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まず、「顧客がうなる」という状況をどのようにお考えでしょうか。
あくまでもビジネスにおけるプレゼンテーションは「商売」につながることを目的にして行われるものです。従って、最終的に相手の何らかの行動につながるものである必要があります。内容はよく練れているし、流暢で上手い話だったと相手をうならせても、一晩寝ると何も印象が残っておらず財布の紐は緩まなかった…というのでは意味がありません。
必ず次につながるよう相手の心の中に何らかの「引っ掛かり」を作ることがプレゼンテーションの基本です。これはこちらが伝えた情報が相手に記憶されるということだけでなく、伝えた情報によって起こる「驚き」「感動」「疑問」「不安」などの心理変化だと考えてください。そしてこの心理変化から相手が「次に○○したい」と自分の意思を明確に持つ。これが理想。単に「いい話だった」「面白かった」と言われただけでは不十分なのです。例えばあなたが顧客の部長を相手にプレゼンテーションを行ったとしましょう。終了後に相手が興奮しながら
「すぐに社長にも話を聞かせたいので協力してくれないか。日時はいつにしよう」などと言ってくれれば成功と言えます。
このようなプレゼンテーションのポイントは、
(1)相手の要望に明確に答える
(2)相手に何らかの新しい気付きを起こさせる
(3)次に何をするか、選択肢を示し、相手が選べる状態を作る
以上の3点です。これを実施するのに必要な事前準備と進め方を解説しましょう。
【事前準備:情報収集】
(1)を実現するためには、相手が何を望んでいるのか的確に把握できていることが不可欠。直接相手に聞ける場合はしっかりヒアリングし、そうでない場合もできるだけ情報収集に努めましょう。そして、わかる範囲で相手の要望の仮説づくりを行うのです。
【事前準備:シナリオをつくる】
(2)、(3)を実現するには、事前のシナリオづくりが大切です。たくさんの情報を一度に伝えられても、覚えられる情報量には限界があります。ですから、「少なくともここが伝わればOK」というポイントを絞りこみ、どうやって印象を残すかを考えましょう。これを軸にシナリオを組み立てます。
ここで完璧に流れるようにスムーズなシナリオにするのではなく、わざと誰もが「あれ?」と疑問を持ってしまうような「穴」を開けておくことも重要なことです。この穴にわざと落とし、相手の疑問を聞いてからそれに明確に答える。このようなインパクトを強める仕掛けを行うのです。
【当日の進め方】
目的と最終ゴールを共有化してから始める
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何のためのプレゼンなのか、そして、最終的にお互いがどういう状態になっていればよいか、目的と最終ゴールを共有化しましょう。共有化することで、プレゼンテーションについて、お互いの認識のずれを防ぐことができます。
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時間を守る
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ついオーバーしがちになりますが、最初に設定した時間内に終わらせるように心がけましょう。時間の余裕は気持ちの余裕にもつながります。
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相手が話についてきているか確認する
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相手の様子を確認し、必要に応じて質問タイムを設けながら、理解度を確認しましょう。
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それから、最後はどこまで真剣に顧客のことを考えて伝えられるか。この「顧客への思い」が一番大切なのです。人は見せかけだけで心動かされるものではないということを忘れずに。
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