■贈与税がかかる財産

 贈与税がかかる財産は、「1.贈与を受けた財産」と「2.贈与を受けたものとみなされる財産」です。
1.贈与を受けた財産
   贈与を受けた財産とは、「あげましょう」「もらいましょう」という当事者間の契約により取得した土地、家屋、立木、事業(農業)用財産、有価証券、家庭用財産、貴金属、宝石、書画・骨とう、預貯金、現金などの一切の財産です。

 次のような場合には、上記のような契約による贈与でなくても、受けた財産は、贈与によって取得したものとして取り扱われます。
  (1)  親の土地や家屋を無償で子の名義に変更したり、夫の株式を無償で妻の名義に変更した場合など、無償で不動産や有価証券などの財産の名義を変更した場合には、原則として、新たに名義人となった人が、旧名義人からその財産を贈与によって取得したものとされます。
  (2)  親が買い入れた土地や家屋を子の名義で登記したり、夫が買った株式を妻の名義に書換えをした場合など、買い入れた不動産や有価証券などの財産の名義を直接他人名義にした場合には、原則として、その名義人となった人が、その財産の取得資金を贈与によって取得したものとされます。
  (3)  子や孫が、土地や家屋を取得するために親や祖父母から資金の援助を受けた場合には、その援助が贈与であるときはもちろん、その援助が貸借の形式をとっていても、その返済が「出世払い」や「ある時払いの催促なし」のように、実質的に贈与と認められるものであるときは、その資金を贈与によって取得したものとされます。
  (4)  共働き夫婦が、土地や家屋を取得し、夫又は妻のどちらか一方の名義にした場合には、名義人となった人は、土地や家屋の取得に充てた資金のうち、他方の妻又は夫が負担した部分を、その人から贈与によって取得したものとされます。
  (5)  新たに信託の設定を行った場合などで、適正な対価を負担することなく受益権等を取得した場合には、贈与によって取得したとされます。  
 新たに受益者等の存しない信託で、将来その信託の受益者となる者が委託者の親族等である信託の設定を行った場合(例えば、信託を設定した時点ではまだ生まれていない孫等を受益者として指定した場合)には、信託の受託者は、贈与によって取得したとされます。
 
2.贈与を受けたものとみなされる財産
   贈与を受けた財産でなくても、次に掲げる財産又利益は、贈与によって取得したものとみなされます。
 
  (1)  委託者以外の人を受益者とする信託が行われた場合の信託受益権
 委託者以外の人を受益者とする信託行為があった場合には、その信託行為があった時に、その信託の利益を受ける権利をその信託の受益者が委託者から贈与を受けたものとみなされます。また、信託行為があった後、委託者が受益者である信託について信託の受益者が変更されたときや受益者が確定していない信託について委託者以外の人が受益者として確定したときについても贈与を受けたものとみなされます。
  (2)  保険料を負担した人以外の人が保険金を受け取った場合
 夫が保険料を負担していた生命保険契約の保険金を満期や被保険者の死亡により妻が受け取った場合など、保険料の負担者以外の人が保険金を受け取った場合(相続税が課税される場合を除きます。)には、その保険金のうち、受取人以外の人が負担した保険料に対応する部分は、保険料を負担した人から贈与によって取得したものとみなされます。
  (3)  掛金や保険料を負担した人以外の人が定期金の給付を受けることとなった場合の定期金の受給権
 父が掛金や保険料を負担していた定期金給付契約の定期金の給付を、子が受けることとなった場合など、掛金や保険料を負担した人以外の人が定期金給付契約に基づき定期金の給付を受けることとなった場合(相続税が課税される場合を除きます。)には、その定期金給付契約に関する権利のうち、受取人以外の人が負担した掛金や保険料に対応する部分は、その掛金や保険料を負担した人から贈与によって取得したものとみなされます。
  (4)  著しく低い価額で財産を譲り受けたことによる利益
 弟が著しく低い価額で兄から土地を譲り受けた場合など、著しく低い価額で財産を譲り受けた場合には、原則として、財産を譲り受けた人が、その財産の時価と譲受価額との差額を、譲渡した人から贈与によって取得したものとみなされます。
  (5)  債務の免除、引受け等を受けたことによる利益
 子が父に債務を引き受けてもらった場合など、対価を支払わないで、又は著しく低い価額で、債務の免除、引受け又は弁済を受けた場合には、原則として、その債務の免除等による利益を受けた人が、その利益の額を、その債務の免除等をした人から贈与によって取得したものとみなされます。
  (6)  その他の経済的な利益
 同族会社の募集株式引受権が株主に与えられないでその株主の親族等に与えられた場合や地主から土地を貸借するについて権利金を支払わないで借地権の設定を受けた場合など、対価を支払わないで又は著しく低い価額で利益を受けた場合には、その利益を受けた人が、その利益を、その利益を与えた人(上記の株主や地主など)から贈与によって取得したものとみなされます。
  (7)  教育資金の一括贈与に係る非課税の適用を受ける信託受益権、金銭又は金銭等に係る教育資金管理契約が終了した場合に非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額
  (8)  結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税の適用を受ける信託受益権、金銭又は金銭等に係る結婚・子育て資金管理契約が終了した場合に非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額及び管理残額を控除した残額