■第100回TKC中央研修
 電子申告100%実践のための
 「税務情報システム研修会(法人税・消費税編)」

 と き:平成19年6月5日(火)・6日(水)
 ところ:グランドプリンスホテル新高輪


中央研修 税務情報システム研修会(法人税・消費税編)が6月から7月にかけて、全国222会場で開催された。これに先立ち講師団研修が、6月5−6日の2日間開催され、常任講師を務める73名(うち新任38名)を含む総勢194名が参加した。

目標を達成するための基礎的な研修

 研修に先立ち、割石恭市中央研修所担当副会長が挨拶した。
「3月末で電子申告推進の一応の区切りがつきましたが、TKC全国会よりまた新しい方針が提出されています。7月以降は法人に関して100%電子申告を推進し、来年の3月末までに申告件数120万件を達成するというものです。本研修は、これを達成するための、真正な決算書、または正しい税務申告を行うための基礎的な研修ですので、ぜひとも各地域会に帰られましたら、自利利他の精神で受講者に学んだことをお伝えいただきたいと思います」
 次に川崎浩中央研修所所長が「TKC全国会の目標は世界第一級の会計事務所の構築であります。この目標を達成するために一つの戦略としてTKCシステムの徹底活用が求められています。TKCシステムの中でもこのTPS1000というシステムは基幹的なものとして位置づけられています。このシステムを各地において、普及、推進し、その活用をより高めていくことがTKC会員事務所の発展につながると思います」と受講者を激励した。
 引き続き、TKCの櫻岡敏明システム開発研究所副所長が、電子申告の現状、税法改正について説明した。

すべての関与先に電子申告実践を

 
講義に先立ち、本研修会で使用される研修用テキスト(『法人決算・電子申告納税のシステム実務(OMS2000・e‐TAX1000 TPS1000・TPS1000‐K3・科目内訳書)』・『操作実習サンプル集』)の編纂に責任者として携わった川原孝俊税務情報研修小委員会委員長(四国会)が、「平成19年度税制改正では、減価償却制度が抜本的に改正され、減価償却の計算方法と法人税別表の様式・記載方法が大変複雑になりました。また本年1月から国税が、また4月から地方税が、それぞれ税理士関与の場合には関与先の電子署名が省略可能となりました。これは税理士の社会的役割の公共性がさらに認められたものであり、税理士は電子申告の担い手として、すべての関与先の電子申告を実践することが責務となったことを意味します。これらを踏まえて(1)減価償却制度の改正内容と新TPS1000‐K3の活用法(2)平成19年度法人決算申告システムの重要ポイント(3)OMS利用による国税と地方税の電子申告実践100%のためのポイント――を本研修のテーマといたしました。適法な決算書と申告書の作成、そして電子申告の100%の実践のためにも、各地での研修を成功させていただきたいと思います」と述べた。
 講義1では、東文明TKC税務研究所研究員が、法人税の重要改正ポイントを説明。講義2では、相澤友弘同研究員が消費税の改正点と実務における重要ポイントを、システム利用上の注意点を踏まえて解説した。また、講義3では、長谷川暢彦法人決算申告システム小委員会委員長(東・東京会)が平成19年度税制改正に伴う法人決算申告関連システムの対応ポイントを詳解した。
 講義4―8では、小林正俊税務情報研修小委員会委員(中部会)が「前課税期間の確定消費税額に基づき消費税の中間申告を行う場合の中間申告書(第二十六号様式)の作成」や「法人税・地方税の予定申告書の作成」を、TPS1000のシステムデモンストレーションを交えて説明。講義9では、減価償却や繰延資産償却の計算だけでなく、「減価償却費の明細書」や「償却資産申告書」等の書類作成業務全般を含めた解説があった。新しい減価償却制度の適用時期についても触れた。
 2日目に入り、講義10―11では、西村篤同委員(関信会)が消費税申告書の作成について解説。講義12―16は、井上徹同委員会委員長が、事前登録から送信までの電子申告・電子納税の一連の手順を再確認した。
 その後、「TKCローライブラリー(税務・会計法規編)」の紹介が行われた。

熱意を持って地域にバトンを渡してほしい

 
講義終了後、常任講師を代表して丸山裕司会員(西東京山梨会)が登壇。「多くの委員の方が携わって作り上げていただいた素晴らしいテキスト、さらにシステム開発研究所が総力をあげて開発したTPS1000をはじめとするシステム、これらのバトンをわれわれ常任講師は確かに受け取りました。後は地域に戻り、地域の皆さまに熱意を持ってこのバトンをお渡ししたいと思います」と決意表明を行った。
 続いて、SCGを代表して八王子SCGサービスセンターの大島朋子さんが、「今回の講師団研修に参加して、改めて税務情報システムの重要性を感じました。SCGとしてはこの研修会の重要性を担当事務所にお伝えして、お一人でも多くの会員先生に参加していただけるように活動して参ります」と応えた。
 最後に、小林馨税務情報研修小委員会委員長が「今回の研修会開催にあたっては、何回も委員会を開き、何度も話し合いながら、どうにか本日に辿り着くことができました。これも講師を担当した会員先生方、TKC税務研究所の皆さまのご協力によるものだと思います。各地で講師をされる皆さまにおかれましては、受講生の方々に思いをぶつけていただきたいと思います」と締めくくり、研修の全日程を終えた。

(TKC出版 渋田正和)

講義内容
■6月5日(火)
 講義1 :法人税の改正点と実務における重要ポイント
 講義2 :消費税の改正点と実務における重要ポイント
 講義3 :法人決算関連システムの平成19年度税制改正への対応ポイント
 講義4 :国税・地方税の電子申告の開始手続
 講義5 TKCシステムによる法人の決算申告業務
 講義6 :消費税の中間申告書、法人税・地方税の予定申告書の作成と電子申告
 講義7 :決算業務の開始
 講義8 :科目内訳書等の作成
 講義9 :減価償却費の計算
■6月6日(水)
 講義10 :税引前当期純利益の確定と消費税申告書の作成
 講義11 :未払法人税の確定
 講義12 :税効果会計の計算と法人税申告書の作成
 講義13 科目内訳書等の完成
 講義14 :決算書・個別注記表・事業概況書の作成
 講義15 :権限証書・添付書面・受件簿の作成
 講義16 :国税・地方税の電子申告、国税の電子納税

(会報『TKC』平成19年8月号より転載)