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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

中小企業等投資促進税制及び中小企業経営強化税制のフォークリフトへの適用

【質問】

 中小企業者で青色申告法人であるA社は、フォークリフト(以下「本件フォークリフト」といいます。)を取得し、倉庫での荷役作業に使用しています。また、本件フォークリフトは、工業会から「中小企業等経営強化法の経営力向上設備等に係る生産性向上要件証明書」(以下「証明書」といいます。)の発行を受けていますが、その「減価償却資産の種類」欄には「機械・装置等」と記載されています。
 この場合、中小企業等投資促進税制(措法42の6)が適用できるでしょうか、また、この証明書をもって経営力向上計画に係る認定を受ければ、中小企業経営強化税制(措法42の12の4)の適用が受けられるでしょうか。

【回答】

1(1) 中小企業等投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)(措法42の6)は、中小企業者等が平成10年6月1日から平成31年3月31日までの期間(以下「指定期間」といいます。)内に新品の機械及び装置などを取得し又は製作して国内にある製造業、建設業などの指定事業の用に供した場合に、その指定事業の用に供した日を含む事業年度において、原則として基準取得価額の30パーセント相当額の特別償却又は基準取得価額の7パーセント相当額の税額控除を認めるものです。
  この制度の対象となる資産(以下「特定機械装置等」といいます。)は、その製作の後事業の用に供されたことのない(つまり新品の)一定の資産で、指定期間内に取得し又は製作して指定事業の用に供したものです。
  「一定の資産」とは、機械及び装置であれば、1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの、車両及び運搬具であれば、一定の普通自動車で、貨物の運送の用に供されるもののうち車両総重量が3.5トン以上のものです(措規20の3〔4〕)。ここで、「一定の普通自動車」とは、道路運送車両法施行規則別表第一に規定するものですから、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一で判定することはできません。
 (2) 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)(措法42の12の4)は、青色申告書を提出する中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等が平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に、特定経営力向上設備等を取得し、国内にあるその法人の指定事業の用に供した場合に、その指定事業の用に供した事業年度において、特別償却(即時償却)又は特定経営力向上説設備等の取得価額の7パーセント相当額(中小企業者等においては10パーセント)の税額控除を認めるものです。
  特定経営力向上設備等は、生産等設備を構成する機械及び装置、工具、器具及び備品、建物附属設備並びにソフトウェアで、一定の規模以上のもの(「特定経営力向上設備等」)であり、「一定の規模以上のもの」とは、機械装置であれば1台又は1基の取得価額が160万円以上のものをいいます。
2(1) 本件フォークリフトは、工業会から「機械・装置等」として「証明書」の発行を受けているとのことですが、税法の観点では、「車両及び運搬具」は、人又は物を搭載して、ある地点から目的地までその搭載物を移送する運搬用の機器が対象とされており、フォークリフトも搭載物を移送する運搬用の機器ですから、その資産区分は基本的に「車両及び運搬具」になるものと考えられます。この点は、耐用年数別表第一において、「車両及び運搬具」の「前掲のもの以外のもの」に「フォークリフト」「4年」と特掲されていることからも明らかです。
  そうすると、たとえ本件フォークリフトが、工業会から「機械・装置等」として「証明書」の発行を受けているとしても、税務上は「車両及び運搬具」を取得したものと認められることになります。
  したがって、本件フォークリフトについては、税務上「機械・装置等」に該当する余地はありませんから、「機械・装置等」としては中小企業等投資促進税制及び中小企業経営強化税制の適用はないと言えることになります。
 (2) そうすると、対象資産に「車両及び運搬具」が挙げられているのは中小企業等投資促進税制(措法42の6)ですから、検討事項は、本件フォークリフトが、同税制における「車両及び運搬具」に該当するかどうかに絞られることになります。
  この場合、上記1(1)のとおり、中小企業等投資促進税制の対象となる「車両及び運搬具」の要件である「一定の普通自動車」は、道路運送車両法施行規則別表第一に規定するものですから、同表を見ますと、フォークリフトは「普通自動車」ではなく「特殊自動車」に区分されています。
  したがって、本件フォークリフトは、「一定の普通自動車」に該当しませんから、「車両及び運搬具」としても中小企業等投資促進税制の適用はないことになります。
 (3) なお、国税庁の質疑応答事例に「租税特別措置法第42条の6の対象となる車両運搬具の範囲について」があります(国税庁HP>税について調べる>質疑応答事例>法人税目次一覧。以下「本件質疑応答事例」といいます。)。そして、本件質疑応答事例によれば、車両及び運搬具の場合の「一定の普通自動車で、貨物の運送の用に供されるもののうち車両総重量が3.5トン以上のもの」という要件(措規20の3〔4〕)を判断する場合、「貨物の運送の用に供されるもの」に該当するかどうかは、(1)自動車の登録及び検査に関する申請書等の様式等を定める省令第4条第1項第6号に掲げる自動車検査証(いわゆる車検証)の「最大積載量」欄に記載があること、及び(2)実際にその自動車を貨物の運送の用に供していることを満たす自動車であるかどうかによる旨が明らかにされています。
  この点、フォークリフトは、荷台を備えていませんから、本件フォークリフトについても、車検証に最大積載量の記載はないものと思われます。
  したがって、この点からも、本件フォークリフトは、「車両及び運搬具」として中小企業等投資促進税制の適用がないことになります。

【関連情報】

《法令等》

租税特別措置法42条の6
租税特別措置法42条の12の4
租税特別措置法施行規則20条の3

【収録日】

平成30年 4月28日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
注3: 当Q&Aの著作権は株式会社TKCに帰属します。当Q&Aのデータを改編、複製、転載、変更、翻訳、再配布することを禁止します。

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