Q&A経営相談室
【マーケティング】
コストのかからない効果的な企業PRとは…
 
Q:
 マスコミ、とくに地元紙や業界紙を使って、コストをかけずにうまくパブリシティする方法を教えて下さい。 (機械部品メーカー)
 
<回答者> 株式会社ピーアールセンター 社長 肥後義弘

A:
 モノが売れない時代。お金をかけずに売り込みをはかる広報=販促広報のパワーが注目されています。貴社の製品を、マスコミが記事として取り上げてくれたとき、その注目度と信頼性は広告などよりもはるかに大きなインパクトとなります。
 しかも、記事には企業格差も地方格差もありません。販促広報は、地方の中小企業が中央の大企業と対等に勝負し、マーケットを開拓する唯一の手段といえます。
 さらに、記事に出ることで、従業員はもちろん代理店の士気も上がるという活性化効果も期待できます。 私は数多くの地方企業と関わっていますが、マスコミ発表会を開催して記事にならなかった例はまずありません。お薦めするのは「手作り発表」です。これならコストは最小限で済みます。
 マスコミ発表を「手作り」で成功させるには、それなりに準備が必要です。これまで、パブリシティ活動を行っていなかったのなら、新製品発表を機会に記者発表を実施したいものです。記者からの企業認知度も高まり、以後の発表もスムーズになるからです。ご質問の様子では、おそらく「画期的な」新製品のメドがたったのだろうと推察します。だとすれば記者発表から始めましょう。

地元の記者クラブにアプローチ

 以下の準備作業を行って下さい。

1.

計画書 

 製品情報、マスコミリスト概要、スケジュール、チェックリストなどです。なお、当面の発表も含め、年間計画書の作成も必要です。

2.

マスコミリスト

 ご質問は地元紙、業界紙ということですが、各県庁所在地には商工記者会などの記者クラブがあり、地元紙・地元テレビ局をはじめ、朝日、読売、毎日、サンケイ、日経、共同通信、時事通信などの支局の記者が参加しています。顧客が地元中心だったら、記者発表もこの記者クラブを対象に行います。業界紙は支局がない場合も多く、地方企業にとっては残念なのですが、リリース配信になります。もし全国展開が必要なら、東京及び地元の二本立て会見という手もあります。

3.

ニュースリリース

 製品情報を記事にしてもらうためには最も重要です。記者はリリースを読者=顧客の立場で評価します。したがって、製品にどんなメリットがあるかを具体的数値で示す必要があります。たとえば、「画期的なコストダウン」ではなく「30%のコストダウン」とし、理由も具体的に書きましょう。「独自の手法で」などと書こうものなら、材料費を値切っただけだな…と意地悪く解釈されてボツにされることもあります。リリースはA4 1ページ。補足資料と会社概要を別に1ページ。ほかに写真、カタログをつけます。

 最近の発表例をご紹介しましょう。長野県の医療器具メーカーS社は、新製品発表にあたり、商工記者会を中心にマスコミ100社をリストアップ。東京(営業所)と地元で記者発表。さらに全国数ヵ所の営業所所轄のマスコミにリリースを配信。その上、納品実績をもとに代理店名でリリース配信…という具合に活動を展開。反響は53件もあり、新規代理店も多数希望のなかから優良な数社が戦力として参加するという成果を上げました。
 いわば全国展開をしたわけですが、地元マスコミとは記者懇談会などによって信頼関係を築いており、地元成長企業の顔として、社長インタビュー記事も掲載されました。はじめはアバウトだった年間計画も、すっかり軌道にのっています。
 販促広報の詳細については、ピーアールセンターのホームページも参考にしてみて下さい。(http://www.prcenter.co.jp

提供:株式会社TKC(2001年8月)
 
(注) 当Q&Aの掲載内容は、個別の質問に対する回答であり、株式会社TKCは当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。
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