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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

破産債権の貸倒損失について

【質問】

 下記事案の貸倒処理の可否についてご教示願います。
1)平成10年に破産の申立をし、破産手続に入っていた取引先の破産管財人より、平成12年7月に最後配当の実施及び配当額の通知がありました。配当金の振込実施予定日は9月で、10月に任務終了の債権者集会が行われる予定です。当社では、当債権につき貸倒引当金を設定してありますが、残額のうち最後配当額を控除した金額を貸倒損失として処理したいと思っています。当社の決算は8月のため、平成12年8月期に貸倒損失を計上できるでしょうか。
2)平成11年4月に会社整理の申立をした取引先に対し債権を有しており、前期(平成11年8月期)に貸倒引当金を設定してあります。しかし、残額についても平成12年8月に書面により債権放棄をして貸倒処理をしたいと考えています。
3)法基通9-6-2に基づき貸倒損失を計上したいと思っていますが、その全額が回収できないことが明らかになった事業年度とは、今回の場合、破産終結決定のある平成12年10月以降の事業年度(翌期)になるのか、或いは、最後配当の通知のあった平成12年7月の事業年度(当期)になるのかが分かりません。
4)法基通9-6-1に基づき貸倒損失を計上したいと考えています。本通達の相当期間に関し問題はないでしょうか。

【回答】

1 貸倒れとして損金経理をするための要件として、「債務者の資産の状況、支払能力等から見てその全額が回収できないことが明らかになった場合」とされており、この取扱いを適用する場合の「債務者の資産状況、支払能力等から見て金銭債権の全額が回収できないことが明らかになった」かどうかの事実認定については、例えば、債務者について破産、和議、強制執行、整理、死亡、債務超過、天災事故、経済事情の急変等の事実が発生したため回収の見込みがない場合のほか、債務者についてこれらの事実が生じていない場合であっても、その資産状況等のいかんによっては、これに該当するものとして取扱う等弾力的に行うものと解されています。
 また、貸倒処理の時期について、回収不能が明確になった限りにおいては、直ちに貸倒処理を行うというのが商法ないしは企業会計上の考え方であり(商法285の4(2))、いやしくもこれを利益操作の具に利用するようなことは公正妥当な会計処理とは認められないというべきである。このことから「回収できないことが明らかになった事業年度において」行うべきものであることが明らかにされています。
 御質問の場合、平成12年7月に最後配当の実施及び配当額の通知があったとのことですから、この時点で回収ができないことが明らかになったものと解され12年8月期に貸倒損失を計上できると考えます。
2 税務上、債務の免除による貸倒損失が認められる条件の一つとして、「債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その貸金等の弁済を受けることができないと認められる場合」となっています。ここにいう「債務超過の状態が相当期間継続」するとは、通常3年ないし5年債務超過の状況が続くことをいいますが、それにより貸金等の弁済を受けられるかどうかは個別に判断することが必要となります。そこで一般的には、債権の発生時期、支払期日、債権の回収のために払われた努力、回収できないことが決定された経緯などについて検討して判断すべきであると考えます。したがって、書面により債権放棄をするには、その経過を書面によって立証し、債務免除が決して相手方への贈与を意味するのではなく、その行為に経済的合理性があることを説明できるようにしておくことが必要と考えます。

【関連情報】

《法令等》

法人税基本通達9-6-2
法人税基本通達9-6-1

【収録日】

平成13年 8月31日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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