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昨今、日本企業でも、ご質問者のように、自社製品を海外の展示会に出展する場合など、英語でプレゼンテーションを行わなければならないケースが増えてきています。そこで、どういう考え方・手順で取り組めばよいかを説明したいと思います。
まずは、「プレゼンテーションで伝えたい目的や主題は何なのか?」「プレゼンテーションをする相手はどんな層なのか?」を明確にすることが重要です。経営者層、技術者……等、ターゲットにより、プレゼンテーション内容が変わってくるからです。ターゲットを明確にしたら、プレゼンテーションの全体を組み立て、その後、詳細をつめていきます。
英語のプレゼンテーションでは、(1)導入、(2)本論、(3)結論という構成要素で組み立てていくのが一般的です。導入部では、挨拶やプレゼンテーションの目的・背景、全体の流れなどについて説明します。次の本論では、まさに自社の伝えたいこと(自社製品のプレゼンテーションの場合は、自社製品の内容や特徴等)を述べ、最後の結論では、本論で述べたことの取りまとめを行い、質疑応答へと移ります。以下に、各部分で盛り込む内容について簡単に整理してみました。
(1)導入……まず、プレゼンテーションの機会を与えてもらったことに対する御礼や挨拶を述べ、その後、会社の紹介をします。また、プレゼンテーションの流れについて簡単に説明します。
(2)本論……ここでは自社製品の仕様、特徴や他社商品との比較、価格等、伝えたい内容について述べます。データ等の根拠資料を提供すると、より信憑性が高まります。
(3)結論……最後に本論で述べてきたことの取りまとめを行い、強調しておきたいことを再度繰り返します。そして、プレゼンテーションを聞いてもらったことに対する御礼を述べ、質疑応答に入ります。
最近では、日本語、英語を問わず、パワーポイントを用いたプレゼンテーションが主流となっています。自社製品をプレゼンテーションする場合にも、パワーポイントを用いることをお勧めします。スライド作成時には、「相手が理解しやすいように」ということを念頭において作成しましょう。以下に、スライド作成のポイントをまとめました。
(1) |
一目見て理解できるよう、長い文章ではなく、簡潔でシンプルな表現を使う。 |
(2) |
1枚のスライドには複数の要素やテーマを盛り込まない(1スライドに複数のテーマを詰め込まない)。 |
(3) |
文章のレベルをそろえる(動詞ならすべて動詞、名詞ならすべて名詞から始める、というように、書き出しの品詞をそろえる)。 |
(4) |
箇条書きにする際には、重要な順序で並べる。 |
(5) |
ポイントとなる単語を主語にする。 |
(6) |
スライドのつながりを考えた構成にする。 |
(7) |
マイナスや否定の表現を避ける(プレゼンテーション全体にネガティブな印象を与えないよう、前向きで良い印象を与える単語や表現を使うようにする)。 |
(8) |
見やすいフォントの種類やサイズを設定する(個人的にはArialをお勧めします)。 |
(9) |
図表を有効活用する。 |
ここではプレゼンテーションの組み立てやスライド作成のポイントについて述べましたが、プレゼンテーションで使う「英語表現」についての参考書もいくつか出版されていますので、参考にしてください。
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