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《税務Q&A》

情報提供 TKC税務研究所

【件名】

中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入について

【質問】

 中小企業者に該当する私は、平成28年10月に共済掛金を月5万円とする中小企業倒産防止共済に加入し、2年分の掛金計120万円を前納しました。
 この掛金は、全額、平成28年分の事業所得の金額の計算上必要経費の額に算入することはできますか。

【回答】

 あなたが支払った中小企業倒産防止共済掛金120万円の全額を平成28年分の必要経費とすることはできず、1年分に相当する額60万円だけが必要経費に算入することができ、残額の60万円は前払金として資産計上することになりますが、この前払金として資産計上された額は翌年の同時期において必要経費に振替処理することになるものと解されます。

【関連情報】

《法令等》

租税特別措置法28条1項
租税特別措置法通達28―2
租税特別措置法通達28―3
所得税基本通達37-30の2
中小企業倒産防止共済法2条2項
中小企業倒産防止共済法14条1項
中小企業倒産防止共済法15条2項
中小企業倒産防止共済法施行規則37条1項

【解説】

1 中小企業倒産防止共済法は、取引先企業の倒産の影響を受けて中小企業が倒産する等の事態の発生を防止するため、中小企業者の相互扶助の精神に基づき、その拠出による中小企業倒産防止共済制度を確立して経営の安定に寄与することを目的として制定されているものですが、この法律の「中小企業倒産防止共済制度」は、中小企業者が毎月一定額(5千円~上限20万円)を独立行政法人中小企業基盤整備機構に共済掛金として納付すると、その中小企業者(掛金納付月数が6か月以上の契約者に限られます。)が取引先の倒産(破産、再生手続開始、更生手続開始、整理開始又は特別清算開始の申立て、手形交換所に参加する金融機関による取引停止処分)により売掛金債権等の回収に支障を生じた場合に、機構から回収が困難となった売掛金債権等の額と納付済掛金合計額の10倍相当額のいずれか少ない額(貸付残高は、8千万円以内)の範囲内で無利子、無担保、無保証の迅速な貸付給付を受けることができるというものです。
2 この共済掛金は、毎月納付しなければならないこととされていますが(中小企業倒産防止共済法第14条第1項)、前納することもでき、前納した場合には、納付すべき各月の初日が到来した時に、それぞれの月の掛金が納付されたものとみなすこととされています(同法第15条第2項)。
  したがって、この前納された掛金は、納付すべき各月の初日が到来した都度必要経費に算入することになるのが原則ですが(措置法通達28-2)、前納の期間が1年以内のものについて掛金の額が割引される制度(同法規則第37条第1項)が設けられていること、また、1年以内に提供を受ける役務に係る前払費用の額は、その支払った年分の必要経費に算入することができることとされていること(所基通37-30の2)等が考慮され、前納された掛金のうち前納の期間が1年以内であるものについては、その掛金を納付した時の必要経費に算入することができることになります(措置法通達28-3)。
  なお、前納された掛金のうち、1年を超えているもので必要経費算入ができなかったものについては、原則どおり前払金として資産計上することになりますので、翌年の同時期において必要経費に振替処理することになるものと解されます。

【収録日】

平成28年12月28日


 
注1: 当Q&Aの掲載内容は、一般的な質問に対する回答例であり、TKC全国会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。個別の案件については、最寄りのTKC会員にご相談ください。
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