1項に規定する給与等に該当せず、また、所得税法第204条1項各号に規定する報酬等にも該当しないため、源泉徴収の必要はありません。3 なお、所得税法34条(一時所得)1項において「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。」と規定し、これに当たるものの例示として、「懸賞の賞金品、福引の当選金品等(業務に関して受けるものを除く。)」(所得税基本通達34-1(1))が掲げられていることから、ビンゴゲームの賞品に係る所得は、一時所得に該当するものと考えられます。(注)上記の「業務に関して受けるもの」は、例えば「抽選券付で販売されている棚卸資産や機械、器具などの業務用資産等の購入に際して受ける金品は事業に係る不随収入」(「所得税基本通達逐条解説(平成26年版)」252頁 大蔵財務協会)やプロ選手が獲得する賞金品がこれに当たると考えられます。
【収録日】
平成29年 1月31日