Q&A経営相談室
【I T活用】
ブロードバンド時代に適したウィンドウズXPとは
 
Q:
 ウィンドウズ98を利用しています。マイクロソフト社から、このほど新しいOS(基本ソフト)である「ウィンドウズXP」(以下XP)が発売されましたが、どのような特徴があるのか教えてください。(小売業)
 
<回答者> TKCシステム開発研究所情報技術センター
  ITスペシャリスト 出井秀行

A:
 ウィンドウズXPは、マイクロソフト社がブロードバンド(高速大容量)時代にふさわしいOSとして開発した新しいウィンドウズです。
 XPには、「プロフェッショナル」と「ホームエディション」の2つの製品が用意されています。プロフェッショナルは、ウィンドウズNT、2000の後継OSと位置付けられ、ビジネスでの利用を主目的としています。一方、ホームエディションは、プロフェッショナルのサブセット版となっており、ウィンドウズ98、Meの後継OSです。家庭やSOHOでの利用を主目的としています。
 ここでは、XPの四大特徴について説明します。


1. 安定性を増したOS

 ウィンドウズXPの最大の魅力は、なんといってもOSの安定性でしょう。今までの98/Meは、DOSの資産を継承するために、古いアーキテクチャを引きずっており、洗練された構造とはいえませんでした。そのため、途中でパソコンが動かなくなってしまったり、青いエラー画面になってしまったりといったことがよく起こりましたが、その頻度がかなり軽減されています。
 また、同時に複数のプログラムを起動した場合でも、システムの安定性が低下する危険性が減り、ユーザーがプログラムを多数起動した場合でも、システムが安定して動作するようになりました。

2.

セキュリティの強化

 ADSLなどを利用したインターネットへの常時接続が一般的になるにつれ、最近ではインターネット側からの不正アクセス(盗聴や破壊)に対する防御も必須のものとなりつつあります。ウィンドウズXPでは、あらかじめ簡易ファイアウォール機能を用意することで、従来よりも安全にインターネットに接続できるようになっています。もちろん、これだけで不正アクセスを完璧に防止できるわけではありませんが、従来のOSに比べより安全なインターネットへの接続が可能となっています。

3.

複数ユーザでの利用

 1台のコンピュータを複数人数でより簡単に共有することができるようになりました。XPには「ファースト・ユーザー・スイッチング」という機能が追加され、ログオフすることなく、別のユーザーのアカウントに切り替えることができます。
 これまでは、一度すべてのアプリケーションを終了させないとユーザーの切り替ができなかったのですが、作業途中のままで別のユーザーに切り替えられます。ちょっと割り込んで自分の仕事をする場合など、便利に使えそうです。

4.

新しいインターフェース

 XPでは、ユーザーインターフェースが一新されています。より親しみやすいデザインになると同時に、操作性についても機能強化がなされています。例えば、使用頻度の高いプログラムが自動的にスタートメニューに表示されるようになったり、エクスプローラのウィンドウの左側に、操作メニューが表示できたりと、細かな操作性の向上がはかられています。

 ウィンドウズXPには、ここで取り上げた4つの特徴以外にも、数多くの新機能が盛り込まれています。これらの新機能は大変魅力あるものですが、高スペックのハードウェアを要求します。このためお使いのパソコンでは、ウィンドウズXPを快適に動作させることは難しいかもしれません。OSのアップグレードだけではなく、パソコンの買い替えも検討したほうがよいと思われます。

提供:株式会社TKC(2001年12月)
 
(注) 当Q&Aの掲載内容は、個別の質問に対する回答であり、株式会社TKCは当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。
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