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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

貸倒損失と寄附金の区分について

【質問】

 当社は、得意先甲製作所に対する売掛金が取引の増加につれて多額となり、しかもその信用面で危惧されるところが伺われたので、担保として上場有価証券を預かっています。
 昨年の秋頃から甲製作所の代金決済が急激に悪くなり、本年2月以降全く入金が行われない状況となったので、当社としても本年3月以後は製品の納入を差し止め、入金の督促をしてきました。
 しかしながら、現在の甲製作所の営業状態では、仮にその回収が図られるとしてもかなりの長期間の年月を要し、しかも、その間ある程度の取引を継続しなければならないことになります。
 そこで甲製作所との話し合いの結果、未回収の売掛金500万円については、担保として預かっていた有価証券(時価150万円)を代物弁済に充てるとともに、20万円を現金で回収し、残額(330万円)は当社で債務免除をするということで解消することにしました。
 このような場合、債務免除した330万円は貸倒損失として取扱うことでよろしいでしょうか。

【回答】

 ご質問の内容では、債務者である甲製作所について破産、民事再生法等に基づく資産整理の手続きに入った事実は伺えませんし、また、事業閉鎖、解散等の事実もなく、一応事業が継続されているものと認められます。
 法人が、その有する売掛金、貸付金その他の債権について、その債務者の債務超過の状況が相当期間継続し、その弁済をすることができないと認められる場合において、当該債務者に対し書面をもって債務の免除を行ったときに、当該免除額を貸倒損失として認めることとされています(基通9-6-1(4))が、債務者の資産状況等からみて相手方に返済能力があるにもかかわらずこれを免除したときは、経済的利益を供与したものとして、その免除額は寄附金として取扱われることになります(法37(7)(8))。
 したがって、御質問の内容からは、甲製作所における債務超過の状態がどの程度の期間継続していたのか、本当に弁済をすることができない状態にあったのか、事後の商取引は全く中止されているのか等の点について明らかでありませんので、これらについて確認していただく必要があるものと考えます。ご質問の内容だけからみますと、どちらかといいますと寄附金に該当するように思われます。
 なお、ついでながら債務免除を受けた甲製作所においては、貴社における貸倒損失あるいは寄附金としての取扱いの如何を問わず、その債務免除に相当する金額を受贈益として益金に算入することとなります。

【関連情報】

《法令等》

法人税法37条7項
法人税法37条8項
法人税基本通達9-6-1(4)

【収録日】

平成16年 2月13日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
注2: 当Q&Aの内容は、作成時の法令等を基に作成しております。このため、当Q&Aの内容が最新の法令等に基づいているかは、利用者ご自身がご確認ください。
注3: 当Q&Aの著作権は株式会社TKCに帰属します。当Q&Aのデータを改編、複製、転載、変更、翻訳、再配布することを禁止します。

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