A:
メーン顧客が「4、50代の主婦」ということですので、まずはこの客層がどのような特徴を持っているのか、統計データを確認しながら特定していきましょう。

4、50代の家計事情
総務省が発表しているデータに「家計調査」があります(表参照)。このデータから想定される顧客像として、
○収入や支出額が大きいことから使えるお金が多い
○家具・家事用品や保健医療などに掛ける費用は増えている
○一方、被服及び履物、教育に掛ける費用は減っている
○月々の黒字額が大きい
といった特徴が読み取れます。
また、内閣府が実施している「国民生活選好度調査」からも、40代は、結婚をした時期から子どもがある程度自立する時期にあたる「家族成長期」で消費に関する重要度が高いのですが、50代となると子育ても一段落し、消費への関心も少なくなり、「医療と保健」への関心が最も高くなっています。
これらの状況から考えると、お金はあるが、消費にはかなりシビアな客層であることは間違いないでしょう。
立ち止まらせる店頭演出
相手が消費への関心が薄いのですから、まずはお店の入り口で立ち止まらせるための演出から始めましょう。
店の前を歩いているお客様を引き付けるためには、「安さ感」「ボリューム感」が必要です。そのためには、
○店頭に商品が山積されている
○店頭商品は特価商品、もしくは低価格(手軽に買える)である
○商品価格を目立たせたPOPをはる
といった演出が必要です。
ほとんどの人は、購買の際には商品の購入理由を求めています。「安いから」「たくさんあって、きっと自分の欲しいものがあるから」といった気持ちを持たせられなければ、顧客をお店に引き付けることはできません。
また、商品以外でもお客様の目を引くように、スポットライトを使って明るくしたり、のぼりやPOPを使って賑わい性を演出しましょう。
買う気にさせる商品陳列
続いて、店内に入ったお客様に商品を買っていただくための演出について確認します。
店内商品の陳列のポイントは「価値」の演出です。「なぜ、この商品を買うのか」ということがわかるように商品の価値をお客様に訴えかけます。
陳列においては、商品の使用場面を想像できるようなディスプレイをすること、POPで商品の価値を分かりやすく伝えることです。
4、50代は家計調査においても、家具・家事用品に掛ける費用が比較的高いことから、家の中のことには興味があることが分かります。
また、取扱商品が雑貨ということですから、商品を単に並べて値段をつけるだけでなく、生活提案やカラー展開など視覚に訴えることは必要ですし、比較的容易なのではないでしょうか。
店舗で今売れている商品には理由があります。それは商品そのものの価値だけでなく演出による部分も大きいのです。商品を置いているだけのお店から商品の価値を伝えられる店舗とならなければ、シビアなお客様の気持ちを動かすことはできません。
|