《税務Q&A》
情報提供 TKC税務研究所
【件名】
令和7年の役員への貸付金の利息
【質問】
当社は、役員Aから借入の申し入れがあり、貸付を行う予定です。 金銭消費貸借においてAに経済的利益が生じないよう利息を定めたいと考えています。 その利息はどのように算定したら良いでしょうか。
【回答】
役員Aに対する貸付金利息は、当社が他から借り入れて貸し付けたものであることが明らかな場合には、その借入金の利率により、その他の場合には、0.9パーセント(令和7年の場合)で計算した利率により計算した場合は、経済的利益は生じないことになります。
【関連情報】
《法令等》
【解説】
所得税基本通達36-15(3)は、法第36条第1項かっこ内に規定する「経済的利益」には、「金銭の貸付け又は提供を無利息又は通常の利率よりも低い利率で受けた場合における通常の利率により計算した利息の額又はその通常の利率により計算した利息の額と実際に支払う利息の額との差額に相当する利益」を含む旨定めています。 また、上記経済的利益の額はその利益を享受する時における価額(時価)により評価することとされています(所法36〔2〕)。 次に、同36‐49において、上記の価額(時価)に関し、使用者が役員又は使用人に貸し付けた金銭の利息相当額については、当該金銭が使用者において他から借り入れて貸し付けたものであることが明らかな場合には、その借入金の利率により、その他の場合には、貸付けを行った日の属する年の租税特別措置法第93条第2項《利子税の割合の特例》に規定する利子税特例基準割合による利率により評価するとしています。 そして、上記「利子税の割合の特例」(措法93〔2〕)は、「平均貸付割合(各年の前々年の九月から前年の八月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が一年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を十二で除して計算した割合として各年の前年の十一月三十日までに財務大臣が告示する割合をいう。以下同じ。)に年〇・五パーセントの割合を加算した割合をいう。」とされ、上記財務大臣告示(令和6年財務省告示第293号)で示す割合は0.4パーセントとされています。 したがって、ご質問の役員Aに対する貸付金利息は、当社が他から借り入れて貸し付けたものであることが明らかな場合には、その借入金の利率により、その他の場合には、年0.4パーセントに年0.5パーセントの割合を加算した割合である、0.9パーセント(令和7年の場合)で計算した利率により計算した場合は、経済的利益は生じないことになります。
【収録日】
令和 7年10月28日