Q&A経営相談室
新OS「Windows(ウィンドウズ)11」の機能は?
 
Q:
 マイクロソフトから新たなOSが年内に発売されると聞きました。どのような機能が搭載されるのでしょうか。(倉庫業)
 
<回答者>アバンギャルド代表 戸田 覚

A:
 2015年にリリースされた「Windows(ウィンドウズ)10」は最後のバージョンになるといわれていましたが、21年秋に新しい基本ソフト(OS)である「Windows 11」が登場することになりました。OSのメジャーアップデートは、機能や使い勝手が向上する場合が多いため、基本的には歓迎すべき事柄です。もっとも、過去には不評のバージョンもありましたが、今回はそのようなことにはならないと予想しています。

 Windows 11ではデザインが大きく変わり、スタートメニューが画面中央に移動します。ただ、端に移動することも可能で、使用するうちに慣れてくるはずです。機能を詳細にみていくと、使い勝手の良さが随所に感じられます。特に複数のウィンドウを整列する機能が秀逸で、画面の広くないノートパソコンでも、ぐっと使いやすくなるはずです。細かい機能では、エクスプローラーでファイルを開くと、それぞれのファイルに合わせた操作ツールが表示され、とても使いやすくなりました。加えて、ファイルのパスを簡単にコピーできるのも便利です。

 注目される変更点として、クラウド型業務ソフト「Teams」が統合されます。Windows 10で「OneDrive」が統合されたのと同様に、Teamsが標準的なアプリとなるため、ユーザーにとって利便性が増すでしょう。

セキュリティーを強化

 Windows 11のシステム要件は、1GHz以上、2コア以上のプロセッサで、RAM4GBなどが推奨されています。注目したいのは「TPM2.0」への対応です。TPMとは、ハードウエアによるセキュリティー機能を提供するためのモジュールで、この要件に対応していないとWindows 11がインストールできません。さらに、CPUの世代による対応が行われる可能性があり、5〜6年前に購入したパソコンではインストールできないことも考えられます。

 Windows 11をインストールできるかチェックするためのツールが、マイクロソフトより提供される予定ですが、「準備中」となっており、記事執筆時点の実体は不明です。Windows 11は使い勝手のよいOSになると思いますが、Windows 10とできることはさほど変わりません。Windows 11をインストールできないパソコンでも、あと4年ほどはWindows 10を引き続き利用できます(Windows 10のサポート期限は25年10月14日)。

 手元にある第8世代のCore i8を搭載したパソコン(2018年に購入)に、インサイダープレビュープログラム(開発者などに向けた発表前のバージョン)をインストールしてテストしていますが、動作速度は満足できるレベルで、Windows 10に比べて著しく重いということはありません。

 また、筆者が使っているさまざまなアプリは問題なく動作しており、周辺機器も今のところテストしたものは利用できます。正式には周辺機器メーカーの対応を待つ必要がありますが、Windows 10で利用できているものの多くは、問題なく使えるはずです。「10」から「11」に乗り換えても生産性は大きく変わらないため、急いで切り替える必要はないと思います。ただ、セキュリティー面の安心感は向上するため、テレワークで使用する場合は早めの導入をおすすめします。

 もし今後パソコンを購入するなら、Windows 11対応をうたっている製品にするべきです。「10」から「11」へのアップグレードは、無料とされています。なお、Windows 11の提供開始時期について、マイクロソフトは先般10月5日と発表しました。

2021年8月10日時点の情報と、インサイダープレビュープログラムの情報を元に記載しています。
ご利用のインターネットバンキングおよびTKCシステムのWindows 11対応が完了するまで、Windows 11搭載PCの購入およびWindows 11へのアップグレードはお待ちください。
提供:株式会社TKC(2021年10月)
 
(注) 当Q&Aの掲載内容は、個別の質問に対する回答であり、株式会社TKCは当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。
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