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TKCとアライアンス関係にあるマイクロソフト社、そして地域金融機関の協力によって実現した「戦略経営者セミナー2002」は、“IT・経営・金融”をキーワードとした“経営革新”の具体的ソリューションを、全国の中小企業経営者向けに提供する。9月までに全国約60か所で開催されるセミナーの先陣を切って、4月9日、東京商工会議所にて第1回が行われた。
午後1時半、東京商工会議所に設けられたセミナー会場は、一般企業経営者、TKC会員及びTKC関係者等の参加者の熱気で満ちあふれた。
昨年暮れから行われているTKC会計人による経営革新支援活動は、「経営革新フェア」等への参画を経て、中小企業経営者に経営革新の具体的手法を提供する段階へと来ていた。一方、マイクロソフト社は、中小企業対策の一環として「IT実践塾ステージ1・2」を既に実施しており、今回、その発展型として「戦略経営者セミナー2002」が両者協力のもとに成立。当セミナーでは(1)マイクロソフト社からITの活用法(2)TKCから黒字決算体制の構築手法(3)金融機関から融資の実行面から見た成長企業の条件――と経営革新をテーマとして様々な講義が行われる。
第一部
成功するIT化のステップとは
マイクロソフト(株)IT推進事業部部長 中村龍太
埋もれていたデータから有益なデータを発掘。これまで見えなかったデータを誰もがわかる形にする。バラバラなデータを統合して経営に活かす。それがマイクロソフトが提唱するデータマネジメント。
ITを導入したからといって、経営が革命的に改善されるわけではありません。IT導入の前提条件はビジネスシナリオが明確であること。そして社内インフラの整備、情報共有がなされていることです。営業活動であれば、売掛金の回収状況や顧客情報をタイムリーに共有して、営業と管理部門、営業とサポート部門の情報管理をスムーズに行う。そのためには顧客データの入力や確認の徹底といったルール作りが不可欠です。そのことによって部門間の意思伝達の改善、ノウハウの蓄積、会社一丸となっての問題解決が可能になります。
ここで製造業のIT活用事例を紹介します(ビデオ上映)。ダイニチ(株)は、プリントデザインのデジタルトレースと反物のスクリーン捺染版を生産する会社。IT導入前は、韓国への版下運送費や電話によるデザイン調整で通信費が増加しており、その改善策としてインターネットによる電子会議を導入。その結果、航空便による版下運送費、遠隔地への通信費、会議にともなう人件費等が削減され、デジタル化によって生産性も向上。そして年間820万円のコストダウン(生産性は168倍)に成功したのです。
IT導入の課題には、自社ビジネスとITの結びつきが不明確、導入手順とその相談相手が不明、ITがわかる人材の不在等があります。その解決のためには、ITコーディネーターや「マイクロソフト社IT推進全国会」(200社加盟)にご相談ください。
第二部
強い会社となる_経営革新_の進め方
TKC創業・経営革新支援委員会委員 原田伸宏(関信会)
青い海原に船が浮かんでいる。帆を揚げると順風が吹く。これが好景気。でも不景気では潮の流れも止まり、凪で船は進まない。すると船長は自らの手でオールを漕がねばなりません。オールで漕ぐこと、つまりそれが経営革新です。
経営革新には、売上高の継続的な実現を可能にする“必要条件”と適正利潤の継続的な実現を可能にする“十分条件”が必要で、前者は外部環境との闘いで、後者は会社内部の仕組み作りの闘いと言えます。
職業会計人の仕事は、車の運転に譬えればナビゲーターです。ハンドルを握るのは経営者。運転手とナビゲーターが上手に連携をとればクラッシュすることはありません。TKC会計人は月次巡回監査を行い、決算終了後、来期の経営シミュレーションも検討します。これを可能にするシステムが継続MAS(経営計画策定システム)です。また財務会計と管理会計を統合した業績管理システムであるFX2(戦略財務情報システム)を使えば、「変動損益計算書」で、自社の業績をタイムリーに把握できます。
ITを活用した業績管理メカニズムには、3つのレベルがあります。
1.読み書き算盤レベル:PC、インターネット、LAN等
2.業績管理レベル:業績管理(Plan-Do-Check-Action)の推進、経営革新計画等
3.戦略レベル:自社の強みを強化し、弱みを克服する(eコマース等)
これらを総合的に推進するためには、継続MASとFX2を駆使した業績管理が有効です。TKC会員のKFS利用関与先企業の黒字割合は63.5%となっています。そして何よりも大事なことは、社員の志気を高め、顧客満足度を一層高めること。それを可能にするのは経営者の熱い情熱です。
第三部
金融機関から見た成長する企業のポイント
(株)東京三菱銀行 TKC事業室室長 松本憲明
設備投資をして製品を作れば確実に売れる。そうした経済成長の時代は終焉を迎えました。こういう時代こそ精緻な事業計画が必要です。
事業計画のメリットは、(1)「人、物、金」の分析によって自社の実力を把握(2)新規事業への対処・判断基準として効果的(3)計画と実績の比較検討(4)自社の危機的状況の予防効果(5)長期にわたりビジネスの方向性を予測(6)全社員が経営課題を共有――等の可能性が挙げられます。
銀行取引では、事業計画(資金繰り計画)が明確であるほど円滑な取引が可能となります。いまの時代、経営の質が問われるのです。社内の合理化やIT化をいかに行い、売上にどう反映させていくのか。そのためには財務データを分析して資金使途を明確にし、プランニングによって自社の動きを客観的に判断することです。
その後、個別相談とTKCシステムのデモンストレーションが行われた。後日、来場者から回収したリファレンスカードによると、「正しい会計帳簿の作成と月次決算報告を行う会計情報サービス」「経営革新計画策定支援」「部門別業績管理に役立つFX2の導入」等への詳細説明への要望が数多く寄せられたという。
(TKC出版 程田靖弘)
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