|
日本のポテンシャルは中小企業が支える
当フェアは、産・官・学の連携をメインテーマに、人材、ものづくり、経営・情報戦略、知的財産等の情報発信を通じて、中小企業の新しい経営の姿や社会環境の共存関係の構築を目指している。経済産業省、東京都、中小企業総合事業団、日本商工会議所等が後援し、特別協賛として、日興コーディアル証券が運営をサポートしている。
式典では、主催の総合経営革新フェア実行委員会の米倉誠一郎実行委員長(一橋大学イノベーション研究センター教授)が開会宣言を行った。
「景気の善し悪しは株価や円の好調ではなく、企業が持続的に投資や需要喚起を行って、『間違いない』と確信できてはじめて実感するものです。カリフォルニア州と日本はほぼ同じ大きさです。あちらには州知事は1人ですが、日本には47人の知事と自治体の知恵があります。日本のGDPは約500兆円。首都圏だけで157兆円。157兆円はフランスのGDPに匹敵します。OECD加盟国の韓国でも51兆円。約60兆円のGDPがある四国と九州を合わせた実力はOECD加盟に相当します。この日本のポテンシャルは大企業だけが支えるのではなく、中小企業の地道な活動の集約が支えています。今日一日、会場でいろいろな知恵を吸収してください」と来場した中小企業経営者を励ました。
平沼前経済産業大臣が基調講演を行う
会場となった東京国際フォーラムには、1361名(事務局集計による)の来場者があった。中小企業が主役となる日本の未来像を語るべく、平沼赳夫前経済産業大臣の基調講演「今、大きな潮流が動きだす」を皮切りに、南富士産業(株)社長の杉山定久氏「人づくりで目指す“知恵の大企業”」、岡野工業(株)代表社員の岡野雅行氏「ものづくり」、元インテル(株)社長の西岡郁夫氏「ITの戦略的活用法と成功事例」、KFi(株)社長の木村剛氏「中小企業を活かす金融戦略」等、その分野のエキスパートが中小企業の経営指針となる12のセミナーを行った。午後には「21世紀・新しい企業集団の創出」と題するパネルディスカッションも行われ、協賛後援企業や一般企業による出展・相談コーナーも設けられた。
TKC全国会は後援団体として、2年連続で参加した。フェア実行委員会には武田隆二全国会会長も委員として名を連ね、今年は、創業・経営革新支援委員会専門委員の加藤武人会員(TKC千葉会)が、『めざせ優良企業 元気な会社はあなたがつくる!』のテーマで特別セミナーを行い、コア事業の見極め(事業ドメイン)とベンチマーキングについて、1時間にわたり説明した。セミナーは盛況で、1つの会場では入りきれずに、テレビ中継を用いて別会場で講義を聴く参加者もいて、総勢約110名が聴講した。
|
めざせ優良企業 元気な会社はあなたがつくる!
――コア事業の見極め(事業ドメイン)とベンチマーキング
TKC全国会 創業・経営革新支援委員会 研修企画小委員会専門委員 加藤武人会員
元気な会社を作るポイントは何か? それはベンチマーキングを行って、自社のビジネスを知り、企業活性度をあげて、目標への実現可能性を向上させることです。ベンチマーキングとは、同業他社との比較・分析を通じて、自社の強みや弱み、重要度を絞り込むことを言います。つまり事業ドメイン(領域)をしっかり把握し、コア事業とノンコア事業を分類して、コア事業を基本戦略(企業戦略)として継続させることです。
日本人は効率追求型の経営をします。しかし効率ではなく、効果を追求するのが商売の基本です。経営の効果は、原因と業務プロセスを洗い出すことによって検証できます。
商品・サービスが優れていても売上が上がらない場合は、商品の善し悪しではなく、売り方などに原因があるのです。それは効率のみを追求したからです。もっと言えば、顧客の犠牲の上に成り立つ商売をしたからです。
大事なことは「企業側の論理」でなく「顧客側の論理」を重視することです。つまり成功するポイントは、商品・サービスの効率(供給側)ではなく、その効果や将来性(需要側)を検討することにあります。
こうした事業のモノサシで、新事業を行う際に何が不足しているのかを考える。もし財務面が弱ければ税理士を活用する。 このさじ加減がわかるのは経営者だけです。従業員にはわかりません。それを従業員にわからせるようにプログラム(SWOT分析、BSC、PDCA)を導入するのも経営者の仕事です。
TKC会計人はKFSで企業の成功要因を抽出し、事業効果の検証などを支援します。
|
(TKC出版 程田靖弘)
(会報『TKC』」平成16年7月号より転載)
|