■相続税の計算のしかた

3.相続財産の評価のあらまし
  相続財産の価額は、原則として、相続開始の時の時価で評価します。
  主な財産の評価のあらましは、次のとおりです。なお、個々の財産の評価については、相続税・贈与税を専門とする税理士(TKC会員事務所)にお尋ねください。

 
(1)

土地

  イ 宅地
   宅地の評価には、【路線価方式】と【倍率方式】という2つの方法があります。

1)

路線価方式

 路線価が定められている地域の評価方法です。路線価とは、路線(道路)に面する標準的な土地の1平方メートル当たりの価額のことで、「路線価図」で確認することができます。
 宅地の価額は、その宅地の形状等に応じた各種補正率(奥行価格補正率、側方路線影響加算率など)で補正した後の路線価に宅地の地積を掛けて計算します。

2)

倍率方式

 路線価が定められていない地域の評価方法です。宅地の価額は、原則として、その宅地の固定資産税評価額(市(区)役所又は町村役場で確認することができます。)に一定の倍率(倍率は地域によって異なります。)を掛けて計算します。倍率は「評価倍率表」で確認することができます。

「路線価図」、「評価倍率表」や「借地権割合」等は、国税庁ホームページの「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で確認することができます。

  ロ 借地権等
    借地権等の評価については次のとおりです。
 
借 地 権 原則として、路線価方式又は倍率方式により評価した価額に「借地権割合」を掛けて計算します。
定期借地権 原則として、相続開始の時において借地権者に帰属する経済的利益及びその存続期間を基として計算します。
貸 宅 地 原則として、路線価方式又は倍率方式により評価した土地の価額から、借地権、定期借地権等の価額を差し引いて計算します。
貸家建付地 原則として、路線価方式又は倍率方式により評価した土地の価額から、借家人の有する敷地に対する権利の価額を差し引いて計算します。

  ハ 田畑又は山林
    原則として、固定資産税評価額(都税事務所や市(区)役所又は町村役場で確認することができます。)に一定の倍率(倍率は「評価倍率表」で確認することができます。)を掛けて計算します。
  ただし、市街地にある田畑又は山林については、原則として付近の宅地の価額に比準して計算します。

(2)

家屋

 

 原則として、固定資産税評価額(都税事務所や市(区)役所又は町村役場で確認することができます。)により評価します。


(3)

森林の立木

 

 原則として、樹種、樹齢別に定めている標準価額(標準価額は国税庁ホームページで確認することができます。)を基として評価します。この場合、相続人や包括受遺者が相続や遺贈によって取得した「立木」については、標準価額を基として計算した価額の85%相当額によります。


(4)

果樹

 

 原則として、費用現価方式により評価し、樹種ごとに幼齢樹(成熟樹に達しない樹齢のもの)及び成熟樹(その収穫物による収支が均衡する程度の樹齢に達したもの)に区分し評価します。
 「幼齢樹」については、植樹の時から課税時期までの期間に要した苗木代、肥料代、薬剤費等の現価の合計額の70%相当額によります。
 「成熟樹」については、植樹の時から成熟の時までの期間に要した苗木代、肥料代、薬剤費等の現価の合計額から、成熟の時から課税時期までの期間(その期間に1年未満の端数がある時は、その端数は1年とします。)の償却費の額の合計額を控除した金額の70%に相当する金額によります。


(5)

事業用の機械、器具、農機具等

 

 原則として、類似品の売買実例価額や専門家の意見価格などを参考として評価します。


(6)

上場株式

 

 原則として、次のイからニまでの価額のうち、最も低い価額によります。

 

相続の開始があった日の終値

相続の開始があった月の終値の月平均額

相続の開始があった月の前月の終値の月平均額

相続の開始があった月の前々月の終値の月平均額

(7)

取引相場のない株式・出資

 原則として、その会社の規模の大小、株主の態様、資産の構成割合などに応じ次のような方式により評価します。具体的には「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」(評価明細書の様式は、国税庁ホームページから印刷することができます。)を用いて評価します。
 
類似業種比準方式 純資産価額方式 イとロの併用方式 配当還元方式

(8)

預貯金

 

 原則として、相続開始の日現在の預入残高と相続開始の日現在において解約するとした場合に支払を受けることができる既経過利子の額(源泉徴収されるべき税額に相当する額を差し引いた金額)との合計額により評価します。


(9)

家庭用財産・自動車

 

 原則として、類似品の売買価額や専門家の意見などを参考として評価します。


(10)

書画・骨とう等

 

 原則として、類似品の売買実例価額や専門家の意見などを参考として評価します。


(11)

電話加入権

 

 原則として、相続開始の日の取引価額又は標準価額(標準価額は国税庁ホームページで確認することができます。)により評価します。