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まず始めに、お客様があなたのお店で買い物をする理由を考えて見ましょう。飢えをしのぐために食材を買うのでしょうか。寒さを耐えるために服を買うのでしょうか。いくら不況でも、今時そんな人は稀です。家族に美味しい晩御飯を食べてもらいたいとか、お洒落をしたいといった理由で買い物をしているはずです。必要に迫られての買い物ならば、ただ安さを訴えればよいのですが、現代のお客様に訴えかけるべきことは買い物をする理由、すなわち「商品の持つ価値」なのです。そしておそらく、この「価値」を一番経費をかけずに一番簡単にお客様に伝えることができるのがPOP広告なのです。用意するのは紙と筆記用具とあなたのアイデアだけです。
POPの有効性に気付いた一部の小売店では、POPを使って売上や利益をのばしています。昨年、大ヒットした『世界の中心で愛を叫ぶ』も、実は東京上野の本屋さんが貼った1枚のPOPをきっかけに火が着きました。
売れるPOPを作る3つのポイント
では、具体的にどんなPOPを作ればいいのでしょうか。ここでよく間違われがちなのは、「商品の価値」を訴えるのにいわゆるスペックを書いてしまうことです。例えばデジカメならば100万画素とか500万画素だったり、セーターならカシミア100%といった部分をアピールしてしまうことです。しかし実はお客様が最も知りたいのは、「500万画素だから大きく引き伸ばしても大丈夫」とか、「カシミア100%だから軽くて風合いも良く暖かい」といった情報(商品の価値)なのです。それをPOPに書くべきなのです。
ではここで、文章を書くのは苦手という方でも簡単にできる、POP作りのコツをご紹介します。
(1)体験を伝える
あなたは自分のお店で売っているものを実際に食べたり使ったりしていると思います。その「感想」を素直にPOPに書いてみてください。例えば「店長の体験談!このお風呂用洗剤は皮脂汚れも本当にスッキリ洗い落とせました。お蔭で毎晩ピカピカのお風呂に入るのが楽しみです」とか「あんまり美味しくて、もう1本多く飲んで家内に叱られました」等です。こんな体験談がお客様の共感を呼ぶのです。
(2)訴える人を絞り込む
全てのお客様に買ってもらおうというPOPは、訴える焦点がボケて、逆に誰からも買ってもらえません。ターゲットを絞り込めば絞り込むほど、多くのお客様に買ってもらえるものなのです。例えばジャズのCDなら「車の中で彼女を口説く時のBGMにお勧めです」とか、健康食品なら「一人暮らしで野菜が不足しがちな人へ」などです。きっとその商品は仕事で車を運転する人や家族団欒で食事をする人にも売れるはずです。
(3)商品が出来た物語を伝える
商品には、それが出来た理由があります。「美味しさを味わって欲しい」とか「健康になって欲しい」等です。この理由を知る方法は何ら難しくありません。メーカーの広報室や消費者相談室に問い合わせればいいのです。そうすればこんなPOPも簡単に作れます。「このお醤油は、醤油本来の味を追求して、メーカーが原材料からこだわりました」。きっと隣に特売のお醤油があっても、こちらを買う人が何人もいるでしょう。
以上、基本的なポイントを紹介させていただきましたが、これを実行するだけであなたのお店の売上はきっと伸びるはずです。その基本さえ実行していないお店がほとんどなのですから。まずは最初の1枚から始めてみてはいかがでしょうか。
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