税金の基礎知識

15.繰延資産とはどういうものか

 税法では、減価償却資産のように目に見える資産でなくても、会社の支出した費用で、その効果が1年以上におよぶもので、固定資産の取得価額にならないものを、繰延資産といいます。

 税法上の繰延資産の中には、会社法で認められているもの(創業費、開業費、開発費、社債発行費、株式交付費の5つ)と税法で特に決められているものがあります。ただし、前払家賃などの前払費用は、繰延資産になりません。

 税法特有の繰延資産には下記のようなものがあります。

  1. 商店街のアーケードの設置費用など(償却期間5年)
  2. 建物を借りるために支出する権利金など(償却期間5年)
  3. ノウハウの提供をうけるために支出する頭金など(償却期間5年)

 繰延資産は、その支出の効果のおよぶ期間に応じて償却できる金額(償却限度額)を計算し、繰延資産償却として損金に算入することになります。