Q&A経営相談室
【マネジメント】
やる気アップの飲み会を定例化したいが
 
Q:
 社員のやる気を促すための飲み会を定例化したいと考えています。コツのようなものがあったら教えてください。(食品卸売業)
 

<回答者>株式会社武蔵野 代表取締役社長 小山 昇

A:
 私の場合、年間100日は社員と飲みます。公式では課長職以上を6組に分けて月に3回、年で36回。それに「社長と飲み歩く会」というのが年4回。中途入社社員と1回、新卒社員と2回、内定者と3回。あとは政策勉強会で1回、バーベキュー大会で1回、社員旅行で1回、経営計画発表会で1回、忘年会が1回。これに送別会などの非公式を加えると年100日は確実に超える勘定です。
 これだけ頻繁に社員と飲んでいるのに、当社の飲み会はいつも盛り上がります。5年ほど前に実施した社員アンケートでは、95%の社員が社長と酒を飲みたいと書いてくれました。実にうれしかった。結局、アメリカに行くスケジュールを1週間とばし、社員15人を1組にして6日間、毎日飲み会を開きました(笑)。
 普通、社員というのは自分の会社の社長とは一番飲みたくない。なのになぜ当社はこうなのかというと、私が彼らの話に耳を傾けるからだと思います。 
 どんな席でも、社長が話を聞いてあげれば社員は喜ぶし、やる気になってくれるものです。
だから酒を飲んだら、社長はできるだけ聞き役にまわった方がいい。社長の話に社員が耳を傾けるようにするためにもそうすべきです。人間というのは天の邪鬼です。飲み会の席だからこそ社長が最初に話をしてしまうと、彼らの気持ちはそっぽを向いてしまいます。
 それと当社の飲み会では、席をくじ引きで決めています。私の隣にすわった社員は「ついてないなー」と口ではいっても、まんざらでもない顔で席についています。このやり方は、社長の近くに座りたがらない社員、斜に構えてしまう社員をつくらないようにする意味でも有効です。
 また、いつ、どこで、誰と飲むかは、常にオープンにする。何月何日はどこどこ営業所と飲み会の予定、といったスケジュールを、グループウェアで必ず全社員に公開するようにしています。そうしないと、社員に多少なりとも妬みを抱かせることになります。

社長が身銭を切るから喜ぶ

 やる気アップのための飲み会ということではもう一つ、頑張っている社員の情報を収集するようにしています。当社には上司と部下の間で「サンクスカード」を送る習慣があるので、後でこれに「飲み会で誰々課長が君のことを褒めていたよ」と書いて本人に教えてあげるわけです。モチベーションはキューンとあがる。
 飲み会では会社のお金は絶対に使いません。それが当たり前という風土をつくってしまい、エスカレートするだけです。どうやるかというと、職責に応じ1人1000円から3000円の会費を徴収します。参加意識がでるし、彼らも安心して飲めますからね。残りは基本的に私が払いますが、私自身が直接レジに行ったのでは「どうせ領収書をもらって経費で落とすのだろう」と社員が思うので、財布を社員に渡して「払ってこい」と。社長が身銭を切るから嬉しいのであって、会社の経費では有り難みも湧かない。
 私自身が飲み会に出席する時間は、だいたい1時間半と決めています。1時間半が過ぎたところで中締めをして、私は席を立つ。
だから予めお店にも、コース料理だったら1時間半で出すようにと伝えておきます。
 なぜ中途で席を立つのかといえば、そこにいる別の管理職が主役になる場をつくるためです。その管理職を中心に社員たちが盛り上がってくれれれば、また別の形でモチベーションが生まれますからね。(談) 

提供:株式会社TKC(2006年4月)
 
(注) 当Q&Aの掲載内容は、個別の質問に対する回答であり、株式会社TKCは当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。
戻る ▲ ページトップへ戻る