■相続税の計算のしかた

5.特定計画山林の特例

 (1) 特例のあらまし
   特定計画山林相続人等(次の表の2に掲げる者)が、相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与(以下5において「贈与」といいます。)によって取得した特定計画山林(次の表の1に掲げる山林)でこの特例の適用を受けるものとして選択したもの(以下「選択特定計画山林」といいます。)について、その相続、遺贈や贈与に係る相続税の申告期限まで引き続きその選択特定計画山林の全てを有している場合(これに準ずる場合を含みます。)には、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、5%を減額します。
 なお、被相続人から相続、遺贈や贈与により財産を取得したいずれかの人が、その被相続人から贈与により取得した一定の株式又は出資について平成21年改正前の租税特別措置法第70条の3の3第1項又は第70条の3の4第1項の規定の適用を受けていた場合には、この特例の適用を受けることはできません。
 また、この特例は租税特別措置法第70条の6の4第1項(山林についての相続税の納税猶予及び免除の特例)の適用を受ける場合には適用することができません。

 
1 特定計画山林 2 特定計画山林相続人等
 森林経営計画に定められている区域内に存する山林(立木又は土地等をいいます。)
(1)  相続や遺贈によって取得した「特定森林経営計画対象山林」
 相続や遺贈によって左の資産を取得した個人で次に掲げる全ての要件を満たすものをいいます。
 被相続人の親族であること
 相続開始の時から相続税の申告期限まで引き続き選択特定計画山林である特定森林経営計画対象山林について市町村長等の認定を受けた森林経営計画に基づき施業を行っていること
(2)  贈与(贈与税の期限内申告の際に一定の届出をしたものに限ります。)によって取得した「特定受贈森林経営計画対象山林」
 被相続人から贈与によって左の資産を取得した個人で次に掲げる全ての要件を満たすものをいいます。
 左の資産に係る相続時精算課税適用者であること
 贈与の時から相続税の申告期限まで引き続き選択特定計画山林である特定受贈森林経営計画対象山林について市町村長等の認定を受けた森林経営計画に基づき施業を行っていること

    
 (2) 特定森林経営計画対象山林
   被相続人が相続開始の直前に有していた山林のうち、相続開始の前に森林法第11条第4項(森林法第12条第3項において準用する場合及び木材の安定供給の確保に関する特別措置法第10条第2項の規定により読み替えて適用される森林法第12条第3項において読み替えて準用する場合を含みます。)の規定による市町村長等の認定(次の(3)において「市町村長等の認定」といいます。)を受けた森林法第11条第1項に規定する森林経営計画が定められている区域内に存するもの(森林の保健機能の増進に関する特別措置法第2条第2項第2号に規定する森林保健施設の整備に係る地区内に存するものを除き、森林法施行規則第36条第1号に規定する計画的伐採対象森林に限ります。次の(3)において同じです。)をいいます。
  (注)  森林経営計画には、森林法第11条第5項第2号ロに規定する公益的機能別森林施業を実施するための森林経営計画のうち森林法施行規則第39条第2項第2号に規定する特定広葉樹育成施業森林に係るもの(その特定広葉樹育成施業森林を対象とする部分に限ります。)及び同法第16条又は木材の安定供給の確保に関する特別措置法第10条第3項の規定による認定の取消しがあったものは含まれません(次の(3)において同じです。)。
 特例の対象となる特定森林経営計画対象山林は、特定計画山林相続人等が施業を行うこととされている区域内に存するものであることなど一定の要件を満たした特定計画山林に該当するものに限られます(次の(3)において同じです。)。

 (3) 特定受贈森林経営計画対象山林
   被相続人である特定贈与者が贈与をした山林のうち、その贈与の前に市町村長等の認定を受けた森林経営計画が定められている区域内に存するものをいいます。

 
 (4) この特例を受けるための手続
   この特例の対象となり得る山林又は「小規模宅地等の特例」及び「特定受贈同族会社株式等に係る特定事業用資産の特例」の対象となり得る資産を取得した相続人等が2人以上いる場合には、この特例の適用を受けようとする資産の選択についてその全員が同意しており、かつ、原則として相続税の申告期限までに分割されていることが必要です。
 また、相続税の申告書にこの特例の適用を受ける旨その他所定の事項を記載するとともに、一定の書類を添付する必要があります。
 なお、この特例の適用を受ける場合には、相続税の申告期限から2か月以内に租税特別措置法施行規則第23条の2の2第12項に掲げる書類を提出しなければなりません。詳しくは、相続税・贈与税を専門とする税理士(TKC会員事務所)にご相談ください。
  (注1)  特定受贈森林経営計画対象山林についてこの特例の適用を受ける場合には、あらかじめ、贈与税の期限内申告の際にこの特例の適用を受ける旨等を記載した届出書及び一定の書類を提出しておく必要があります。
(注2)   相続税の申告期限までにこの特例の対象となる山林が未分割であっても、次のイ又はロに掲げる場合に該当することとなったときは、この特例の適用を受けることができますが、この場合、遺産分割が行われた日の翌日から4か月以内に更正の請求書を提出しなければなりません。
 相続税の申告期限後3年以内に財産が分割された場合
 相続税の申告期限後3年を経過する日までに財産の分割ができないやむを得ない事情があり税務署長の承認を受けた場合で、その事情がなくなった日の翌日から4か月以内に分割されたとき(税務署長の承認を受けようとする場合には、相続税の申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月以内に、財産の分割ができないやむを得ない事情の詳細を記載した承認申請書を提出する必要があります。)