なぜ、中小企業経営承継円滑化法ができたのか?

中小企業の経営承継を円滑にする法律ができたと聞いたのですが…。
正式な名称は「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」といい、政府がすすめる中小企業の経営承継円滑化のための総合的な支援策の基礎となる法律です。

1.中小企業経営承継円滑化法創設の背景

  日本経済の基盤となるべき中小企業の経営承継は、雇用の確保や地域経済活力維持の観点からきわめて重要です。しかし、現状は承継について十分な準備をしている中小企業は少なく、中小企業の持つ貴重な技術力やノウハウの散逸も懸念されています。
  そこで、円滑な経営承継を支援するために相続時の遺産分割や資金需要、税負担の問題等への総合的な支援策が講じられ、先の通常国会で「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(以下「中小企業経営承継円滑化法」という)が成立しました。

●経営承継の準備状況
経営承継の準備状況

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「「事業承継」「職業能力承継」アンケート」
   (2005年12月)、「2006年版中小企業白書(中小企業庁)」
   (注)後継者を「すでに決めている」と回答した企業のみ集計している。

2.中小企業経営承継円滑化法の概要

中小企業の円滑な経営承継を図るうえで、

  1. 民法上の遺留分の制約
  2. 代表者交代による信用不安
  3. (自社株式等にかかる)多額の相続税負担

の3点の課題があるとされています。
  これらを解決するための対策として、中小企業経営承継円滑化法の施行により、遺留分に関する民法の特例金融支援制度が創設され、また、相続税の納税猶予の特例の創設が予定されています。

遺留分:法定相続人(被相続人の兄弟姉妹は除く)に認められている一定割合の相続財産

遺留分に関する民法の特例
 一定の手続きを前提とした民法の遺留分に関する特例
 (1)贈与株式等を遺留分算定基礎財産から除外できる
 (2)贈与株式等の評価額を予め固定化できる

 

金融支援
 経営の円滑な承継のための資金融資制度
 ・中小企業信用保険法の特例
 ・日本政策金融公庫法の特例

経営承継
の円滑化

課税の特例
 租税特別措置法
 ・取引相場のない株式等の納税猶予制度

 

 

●対象となる中小企業者は・・・

  対象となる中小企業は、「一定期間以上継続して事業を行っているものとして経済産業省令で定める要件に該当する会社」とされ、上場株式を発行している会社や店頭公開会社は除かれます。また、中小企業基本法に定める中小企業の規模(下表)でなければなりません。

中小企業基本法が定義する中小企業
  資本金 又は 従業員数
製造業その他
3億円以下
300人以下
卸売業
1億円以下
100人以下
小売業
5,000万円以下
50人以下
サービス業
100人以下

常時使用する従業員

●特例適用のスケジュール

  「中小企業経営承継円滑化法」は平成20年5月9日に成立し、同年10月1日から施行される予定です。施行後「民法の特例」と「金融支援制度」の適用を経済産業大臣の確認又は認定を受けたうえで適用することができるようになります。「取引相場のない株式等の納税猶予制度」はまだ法律ができていませんが、平成21年に法律が制定され、平成20年10月1日に遡って適用できるよう措置される予定です。

特例適用のスケジュール

 

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