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一般的によく見受けられるのは、「ビジネススクールに通わせれば何か学んでくれるだろう→学んだからにはきっと期待に応えてくれるはずだ」というものです。実はこうした考え方は最も危険であり、実質効果は見込めません。世間で数多くのセミナーや研修が行われていますが、参加して役に立つ割合は数%くらいです。では、どうすればよいのでしょうか。
1.どんな幹部を養成したいのですか
幹部候補生といっても、部課長クラス、役員クラス、文字どおり最高幹部の社長と、どのレベルを狙うのかによってスクールを選択しなければなりません。またマネジメントを強くしたいのか、企画力などを高めたいのかなどの目的によっても変わります。つまり、誰をどのように育成したいのかを明確にし適正なスクールを選択することが重要な視点になります。
2.受講する人の強み、弱みは何ですか
ここでは受講される個人に焦点を当ててみましょう。ビジネススクールで勉強する訳ですから、何か強くしたいために受講する訳です。例えば、マネジメント力を強くしたい場合、【マネジメント=測定(メジャメント)+統制(コントロール)】という定義から見て、会社の業績、製造、営業などの実態を測定するという意味と実際の進め方、その実態を見て何をどうアクションするのかに関する根本的な考え方と応用などがあります。また別の視点では、企画・戦略力が弱い、部下のコントロール力が弱い、財務が弱い…等々もありますので、弱みを強くするために最適なスクールや研修を選択すべきだと思います。
3.徹底したOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)による実践を通じた訓練をしましょう
冒頭に述べましたように、研修やスクールで学んでも実践で役立てるには、OJTが欠かせません。知識を身につける→実践の場で繰り返し実施してみる→技術が身につく→人に教えられる、というステップで人は成長します。そうした意味で、OJTが欠かせないわけです。
スクールが終わったならばすぐOJTの計画を立案し、決して手抜きをせず計画通りに実施しましょう。このOJTをしっかり実施しないと、「せっかく勉強してもらったのに、何の役にも立たないじゃないか」という悲惨な結果になる恐れがあります。
税法上の留意点
ここで、税法上の留意点について解説しておきます。
会社が仕事に関係のある技術や知識を習得させるための授業料などを負担する場合、次の3つのいずれかの要件を満たし、その費用が適正な金額であれば、給与として課税しなくてもよいことになっています。
(1) |
仕事に直接必要な技術や知識を習得させるための費用であること |
(2) |
仕事に直接必要な免許や資格を取得させるための研修会や講習会などの出席費用であること |
(3) |
仕事に直接必要な分野の講義を大学などで受けさせるための費用であること
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ただし会社の事業内容や社員の業務内容により、経済的利益とみなされ給与と認定される可能性もありますので、詳細については所轄税務署にお問い合わせのうえ適切な税務処理をしてください。 |