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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

経営力向上設備等を取得する時期と中小企業経営強化税制の適用について

【質問】

 青色申告法人で資本金2,000万円のA社は、平成30年1月に、生産性向上設備(A類型)に該当する機械装置を導入する予定であり、中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度(措法42の12の4〔1〕〔2〕。以下「中小企業経営強化税制」といいます。)のいずれかの適用を考えています。この場合、同税制の条文からしますと、中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けた上で設備を導入した場合に、中小企業経営強化税制の適用があると読めますが、設備の導入より経営力向上計画の認定が後になってしまうと適用が認められないことになるのでしょうか。
 また、工業会等が発行する証明書について、注意すべき点がありましたらご教授願います。

【回答】

1 中小企業経営強化税制は、資本金1億円以下の法人等のうち中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けた青色申告法人(以下「中小企業者等」といいます。)が、平成29年4月1日から平成31年3月31日までの期間内に、以下の「特定経営力向上設備等」でその製作若しくは建設の後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は特定経営力向上設備等を製作し、若しくは建設して、これを国内にある当該中小企業者等の営む以下の「指定事業の用」に供した場合には、その指定事業の用に供した日を含む事業年度において、原則として、特定経営力向上設備等の取得価額から普通償却限度額を控除した金額に相当する金額の特別償却(即時償却)とその取得価額の7パーセント(中小企業者等うち資本金の額又は出資金の額が3,000万円以下の法人がその指定事業の用に供したその特定経営力向上設備等は10パーセント)相当額の税額控除との選択適用を認めるものです。
  「特定経営力向上設備等」には、生産等設備を構成する機械及び装置、工具、器具及び備品、建物附属設備並びに政令で定めるソフトウエア(以下「機械装置等」といいます。)で、〔1〕工業会等が確認者で、生産性が旧モデル比年平均1パーセント以上向上する「生産性向上設備(A類型)」と〔2〕経済産業局が確認者で、投資収益率が年平均5パーセント以上の投資計画に係る「収益力強化設備(B類型)」の2類型があり、それに該当する規模のものとは、機械及び装置にあっては一台又は一基(通常一組又は一式をもつて取引の単位とされるものにあつては、一組又は一式。)の取得価額が160万円以上のものとし、工具、器具及び備品にあつては一台又は一基の取得価額が30万円以上のもの、建物附属設備にあつては一の建物附属設備の取得価額が60万円以上のもの、ソフトウエアにあつては一のソフトウエアの取得価額が70万円以上のものとされています(措令27の12の4〔2〕)。
  なお、中小企業経営強化税制の適用に当たっては、確定申告書等に特定経営力向上設備等の償却限度額の計算に関する明細書の添付が義務づけられているほか(措法42の12の4〔7〕)、機械装置等が特定経営力向上設備等に該当するものであることを証する財務省令で定める書類として、経営力向上計画の写し及び当該経営力向上計画に係る認定書の写しの添付が義務づけられています(措令27の12の4〔4〕、措規20の9〔2〕)。
2 中小企業経営強化税制に規定されている特定経営力向上設備等は、条文の規定振りからしますと、計画認定後に取得することが原則と考えられます。この場合であれば、経営力向上計画の認定と特定経営力向上設備等の取得が事業年度をまたいで行われていても条文のとおりですから、同税制の適用はあると考えられます。
  これに対して順序が逆転している場合、すなわち、特定経営力向上設備等の取得の後に経営力向上計画の認定がある場合についてですが、この点については中小企業庁作成の中小企業経営強化税制Q&A集に記載されています。それによりますと、〔1〕設備を取得した後に経営力向上計画を提出する場合は、取得日から60日以内に経営力向上計画が受理されること、〔2〕設備の取得時期は、平成29年4月1日以降かつ計画の実施期間内であること、そして、〔3〕同税制の適用を受けるためには、制度の適用を年度単位で見ることから、遅くとも当該設備を取得した事業年度内に認定を受けることが要件とされています(同Q&A集(AB型共通)共-34)。
  したがって、特定経営力向上設備等の取得の後に経営力向上計画の認定がある場合でも中小企業経営強化税制を適用することは可能ですが、これらの要件を同一事業年度内で満たすことが求められていますから、特定経営力向上設備等の取得と経営力向上計画の認定とを事業年度をまたいで行うことはできないということになります。
3 工業会等が発行する証明書については、中小企業等投資促進税制に係る特別償却の上乗せ措置(旧措法42の6)や生産性向上設備投資促進税制(旧措法42の12の5)で、申告の際にその写しを添付する取扱いとされていましたが、その趣旨は、申告書に記載した機械装置等が本制度の適用を受けられる設備であることを確認する参考のために提出を依頼しているものと説明されていました(国税庁HPタックスアンサーNo.5455の7(5))。
  一方、中小企業経営強化税制の場合は、条文の規定上は、工業会等が発行する証明書については規定されていませんが、経営力向上計画の写し及び当該経営力向上計画に係る認定書の写しの添付が義務づけられています。
 しかしながら、これらの書類を添付する前提として、そもそも経営力向上計画の申請に当たっては、工業会等が発行する証明書等の写しを添付する必要があるようです(中小企業庁HP「工業会等による証明書について(中小企業等経営強化法の経営力向上設備等に係る仕様等証明書)」)。しかも、この証明書については、申請してから発行されるまで数日~2ヶ月程度の期間を要するとの注意喚起がなされています。
  中小企業経営強化税制の適用に当たっては、このような点にも注意が必要です。

【関連情報】

《法令等》

租税特別措置法42条の12の4
租税特別措置法施行令27条の12の4
租税特別措置法施行規則20条の9

【収録日】

平成30年 1月31日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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