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マインドマップとは、頭の働きを活性化してくれるノート法です。イギリス人教育者のトニー・ブザン氏が30年以上前に開発、世界中で使われるようになりました。日本でもここ数年、マインドマップに関する書籍が多数出版され、若手のビジネスパーソンを中心に注目を集めています。その作成手順と効果を簡単にご紹介します。
【マインドマップの作成手順】
(1)紙を横長に置き、中心にカラフルなイメージを描く(セントラルイメージ)。
(2)セントラルイメージから放射状に枝(ブランチ)を広げて描き、その上に言葉やイメージを載せるように描いていく。
(3)言葉だけでなく、色、形、矢印、マーク、イメージなどをふんだんに取り入れながら作成する。
【マインドマップを活用する効果】
(1)思考の結果ではなくプロセスを反映したノートなので、書きながら考えることができ、結果的に頭の中を整理できる。
従来のノートは「1(1)(2)(3)abc」のように、整理整頓された形になっており、思考の結果しか書きませんでした。マインドマップは思考の過程を書いて見えるようにするので、書きながら思考し、頭の整理をしていくことができます。
(2)言葉、色、形、イメージなど、右脳と左脳の双方を活性化できる表現方法を用いているので、頭に浮かんだことを直観的に記録しやすく、記憶もしやすい。
大脳新皮質のうち、左脳は言葉、右脳は色・形・イメージなどを司っています。マインドマップは言葉に偏らず、イメージや色、形を多く取り入れているため、右脳・左脳の双方を活性化するのに適しています。絵を見て直観的に理解したり、絵が記憶に焼きついたりという経験はどなたにもあると思いますが、右脳、左脳の双方を活性化することで、頭の働きを最大化することが可能なのです。
(3)ブランチや矢印が関連性を表しているので、ものごとを関係づけて思考しやすく、新たな発想を得たり、創造的な思考が行える。
何かと何かの関連性に気づくことで、新しい発想が生まれます。マインドマップを使うことで、企画作成やアイデア創出がスムーズに行えることでしょう。
(4)全体を360度方向に見渡せるので、統合的な思考が行いやすく、問題解決的思考が促される。
ゲシュタルト心理学者のケーラーは、問題解決的思考は全体を見渡した時に一気に起きるということを発見しました。従来のノートは直線的に一方に向けてのみ書いていきましたが、マインドマップは360度方向に広がるため、全体を見渡しやすいのです。
マインドマップを中小企業が使う場合、個人活用とグループ活用の双方が考えられます。
●個人活用:企画作成、アイデア創出、スケジュール管理、目標設定、備忘録、勉強など。
●グループ活用:ミーティングやブレインストーミングの板書、マニュアル、ビジョンの共有など。
社内にマインドマップを導入するのであれば、まずマインドマップの正規講座に社員が参加して描き方をマスターするとともに、マインドマップに対する社内の人たちの抵抗感を薄めるよう働きかける必要があります。おそらく、すぐにでも使えるのはミーティング時の板書でしょう。最初は社内でマインドマップを描くことのできる社員が会議の板書を行って見せ、参加メンバーも分かりやすいと思えば、マインドマップに対する馴染み感が醸成され、導入がスムーズにいくことでしょう。
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