■TKC全国会の経営革新支援

 中小企業庁との勉強会が開かれる

 とき:平成16年11月18日(木) ところ:TKC東京本社 
 出席者(順不同・敬称略)
 
■中小企業庁
   経営支援部経営支援課長    数井 寛
   経営支援課統括経営革新専門官 柿崎 実
 
■TKC全国会創業・経営革新支援委員会
  担当副会長  粟飯原一雄
  委員長    赤岩  茂
  副委員長   今仲  清
■TKC全国会事務局
  課長     浅香 智之

中小企業庁との勉強会 TKC全国会創業・経営革新支援委員会は、来年、整理統合が検討されている中小企業支援関連3法の動向を踏まえ、過日、中小企業庁より担当者を招いて勉強会を開催した。当委員会からは、TKC全国会の推進する経営革新支援活動の考え方や活動実績が報告された。

経営革新法で世の中が変わると認識

 勉強会に先立ち、挨拶が述べられた。

経営支援部経営支援課長 数井 寛
 中小企業経営革新支援法(以下、経営革新法)の承認企業は順調に伸びています。皆さまの創業・経営革新支援活動には日頃から関心を持っており、本日の勉強会を今後の活動に反映していただければと思います。

本委員会担当副会長 粟飯原一雄
 TKC全国会では、黒字決算割合の向上を目指す活動を展開しています。その一環として、経営革新法承認 5,000件を活動目標にすえ、創業・経営革新アドバイザーの育成や1,500会員事務所での
TKC経営革新セミナーの開催を通じ、中小企業の経営革新を支援しています。

本委員会委員長 赤岩 茂
 経営革新法が登場したとき、この法律で世の中が変わるのではないかとの感想を持ちました。やる気と能力がある企業にはますますチャンスが拡がりました。この認識に立ち、我々は活動を推進しています。

 中小企業庁の数井経営支援課長より、平成17年度中小企業対策概算等が説明された。
【基本的考え方】
1.「市場に挑戦する中小企業の支援」を通じた経済活性化・地域再生
2.中小企業の人材育成・活用支援
3.再生に取り組む中小企業の支援と中小企業金融の多様化・円滑化
4.商店街・中心市街地活性化対策の重点投入

【概算要求額及び財政投融資要求額】
1.平成17年度要求額 1472億円(対前年比167億円増)
2.平成17年度計画・財政投融資要求額 6兆8000億円(政府系3
金融機関貸付規模)

【重点項目】

1. 創業・経営革新支援
 創業・経営革新を図る事業者に対して、技術開発から販路開拓まで一貫支援。特に販路開拓については中小企業基盤整備機構に専門人材を配置。商工会・商工会議所の優れた支援人材(シニアアドバイザー)によるビジネスプラン策定やマーケティングリサーチ等の支援。
2. 戦略産業分野等における事業化・市場化支援
 経済産業省発表の「新産業創造戦略」に基づいて、情報家電分野等の強い競争力を持つ先端的新産業群やシニア向けサービス等のニーズ対応新産業群等の創出・拡大を担う中小企業へのスタートアップ支援。全国・世界市場に販路拡大を図る中小企業のブランドの確立に向けた支援(「JAPANブランド育成支援事業」等)。

3. 中小企業の人材育成・活用支援
 創業や新事業展開を成功させるための経営・マーケティング戦略等のできる人材育成と中小企業を支援する外部人材の活用を支援(「創業塾」「第二創業塾」「企業等OB人材活用推進事業」等)。
4. 中小企業の再生支援と中小企業金融の円滑化
 中小企業再生支援協議会の強化、担保や個人保証に過度に依存しない融資の推進、セーフティネット保証・貸付の充実等で中小企業金融の多様化と円滑化を支援等。

既存支援法の新法への整理統合について

 現在、中小企業の個別事業を支援する法律として、「中小創造法」「新事業創出促進法」「経営革新法」の3法が存在する。この3法は各々実績、成果をあげているものの、(1)「中小創造法」は来年4月までの時限立法であること。(2)3法の支援対象、支援措置が類似しており、利用者からは「施策の重複感があり、分かりやすくして欲しい」との指摘があること等から3法を整理統合し、国民に分かりやすい法律に再構築するよう検討している。

 なお、新法の中核には「経営革新法」を位置づける。事業の“新規性”については、「中小創造法」においては“著しい新規性”が求められていたが、新法においては「経営革新法」の考えに基づき、“ビジネスプランの実現可能性”や“付加価値の向上”等を重視する方向である。都道府県に対する申請、手続き、承認等の流れは従来の流れと大きく変化はないが、これに加えて“新連携”という考え方が新たに取り込まれる予定である。

●「新連携」:
  複数の事業者が異なる事業分野で蓄積したノウハウ・技術等の経営資源を持ち合い、それらが融合することで初めて可能となる事業活動を行うことで、新たな需要の開拓を行う企業グループという概念。これらの支援により、個々の中小企業では実現困難だった新事業への展開等の実現を図る。

 その後、経営革新法の現状分析等が紹介された。
 創業・経営革新支援委員会赤岩委員長からは、全国会が推進する経営革新支援について、アドバイザー制度とその育成方針、月次巡回監査とKFSの深堀りによるアドバイザーの承認支援等が説明された。また、全国会事務局の浅香課長より、具体的な活動報告がなされた。

(TKC出版 程田靖弘)
(会報『TKC』」平成17年1月号より転載)