《《《企業財務ミニ講座》》》
第1講:自己資本は、会社体力のバロメーター
皆さんは、「会社の決算報告書でまず目にするのは、どの項目ですか。」と問 われたらどこと答えますか。会社の売上高ですか。経常利益の額ですか。これま での右方上がりの経済成長の時代には、そう答えても誤りでありませんでした。 経営者の経営手腕を評価する尺度が、売上高や経常利益といった損益計算書の項 目でよかったのです。
過去のような経済成長が望めない時代となり経営者の手腕は、損益計算書を中 心とした単年度の評価から貸借対照表の数値を中心とした長期的な視点での評価 へと変化しているのです。金融機関が国際化の流れの中でBIS基準という枠組 みで選別される時代です。その中心的な役割を担う指標が自己資本比率です。会 社経営者が経営手腕を発揮して会社を発展させた結果としてどれだけの資金(資 本)を内部留保させることができたかを示すのが、自己資本の額であり自己資本 比率です。
資本金1,000万円で設立した会社が5年経過して自己資本が1,500万円となった なら、年平均100万円の利益を生み出したことになります。この会社の自己資本 比率が10%ならば、総資産は、15,000万円であり、平均の総資本利益率は、100 万円/15,000万円=0.66%となります。5年間に経営者が事業活動を行った成果 が、平均利回りで0.66%の利回りであったという評価になるのです。
この例で、自己資本比率が30%ならば100万円/5,000万円=2%となり、自己資 本比率が50%ならば100万円/3,000万円=3.3%となります。低金利の時代、定 期預金の金利以上の利回りを獲得できてはじめて経営者は、評価されるのではな いでしょうか。経営者の皆様には、会社の自己資本の額とその比率をまず確認い ただき、総資本経常利益率がどの水準になるかを見ていただきたいと思います。
第1講おわり
次回は、「総資本経常利益率について」です。
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