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最近、こうした相談を受けることが非常に多くなっています。「販促」(販売促進)とは、文字通り「売上を促進し拡大する」ことですが、店舗の売上は一度来店した顧客が何度もリピートしてくれることで増加します。広告宣伝や集客イベントなどは、新しい顧客を呼び込むきっかけにはなりますが、それ自体が販促に直接つながっているわけではありません。
つまり、販促には、まず店側が来店した顧客に十分な満足感や安心感、信頼感を与え、「また来よう」と思っていただくための仕組みづくりがなければなりません。それがないのに、いくら見込み客に向けて集客を仕掛けても、継続的な業績向上には結びつかないことはおわかりだと思います。こうしたことを踏まえたうえで、販促の手法についていくつか紹介します。
1.インターネットの「口コミ」
インターネットの人口普及率はすでに50%を超え、携帯電話の累計加入台数も7500万台を突破しています。この巨大なメディアを集客に利用しない手はありません。が、ただホームページを作っただけでは効果はありません。インターネット上には、個人が情報発信する「食」関連のサイトが数え切れないほど存在し、そこでは様々な分野の「食」に関する情報が日夜飛び交っています。その情報の伝達スピードは、他のメディアとは比べものになりません。これはネット上の「口コミ」のようなもので、「飲食店情報」について、この口コミの果たしている役割は決して少なくありません。
こうした口コミにのるような話題性のある店になるには、日々の努力とちょっとしたコツが必要ですが、それによって、従来よりも遥かに素早く評判となり、かなり遠方からも顧客を集めることが可能になります。近ごろテレビなどで特集している「繁盛ラーメン専門店」の中には、こうして有名になった店がたくさんあります。
2.顧客カードで固定客づくり
低コストで確実にリピート率や客単価を上げる方法もあります。それは、「これは」と思う顧客を中心に顧客カードを作る手法です。この顧客カードを台帳として、毎回来店ごとに顧客の個人情報をできる限り付け加え、その情報を基に毎月ハガキ、あるいはeメールでDMを送ります。eメールであれば郵送費がかからず安くすみます。
この方法のポイントは、(1)初回は必ず3日以内に次回来店の特典付き「お礼状」を送付する、(2)全員一律に同じDMを出さない、(3)単なる割引券などは決して送らない、などです。当月、誕生日の方に特別な御招待メニューを提案するなど、台帳の情報から個々の顧客に相応しいDMを企画するわけです。パソコンがあれば1000名ぐらいまでの名簿は簡単に管理できます。
3.クーポン付きフリーペーパーを活用
女性やファミリー客向けの店舗では、クーポン付きのフリーペーパーが比較的効果があります。また、予約を受け付ける居酒屋などの場合は、インターネットや携帯電話で「飲食店の検索サービス」を行っているサイトに登録するのも良いでしょう。日頃からプレスリリースを作成し、マスコミに対するパブリシティ活動を継続して行うことも重要です。
ところで、繁華街などで、しばしば飲食店の従業員が割引券付きチラシを撒く姿を目にしますが、チラシを手渡している相手は、まだその店の顧客ではないはずです。そうした人たちに割引券を配布しながら、実際に店を利用している顧客には通常の料金を請求するのだとしたら、それは果たして「販売促進」といえるのでしょうか?
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